研修って、意味ない…?

2017.10.11


こんにちは。プロデューサーの田幡です。

 

弊社では以前、様々な企業から集まった有志の人材開発担当者の方々と共に、ワークショップを開催していました。

 

目的としては

 

「ほんとのほんとに役に立つ社員教育を考える」

 

というもので、ワークショップは複数回に及びました。

 

そんな中、先日行われた回で「研修の存在意義」に触れるようなシーンがありました。

 

きっかけとなったのは、ある参加者の方がこう発言したからです。

 

「社員の成長への影響度は、全体を100とすると次の通りではないでしょうか。

【 OJTや実務経験からの学び……70 】

【 上司の関わり……20 】

【 研修……10 】」

 

学術的なものではなく、あくまで感覚的な話ではあったのですが、

 

日頃から研修企画をしている張本人たちが多く集まっている場でのこの意見に、皆さん共感されていたようです。

 

ただ、それと同時に、悲しさにも似たような空気がほんの少しだけ生まれたようにも感じました。

 

これをお読みの皆さんはいかがでしょうか。

 

この数字の割合を見て、何を思いますでしょうか。

 

私自身はどうかというと、影響度の割合に関してはその場の皆さまと同じく概ね共感を持ちました。

 

ただ同時に、私は少し異なる捉え方・考え方をしていました。

 

◆意識すべきは影響の“環”である

皆さんは人間という“生き物”だと思いますが、

 

「生き物として、身体に不要なものはあるか」と問われたらどう答えますか。

 

私は「身体に不要なものはない」と答えます。

 

もし「ある」と答えるとしても、あくまでそれは「付き過ぎたお腹の脂肪」や「伸び過ぎた爪」のようなものを指すはずです。

 

本当に何の機能も持たず、ただ存在しているだけのパーツなんて身体にあるのでしょうか。

 

また、「全力で走る時、その推進力を支えている筋肉の割合」が次のようなものだったとしましょう。

 

・足の裏…15%

・ふくらはぎ…30%

・太もも…30%

・腹筋…20%

・腕……5%

※あくまで例えであり、実際の割合とは異なります。

 

こういったデータを見た時に、「腕は5%なのか。じゃあ腕がなくても全力で走れるね」となりますでしょうか。

 

これは、かなり違和感のある認識だと思います。

 

さらに、「走るうえで内臓は関係ないなら要らないな」ともならないはずです。

 

胃がなくなったら、食事ができず、筋肉を付けることもできません。

 

こういった考えは、「システム思考」と言えるでしょう。

 

トップアスリートが食事に大変気を使うように、

 

表面的な視点に陥ることなく「影響の環」がどうなっているのか、

 

全体のシステムを意識しながら資源を分配していかなくてはなりません。

 

◆研修の存在意義を正しく認識して捉える必要がある

では、先ほどの「社員の成長への影響度は、全体を100とすると研修が10」という話に戻して考えてみましょう。

 

「研修の割合が低いから、研修はやらなくていい」ということにはならないはずです。

 

他のことにも影響を及ぼすからです。

 

例えば、

 

「研修をきっかけに得た事が、後に上司となった時の部下サポートの質にも関わる」

 

と捉えることができたらどうでしょう。

 

そう考えて臨むと、

 

研修参加者に中長期的なメリットや期待を提示して、動機を更に高められるかもしれません。

 

例えば、

 

「忙殺される日々の中で、“研修”という大義名分は業務時間中の内省時間の確保に有効」

 

と捉えることができたらどうでしょう。

 

研修によってOJTを加速できるかもしれません。

 

例えば、

 

「研修企画の為の社内インタビュー活動が、インタビューの受け手の内省や成長の機会にもなる」

 

と捉えることができたらどうでしょう。

 

研修の費用対効果を意図的に高めて、価値を広げることができるかもしれません。

 

それが何%であれ、存在意義を正しく認識して捉えるということは、同時に効果を最大化するチャンスを見出せることにもなります。

 

このように

 

「影響度や短期的な貢献度の大きな存在に着目し、それを平準化させる」

 

というアプローチは、上記のような理由からも、よく考えて行う必要がありそうです。

 

※少し前ですが、『働かないアリに意義がある』(長谷川英祐/メディアファクトリー新書)

 

という、今回の内容に合致するような本もありました。ご参考まで。

 

「時間と予算があるから研修でもやっておこう」と打算的に考えるのではなく、研修の存在意義を見極め、高い視座を持ちましょう。

 

適切なポイントに対して適切な手間ひまをかけた研修を検討していきたいものですね。


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