「こういうのを待っていた！」

親会社が生命保険会社なので、保険業界の業務の中身や必要とされるシステムに関する理解が深いことが強みです。
また、保険ビジネスと関連の深い医療業界についても、デジタル情報活用の実績が強みになっているかと思います。

日本全体の人口が減ってきていて、保険業界は競争が激しくなってきていますし、新規システムの導入にあまり潤沢な予算を割けない傾向にあるようです。このことが弊社にとって厳しい環境になるという可能性は想定しています。
一方で、人口減により働き手（社員）の数も減っていることを踏まえると、業務を支える存在として、AIやRPAはじめ、ITが担う役割は大きくなっていくとも考えており、弊社の事業にとってプラスになる可能性も感じています。

まず、弊社の営業についてですが、保険・医療業界の知見やノウハウは高いと思います。
一方で、現在はその他の業界のお客様への価値提供も始めていますが、その場合は保険・医療業界の知見やノウハウだけでは差別化はできません。
そんなことがあって、昨年より「提案書作成」「営業戦略立案」「質問話法」等といったテーマでの強化を始めました。

お客様が口にしていないことも含め、痒いところに手が届くような、任せられる会社になることが大切だと思っています。
その為にも、お客様が何に困っているのか、どんな方針でいきたいのかといったことをしっかり聴き出せることが必要だと感じています。

すぐに実現しないかもしれませんが、営業がマーケティングのような機能を担えると良いと思っています。
ここでいうマーケティングとは、市場のニーズやトレンドを現場から拾い、開発部門へフィードバックし自社の成長に繋げていくこと。
営業が新規ソリューション創出のきっかけになれることを指しています。

私たちは「顧客から選ばれる」立場です。そして、その顧客担当者は時に「上位層から急なリクエストや難易度の高い指示を受け、悩んでいる人」であることも多いです。
そんなことを踏まえると、いかに寄り添って相談に乗れるかが大切になると考えています。

まず、弊社には3年前まで体系的な営業向けの育成施策がありませんでした。そして、弊社の営業部門のほとんどが開発部門出身であるため、営業も我流でやっている状態でした。
そんな中、昨年度の話ですが、ある顧客訪問で、担当営業がそのお客様とのアポイントの目的やゴールを明確に設定せずに上司の同行を求めた、ということがありました。先方は大手金融機関の役員。コレではいけない、ということになって、まずは「訪問の事前準備の重要性」を認識すること、そして具体的な「事前準備のスキル」も体得できるような施策が必要だと考えました。

そんな経緯で、人材開発のご支援をされている各社さんに課題感を伝えていたところ、アルヴァスデザインの石井さんからご提案いただいたのは、リクエストしていた「事前準備」に関する観点だけでなく、さらに「お客様に価値を提供する視点を獲得する」という観点を含んだものでした。
確かにその点は私たちも必要性を感じていました。営業が「自分目線」になってしまっていることもあるでしょうから、そこまで踏み込むことで初めて事前準備の重要性を実感できるかなと思いました。

他の研修に比べてアンケートでの満足度が非常に高かったです。特に、講師の評価はピカイチでした。
「実体験に即した話が多く参考になった」という意見が一番多かったですね。また、「研修で何を学んだか」という質問に対して、「顧客視点で価値を提供することの重要性」や「そのための事前準備の重要性」といった、狙い通りのコメントが非常に多かったです。
これは、他の研修では意外と難しくて、今回の研修が参加者にとって分かりやすく、しっくりくる研修になっていたんだなと思います。

弊社には、社員がそれぞれの本職とは別に、さまざまなテーマの下に集う「コミュニティ活動」いわゆるワーキンググループのようなものがあり、その１つに「営業人材育成」コミュニティがあります。
その中で今、「営業のあるべき姿とは？」という議論をしていますが、今回の研修内で使われていたフレーズが出てくるんです。
例えば、「お客様に“価値”を提供できなきゃいけないね」「お客様の“ありたい姿”を捉えよう」といった言葉です。
その意味では、少なくとも社員の中の“意識”に定着しつつあるなと感じます。もちろん、お客様との場面で再現されなければいけないのですが。

受講者も今までに多くの研修を受けてきているので「あぁ、それ知ってる知ってる」みたいになってしまうことも割とあると思うんですが、今回の研修は具体性も高かったので皆がしっかり腹落ちしていました。だからこそ、コミュニティ活動の中でも自然と出てきていたんだと思います。

例えば、高橋さん（※登壇講師）の「既存顧客への改善提案を手抜きしてしまったことで失敗した経験」のようなリアリティのある体験談は、受講生の中にも「あぁ、私もちょっと既存のお客様への対応を見直さなきゃな・・・」という意識として、かなり刺さっていた感じがします。
ドキッとした受講者は多いんじゃないでしょうか。弊社は付き合いの長いお客様が多いので。

当社が何に困っているのか、という点を聴いてくれる、それもかなり深く、イメージが合うまで聴いてくれるというのが他社さんと違う点だと感じています。
質問はされるけど、回答するとそれで終わり、それ以上深堀りされない、という会社さんも多々あるので。そういった事は、研修を通して受講生に伝わるメッセージの質や刺さり方にも現れると思います。

研修でのロープレについても他社との違いを感じています。「受講生同士でロープレを行い、講師から簡単にフィードバック」という形の研修が多い中で、今回の研修は全受講生が講師と１対１でロープレを行い、できるまで何回も繰り返すという方法でした。そういった、定着や現場実践を強く意識した進め方も特徴的でした。
他にも、営業という領域に特化していること、営業の世界のトレンドや他社事例などについて常にアップデートされている点も、とても信頼しています。

やりたいことは他にもたくさんあります。でもそれ以上に、組織や一人ひとりの中に更に定着させていくことが重要であると感じています。
特に、開発出身者が大半を占める弊社の営業部門において、営業職としての意識・考え方が完全に定着するにはまだ時間がかかると思っています。その為にも、研修後の実践・定着を支援する施策は行っていきたいです。

アルヴァスデザインさんのセミナーでも伺いましたが、実践・定着においては「上司の関わり方」が一番のキーであることは理解しています。
しかし、「協力してください」というだけではなかなか実現しないので、積極的に上司を巻き込んでいくための仕掛けを行っていけたらなと考えています。
また、世の中の営業が今何を重視しているのか、どんな手法を活用しているのか、といった情報は常に興味があります。その点において、営業の領域に特化しているアルヴァスデザインさんには沢山教わりたいと思っています。

私たちの営業組織もまだまだ成長途上なので、そういった情報を伺いながら「営業プロセスの構築」ができれば良いと感じています。