ALVAS JOURNAL

100%好かれる1%の習慣(松澤萬紀著 2013年 ダイヤモンド社)~1%の人だけが実践する配慮の習慣~

こんにちは。荻原です。

今回も引き続き、トップセールスの本棚をインタビュー形式でお届けしていきます。本日、インタビューに答えてくださったのは、アルヴァスデザインでプロデューサーとして活躍されている結城さんです。

元キャビンアテンダントの松澤萬紀さんが書いた、相手への配慮の本質を学べる一冊をご紹介いただきました。日常の何気ない行動が相手の心に与える影響について、深く考えさせられる内容となっています。 是非、ご一読ください。

 

目次

    1. 元CAが教える「心をつかむ配慮」とは?

    荻原:本日は、よろしくお願いします。はじめに、結城さんがおすすめする書籍について簡単にご紹介お願いします。

    結城:はい、今回ご紹介するのは『100%好かれる1%の習慣』という書籍です。
    元キャビンアテンダントで現在はマナー講師として活動される松澤さんが書かれた書籍で、相手に対する配慮をさまざまな角度から解説されています。
    全体で40個程度の短いエピソード形式で書かれており、とても読みやすいタイプの本になっています。

    この本で特に印象的なのは、相手に伝わらないのは自分が原因という考え方が貫かれていることです。

    荻原:なるほど。相手への配慮を通じて、自分自身の在り方を問い直す書籍なのですね。著者の松澤さんについて、もう少し詳しく教えていただけますか?

    結城:松澤萬紀さんは12年間キャビンアテンダントとして勤務され、500万人以上のお客様に対応された経験をお持ちです。2007年に退職されてマナー講師に転身されたとのことですが、小学校の頃からずっとCAになることを周りに宣言し続けていたそうです。

    特に印象的だったのは、飛行機でのお客様との接客の中で「人の思いや気持ちは日常の行動に現れる」と感じられたという点です。そして、印象に残るお客様の共通点として「相手への配慮を持っている」ことを挙げられています。

    荻原:日々のちょっとした行動の中に、人柄や配慮がにじみ出るということですね。確かに、印象に残る人は、そういった細やかな気遣いが自然とできている気がします。

    結城:そうですよね。しかし、そうした配慮ができる人は全体の1%程度だということです。一見、誰でもできる習慣のはずなのに、実際に実行している人は1%だけ。その1%の習慣に惹かれて、この本を書かれたということが綴られていました。

    荻原:確かに、できる人は限られているからこそ、習慣として身につける価値がありそうですね。営業にも通じる部分が多そうです。

    2. 心に残る5つの配慮の極意


    荻原:本書の中で、特に印象に残った内容を教えていただけますか?

    結城:配慮に関する5つのポイントが特に印象的でした。

    まず1つ目は「ラストインプレッション」です。

    ファーストインプレッションはよく聞きますが、ラストインプレッションという概念が紹介されていました。日本の武道や芸道にもある「残心」という考え方に通じるもので、別れ際の一秒間を意識して、最後に相手の心を開かせるような一言を付け加えることの大切さが説かれています。

    私も接客業の経験があるのですが、お見送りの場面を「第二印象」と呼んでいました。やはり最後の出来事は心に残りやすいものですよね。

    荻原:確かに、最後の印象は記憶に残りやすいですね。見落としがちな点かもしれません。

    結城:2つ目は「マナーとエチケットの違い」についてです。

    マナーとは、相手への気遣いと思いやりが込められているものだと定義されています。例えば、商品の説明をする時も、単に特徴を伝えるだけでなく、相手に合わせた効果を伝えることが大切だということです。
    ここから派生して「情報のプレゼント」という概念も紹介されていました。相手を思いやることから、必要だと思われる情報をプレゼントするという考え方です。

    荻原:相手目線で考えることの重要性ですね。

    結城:はい、その通りです。3つ目は「話を聞いてくれていると思わせる4つのポイント」についてです。

    ・目を見る
    ・体をしっかり向ける
    ・メモを取る
    ・プライベートに踏み込みすぎない

    といったことが挙げられています。私も、普段意識していることではあるのですが、ここで感じたのは「思わせる」という言葉の捉え方でした。

    単なるテクニックとして捉えるのではなく、相手のことを本当に理解したいという気持ちから自然と出てくる行動として捉えることが大切だと思いました。

    3. 誤解は必然、理解は偶然という真実

    結城:続いて、4つ目は、「コミュニケーションについての深い洞察」です。

    著者の方が「理解は偶然に起こり、誤解は必然に起こる」という言葉を紹介されていました。つまり、話し手の言いたいことが聞き手に正しく伝わるのは偶然に過ぎず、正しく伝わらないことの方が多いということです。

