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【2022年イベントレポート】個々の強みを結集させた「自律型」の営業組織をどう作る?~ジ ブンゴト化できる人材を育てる秘訣~(12月1日開催ウェビナー・イベントレポート)

こんにちは、松下です。

2022年12月1日にオンラインウェビナーが開催されました!

本日は、その内容をレポートしたいと思います。

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■イベント概要

  • 日程:2022年12月1日(木)
  • タイトル:個々の強みを結集させた「自律型」の営業組織をどう作る?~ジブンゴト化できる人材を育てる秘訣~
  • 形式:ウェビナー(ZOOM)

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今回のウェビナーでは、多様な職場でキャリア開発・女性活躍推進を支援してきた株式会社morich代表取締役の森本千賀子氏をゲストにお招きし、これからの時代の人材育成の秘訣について語って頂きました。

目次

    1. はじめに「これからの”営業”は何を目指すのか?」

    ポストコロナ時代の企業は、変化の激しい環境下において変革を余儀なくされています。そんな中、企業に求められる重要な力は何でしょうか?

    それは「競争」力ではなく、「共創」力です。

    “共創”とは

    『コ・クリエイション』のことであり、広い意味では、『オープンイノベーション』『コラボレーション』を想起させます。

    今、まさにそんな社会の実現が求められています。

    これを実現するためには、お互いの価値を高め、シナジーを生み出しながら新しいイノベーションを創造できる環境が重要となるでしょう。

    では、それを踏まえた上で、これからの「営業」は何を目指していけば良いのでしょうか?

    それはズバリ、「ビジネスプロデュース」です。

    これは、営業の世界での「共創」を意味します。

    ・「売る」ことの「先」の価値をつくれる人材
    ・顧客のビジネスを成功させることのできるプロデューサー
    ・お客様と「共に創る」存在

    このような存在が、これからの営業には必要となります。

    そのためには、社内外リソース(コミュニティ)を巻き込みながら利活用することが大切になります。

    多種多様なヒトとの”つながり”から得られるものは、自身が思っている以上に大きな財産となるからです。

    2. 今求められる”共創”型営業人材とは?

    今求められている「営業人材」は、自分の持っているスキルやノウハウをオープンにしながら、共に高め合っていける共創意識を持った人材です。

    そのような意識をもった共創型営業人材とは、具体的にどのようなものでしょうか?

    ここではビジネスプロデューサー(共創)型人材と呼び、詳しく説明いたします。

    ビジネスプロデューサー(共創)型人材とは、利害関係者それぞれ(異なる文化・価値観の人たち)のバリューを引き出し、各者の強みをうまく結び付けてシナジーを見出し、新たな価値を生み出せる人材のことを言います。

    ビジネスプロデューサー(共創)型人材の条件はこちらの3つです。

    1.「営業」の専門領域の「プロフェッショナル」
    2.営業領域だけでなく『①営業×複数領域の知見』『②営業×事業・経営の知見』を保持
    3.関係者を巻き込み、経営資源(ヒト/モノ/カネ)のバリューを最大化し、事業創出・推進

    また、ビジネスプロデューサー(共創)型人材を生み出す・活かす組織は、共創カルチャーを持った組織であることが重要です。

    森本氏が在籍していた株式会社リクルートでは、入社して間もない頃から「組織貢献」の意識を持つように指導されました。

    そのため、自ずと組織貢献のためにはどうすればいいのかについて考えるようになったそうです。

    実際に、森本氏が組織貢献のために考えたことはこちらになります。

    • 自分の強みは何かを見つける
    • 効果があったことをみんなに共有する
    • 他人が再現できる方法を考える

    この考えから、ナレッジ・ノウハウ化仕組化といった、常に「型化」することを意識するようになりました。

    さらに、顧客対応・業務プロセスの工夫・企画書(ナレッジ)・成功事例・学習ノウハウ(書籍・勉強会)など、各人が持ちうるスキルを教え合う「社内勉強会」を積極的に行ったそうです。

