『あっという間に人は死ぬから 時間を食べつくすモンスターの正体と倒し方』(佐藤舞著 2023年 ダイヤモンド社)~人生を食べつくす3つのモンスター〜
こんにちは。荻原です。
営業パーソンの皆さんは、「あと10年あれば、自分のやりたいことができるのに」と思ったことはありませんか?
「今は目標達成が忙しいから」「もう少し余裕ができたら」「役職が上がってから」などと、本当にやりたいことを先延ばしにしていませんか?
本日は、確率統計データ分析を使ってコンサルタントや作家、YouTuberとして活躍している佐藤舞さんの著書『あっという間に人は死ぬから 時間を食べつくすモンスターの正体と倒し方』をご紹介します。
この本を一言で表すと、「限られた人生をより有意義に過ごすためのヒント」を教えてくれる本です。多忙な営業パーソンにこそ、読んでいただきたい一冊です。
目次
1. 人生は有限である
誰にとっても1日は24時間です。より意義ある人生を送りたければ、その時間をより大事なことに使うべきであるというのは自明です。
しかし現実はどうでしょうか。
例えば、「スキルアップのための資格を取得したい」「新規顧客を開拓したい」「営業組織を改革したい」と思っているのに、日々の顧客対応や報告書作成に追われ、気づけば1年が経っていたり、「英語力を上げて海外市場に挑戦しよう」と思いつつも、疲れて帰宅後はスマホでSNSを見て過ごしてしまったり…。
きっと多くの方が、「やりたいこと」や「やるべきこと」が分かっていながらも、なかなか行動に移せていないのではないでしょうか。
そして、気づけばあっという間にやりたかったことができないキャリアが築かれるのです。
2. 人生浪費の正体
著者の佐藤舞さんによれば、私たちが人生を無駄に使ってしまう根本的な原因は、「死」「孤独」「責任」という3つの現実を直視できていないことにあるといいます。
人生の有限性を意識する
第一に、私たちは人生の有限性をあまり意識せず生きています。「いつかやればいい」という思考によって、本当に大切なことから目を背けがちです。
イラン大学の研究チームの調査によると、人は自分の将来について楽観的に考える傾向があり、時間が無限にあるかのような錯覚に陥りやすいことが分かっています。「まだタイミングじゃない」「来年からやろう」と言って、本当に重要なことを先延ばしにしてしまうのです。
ビジネスパーソンは特に「今月の数字」「四半期の目標」といった短期的な視点で物事を見がちです。
転職を検討し始めた時など、キャリアの限りが見え始めた時になって初めて、自分の時間や可能性が限られていることに気づき、本当に価値のあることに時間を使い始めることが多いのです。
人とのつながりへの過度な依存
次に「孤独」です。ビジネスパーソンにとって、チームワークや人間関係は非常に重要ですが、人とのつながりに過度に依存すると、自分らしい仕事のスタイルを確立したり、新しい分野に挑戦したり、独自の視点で提案することができなくなってしまいます。また、周囲の評価を気にするあまり、お客様や上司に本当に伝えるべきことを言えなかったり、必要な質問ができなくなったりすることもあります。
例えば、「このプランはお客様に合わないと思うけど、チームの方針だから…」と、自分の直感に反した提案をしてしまったり、「この商品の弱点を指摘すると評価が下がるかも」と思って、正直な情報提供ができなかったりするケースです。
孤独を避けるために人とのつながりを必要以上に求めると、自分らしさを発揮できず、本当にやりたいことができなくなってしまいます。これは例えるなら、本当は新たな市場開拓に力を入れたいのに、周囲の評価を気にして既存の方法にとどまるようなものです。
自己責任の回避
そして「責任」です。ビジネスパーソンが自己責任を避けようとすると、
- 大きなプロジェクトに取り組む
- 新しい市場に参入する
- 革新的な手法を導入する
- リーダーシップを発揮する
- キャリアチェンジする
などを避けてしまいます。
例えば、「この大型案件は失敗したら評価が下がるかも」と、小さな安全な案件ばかりを追いかけたり、「新しい方法を導入して成果が出なかったらどうしよう」と、従来の方法にしがみついたりします。
すると当然、責任は伴うけれど大事なことや自分が本当はチャレンジしたいと思っていることよりも、リスクの少ない安全なことを優先してしまうようになります。
これらは、責任を取ることで得られるはずであった成長の機会を逃してしまう事に繋がります。
このように、私たちは「人生の有限性」「人とのつながりへの不安」「自己責任の重み」という現実を十分に受け止められず、勇気のいる大事なことを先延ばしにして、時間を有効に使えないまま過ごしてしまうのです。
3. 人生の目標を思い出せ
では、どうすれば私たちは時間を有意義に使い、後悔のない人生を送れるのでしょうか?
「死」「孤独」「責任」を受け入れる
まず、「死」「孤独」「責任」という現実を直視し、当たり前のものとして受け入れることが大切です。
私たちは必ず死にますが、いつ死ぬのかわからないのです。このことを認識すると、今自分がやりたいと感じていることや大事だと感じていることは、いつまでもやれるわけではないと気づきます。私たちは毎年、やりたいことをやれる可能性が減っていっているのです。
また、人は根本的に孤独なものです。どれだけ親しい人がいても、他人と100%分かり合うことは不可能です。さらに、大人になったら自分のすべての選択に責任を持つ必要があります。
大事な決断、勇気のいる決断をする時だけでも、これらの現実を受け入れるようにしましょう。時間が無限にあると思い込んでいる時と、時間に限りがあると感じる時では、選択が変わってくるはずです。
目に見える目標を設定する
自分の価値観を反映させた具体的な目標を設定しましょう。
例えば、「心身の健康」という価値観なら、「毎日生き生きしていて、7〜8時間は眠れていて、頭がすっきりしている状態」というように、具体的な状態を想像してみましょう。あるいは、営業パーソンなら『1年後にトップ10%の成績を取る』と決める。これを達成するために、『1日3件の新規訪問を増やす』と具体的な行動レベルまで落とし込むといった具合です。
このように目標を具体化することで、そこに向かって何をすべきか、そして何をすべきでないかが明確になります。
定期的に見直す
人は時間が経つと価値観や目標が大きく変わることがあります。20代で重視していたことが、30代では全く違って見えるかもしれません。
大事なのは、自分のやっている行動がしっくり来なかったり、違和感を覚えたりしたら、価値観がずれている可能性があるので、その都度見直しをして調整していくことが大切です。できれば週に1回は自分の行動と目標を照らし合わせて、必要な修正を加えるといいでしょう。
時間は有限です。
だからこそ、自分にとって本当に大切なことに使うべきなのです。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか?
有意義な人生を送りたければ、大事なことに時間を使うことが大切かもしれません。ただ、私たち営業パーソンは、日々の忙しさに追われて、本当に取り組むべきことが後回しになっている傾向にあります。
その一因として考えられるのは、本書に倣えば、「死」「孤独」「責任」といった現実をあまり意識していないからかもしれません。
営業の世界では短期的な成果を求められることが多いですが、「自分はどんな営業パーソンを目指したいのか」という長期的視点を持つことも、同じくらい大切です。現実を見つめることで、今日という1日をより有意義に過ごせるようになります。
皆さんも、この機会に自分の営業スタイルや人生全般について、考えてみてはいかがでしょうか?
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【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
荻原エデル
社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。