    これは、人それぞれ経験が違えば理解の仕方も変わる、同じものさしを持っている人はいないという考えから来ています。
    私自身、気持ちを言語化することがとても好きなタイプなのですが、この前提に立って、より丁寧なコミュニケーションを心がけることの大切さを感じました。

    荻原:誤解されることを前提に考えると、伝え方も変わってきますね。

    結城:はい。例えば「今日中にご連絡します」ではなく「今日5時までにはご連絡します」、「朝一に打ち合わせしましょう」ではなく「明日の9時に打ち合わせしましょう」というように、数字を入れるなど、より具体的に言語化することの重要性を学びました。

    荻原:時間を明確にするだけで、受け手の安心感がぐっと高まりますね。曖昧な表現は、相手に余計な解釈の負担を与えてしまうのかもしれません。

    結城:そして5つ目は「断定形は小さな約束である」という考え方です。
    断言することで自信がわき、相手も自分も前向きになれるという内容でした。
    営業の現場でも、「この商品はきっと役に立つと思います」「多分そうです」「おそらく」といった保険をかけるような表現をしてしまうことがありますが、断定形で言われることで相手が安心するのは、その人が責任を感じてくれているからなのだと理解できました。

    荻原:断定形は少し勇気がいりますが、そのぶん責任感が伝わりますよね。ただ、場面によっては言い切らないほうが信頼につながることもあるので、使いどころを意識したいですね。

    4. 明日から実践できる配慮の第一歩


    荻原:本書を読んだことで、結城さんの日常に何か変化はありましたか?

    結城:読み終えたばかりなので、これから少しずつ実践していきたいと思っているところです。
    特に、仕事では「具体的に伝えること」がミスコミュニケーションを減らす鍵になると気づきました。
    私はこれまで、感情を言葉にするのは得意なほうだったのですが、仕事のやり取りの中でも、「どうすれば正確に伝わるか」を意識して、伝える内容をもっと具体的にすることが大切だと実感しています。

    荻原:具体的にはどのような点を意識されますか?

    結城:断定形を意識して使っていきたいと思います。これまでも「言霊」のような感覚で、言い切ることの大切さは感じていましたが、「断定形は小さな約束」という視点は新しい気づきがありました。相手に対する約束であると同時に、自分自身への約束でもある。だからこそ、言葉には責任を持って使っていきたいと思います。

    また、相手が本当に知りたいことは何か、どんな情報を求めているのかを意識することで、より「相手に伝わる」コミュニケーションができるようになると感じています。

    5. 人付き合いに悩む全ての人へ


    荻原:この書籍は、どのような方におすすめできますか?

    結城:人付き合いに悩む全ての人に届けてあげたいです。特に、自分の気持ちがうまく伝わらないなと思っている人にも読んでいただきたいですね。

    この本は、言語化だけでなく、相手が喜んでくれるための方法や、どんなところに向けて笑顔が見られるかという観点が数多く描かれています。自分は頑張っているけど、いつも相手とうまくいかない、話が盛り上がらない、そんな風に感じている方には特におすすめです。

    荻原:具体的な事例も豊富なのでしょうか?

    結城:はい、良い例と悪い例が対比で紹介されているので、自分を客観視しやすいと思います。話すのが得意・苦手に関わらず、相手を思いやる気持ちの目線や角度を学びやすい構成になっています。

    頑張っているつもりだけど結果が伴わないという方が、自分の行動を見直すきっかけになる一冊だと感じています。

    荻原:本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

    結城:相手への配慮は、特別な才能ではなく習慣の問題だということを本書から学びました。1%の人だけが実践している配慮の習慣を、私たちも日常に取り入れることで、もっと豊かな人間関係を築けるはずです。
    まずは「誤解は必然」という前提に立って、より丁寧で具体的なコミュニケーションから始めてみてはいかがでしょうか。

    荻原:ありがとうございました。相手を思いやる心を行動に移すことの大切さを、改めて考えさせられるインタビューでした。

    本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒100%好かれる1%の習慣

    〇トップセールスの本棚とは?
    【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
    営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
    ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

    荻原エデル

    社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
    趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。

    結城 香織

    埼玉県生まれ埼玉県育ち(本籍は福井県)
    営業の力で、「笑顔」と「明るい未来」のあふれる社会に貢献していきたいという思いから、アルヴァスデザインの企業理念に共感し2025年4月に入社。 趣味はサウナ、家の片づけ、四季のお花を飾ること。

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