    最初は周りから教えてもらう学び手の立場だった森本氏も、勉強会を行う中でいつの間にか、周りへと教える教え手側へと変化していきました。

    つまり、リクルートグループ内での情報共有やナレッジの共有が結果的に、自分自身の成長機会へとつながったのです。

    「同じ釜の飯を食べる」というマインドセットが、結果として組織力にも良い影響を及ぼしました。

    3. 「自律型」組織のススメ

    今までの理想のリーダー像とは、「ハイパフォーマー」や「強いリーダーシップ」といったトップダウンの統率型リーダーでした。

    しかし、これからの時代は「共感型」や「伴走型」であるサーバント型リーダーが必要とされています。

    いわゆるZ世代と呼ばれる若手には、上下関係ではなく、対等な関係が求められているのです。

    これは、ダイバーシティといった多様性を認めるチームビルディングにもつながっていきます。

    簡単に言えば、一人で全てこなしてしまうカリスマ性を持ったリーダーではなく、少し暇そうにしているくらいの余裕があるリーダーが理想です。

    自分よりも優秀な人材を採用する、一人ひとりが裁量を持って意思決定できるような環境を与えることで、「自律型」組織を目指すことがポイントになります。

    森本氏はリクルート社時代に「何のために?」「どうしたいの?」という言葉をよく上司から言われていたそうです。

    その言葉を常日頃浴びていると、自然と圧倒的当事者意識が生まれ、責任感や主体性が育っていきます。

    また「自律型」組織を目指すためには、心理的安全なチーム作りが基本です。

    1.助け合い「困ったときはお互い様」
    2.話しやすさ「何を言っても許される」
    3.受け入れ「とりあえずやってみよう」
    4.新奇歓迎「新しいことどんとこい」

    この4つの気持ちでお互いに声を掛けたり、褒め合ったり、ムードの醸成をしていくことが大切になります。

    そして、「組織」の前に一人の「ヒト対ヒト」として、相互理解・信頼関係を結ぶことが重要です。

    そのために、おススメなのは、モチベーション曲線という、個人の生き様の中でモチベーションの波をグラフ化し、その背景を細かく記載した表を使う方法です。

    各個人の価値観をチーム全体に共有することで、信頼関係が生まれます。

    他にも、相互理解の場づくりとして、以下も意識すると良いでしょう。

    ・1on1を部下のための時間として定義すること
    ・対面であってもリラックスできる環境を設定すること
    部下に充分に話させること

    その際に、部下にとっての『Will・Can・Must』の共有を行うことも大切です。

    Will(やりたいこと)・Can(できること)・Must(やるべきこと)の3つの間で、自分も一緒に伴走しながら部下自身に気付かせるよう促していくことが、今必要とされる理想のサーバント型リーダーであると言えます。

    常にメンバーに対して、「何のために?」「どうしたいの?」を問い続けることが「自律型」組織を目指すヒントになるでしょう。

    くわえて、チャレンジすることを奨励してくれる組織づくりも欠かせません。

    個々のパフォーマンスを発揮するには、正しい努力を継続するためのKPIマネジメントや、努力が報われる組織であるための表彰制度など、パフォーマンスに見合ったモチベーションを下げない取り組みが必要です。

    そうすることで、営業成長のサイクルとして「努力→表彰(信頼)→機会」が生まれます。
    これが正しい組織の在り方であり、仕事ができる人に機会が集まるのです。

    4. Q&Aコーナー

    本セミナーでは、ご参加頂いたお客様からいくつか質問を頂き、森本氏が回答をする形式をとりました。

    本記事では、その一部を抜粋してご紹介いたします。

    Q:「自律型」組織にするためには、優秀な人材にしか実現できないのではないでしょうか?

    A:私は「人は変われる」と信じています。

    環境や成長機会によってマインドセットが変わっていく場面を何度も見てきました。

    例え優秀な人材でなくとも、過去をモチベーション曲線でその方の価値観を振り返りながら、より良い環境や成長機会を与えることで、「自律型」組織への実現に近づくことができます。

     

    Q:社内外を巻き込みながら「共創力」を高めていくとは、具体的にどうすればいいのでしょうか?

    A:社内の同じような競合を担当している営業の方や、そこに関わる利害関係者などから話を聞くだけでも、今まで気付かなかった視点が見えてくるかもしれません。

    仮に全く関係のない他の部署だったとしても、新たな価値を生み出すことができます。

    また社外のサードプレイスとして、学び・遊び・ソーシャルのコミュニティを持つことも大切です。

    たくさんの刺激を受けることで、自身の成長へとつながります。

    5. 参加者からの声

    参加者からは以下のようなお声を頂戴しました!

    ・本日は本当にわかりやすく、今の自分の課題を解決するために行動する指針をもらえました。
    ・森本さんのお話・書籍は拝見しておりましたが、改めて本日のお話は気付きを得る事が出来ました。ありがとうございました。
    ・説明もわかりやすく、実体験に即した内容で非常によかったです。

    6. まとめ

    いかがでしたでしょうか?

    これからの時代は、個々の強みを集結させた「自律型」組織が重要であることを知って頂けたかと思います。

    今までの「競争」時代から新たな「共創」時代へと進む今、組織やリーダーの意識も大きく変えていかなければなりません。

    その第一歩として、「共創カルチャー」を念頭に置き、チャレンジを奨励する組織づくりをしていくと良いのではないでしょうか。

    また、講演の中では他にも質問があり、森本氏が自身の経験を元に回答をしております。

    本記事では書ききれませんでしたが、とても興味深い内容が満載です。

    詳細を知りたい方は「アーカイブ視聴希望」と記載の上、弊社までお問い合わせください。

    keiko matsushita

    株式会社アルヴァスデザイン・マーケティング担当。
    大学卒業後、大手電機メーカーでシステム営業を経験。
    2014年よりアルヴァスデザインへ参画。
    旅と犬をこよなく愛する1児の母。

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