<トップセールスの本棚>超一流の営業マンが見えないところで続けている50の習慣(菊原智明著 2015年 青春出版社)〜営業初心者こそ知っておきたい、結果を変える日々の行動〜

こんにちは。荻原です。
今回も引き続き、トップセールスの本棚をインタビュー形式でお届けしていきます。本日、インタビューに答えてくださったのは、現役プロデューサーの結城さんです。
営業活動に悩む全ての方へ、実践的なヒントが詰まった一冊として「超一流の営業マンが見えないところで続けている50の習慣」をご紹介いただきました。
是非、ご一読ください。
目次
1. 7年間の挫折から4年連続トップへ

荻原: 本日は、よろしくお願いします。はじめに、結城さんがおすすめする一冊について簡単にご紹介お願いします。
結城: 今回私が選んだのは『超一流の営業マンが見えないところで続けている50の習慣』という書籍です。著者は営業コンサルタントの菊原智明さんです。
荻原: 著者の方はどのような経歴をお持ちなのでしょうか?
結城: 菊原さんはもともと住宅販売をされていた方です。入社7年間はずっとノルマを一回も達成できないという時代を過ごされていて、今でも悪夢にうなされるほど、その時の記憶が鮮明だとおっしゃっています。
荻原: それはかなり厳しい時期を経験された方なのですね。
結城: はい。ただ、そこから「このままだとずっとダメなままで終わってしまう」と思って、やり方を一変させてみたところ、4年連続トップ営業パーソンになることができた。しかも、ピーク時には2位の方に対して2倍の差をもってのトップだったそうです。
荻原: すごい変化ですね。
結城: 同じ人間でもやり方次第でここまで変われるという、そのHow toが載っています。住宅販売時代のエピソードも出てくるのですが、業界問わず活用できる汎用性のある習慣が登場しています。そのため、住宅販売の方でなくても、営業という職種に携わっている方であれば、応用が利くと思いました。
2. 断られるパターンは実は4つだけ

荻原: 特に印象に残った習慣について教えてください。
結城: まず一つ目は、「お客様から断られるパターンを洗い出してみる」という習慣です。お客様からの断り方のパターンは、複数存在すると思いがちですが、書き出してみると4つぐらいに分類できることが多いと本書では書かれています。そのパターンに対して応酬話法を持っておくだけで、商談はかなり進みやすくなると解説されています。
私はこの点について、実際の営業でもすぐに応用できると感じました。たとえば、「仮に〇〇の問題が解決できれば、お話を進めやすいですか?」というような具体的な応酬話法が紹介されているのですが、確かにこういった一言があるだけで会話の流れがぐっと変わると感じました。
荻原: 確かに、パターン化できれば対策も立てやすいですね。他に印象に残った習慣はありますか?
結城: 二つ目が、「自分との約束を守り続けることが自信につながる」という習慣です。
「自信」は、自分を信じると書きます。そのため、自分との約束をきちんと守り続けることは、いかにそれが小さいことであれ、自信につながっていくと著者は述べていました。私は、言葉の成り立ちについてあまり深く考えたことがなかったので、すごく印象的でした。
荻原: 人から褒められることだけが自信につながるわけではないということですね。
結城: まさにその通りです。人は自分には嘘はつけないと思うので、嘘をついたとき、気づくと思います。そのため、小さな約束を守り続けることは、本当に大切であると思いました。
荻原: 日常の小さな習慣から自信が育まれていくのですね。
結城:小さい約束を自分で決めて守り続けることが、巡り巡って提案の質を高めてくれるのではないかと読んでいて解釈しました。
3. マイナスリターンを断ち切る

荻原: もし他にも印象的な習慣があったらお聞きしたいです。
結城: はい。三つ目が、「マイナスリターンがある行為を書き出してみる」という習慣です。「マイナスリターン」という言葉が初見だったので、印象に残りました。
荻原: マイナスリターンとは、具体的にどういう意味なのでしょうか?
結城: 本書では明確な定義は書かれていないのですが、著者の体験から読み解くと、期待している効果とは逆のものが返ってくる行為を指しているようです。例えば、著者がまだ安定して成果を出せていなかった営業パーソン時代に毎週行っていた愚痴ばかりの飲み会などです。
さらに「マイナスリターンの人脈」を減らすというのも本書では書かれていました。休みの前日に集まって愚痴を言い合い、翌日は昼まで寝てしまう。心のよりどころではあったけれど、結局元気にはならなかった。こうした「会えば会うほどマイナスなリターンがある人たち」のことです。
荻原: なるほど。そうなると、営業活動でもマイナスリターンはありそうですね。
結城: はい。営業の場面で言うと、数で当たればいいという発想で、お昼時の飲食店や診療時間中のクリニック、夜遅くの個人宅など、相手が迷惑する時間帯にアポなしで訪問するケースです。たくさん数をこなしていても、その時間に営業すれば、お客様から必ずマイナスの気持ちしか返ってきません。こうした逆効果になる行為をやめていくことが重要だと書かれていました。
荻原: 確かにメリットは少なそうな行動ですね。改善方法についても何か書かれていたのですか?
結城: はい。マイナスリターンの行為を一つでもやめて、プラスのリターンがあるものに変えれば、確実に流れが変わると書かれています。飲み会なら、いきなり全てをやめるのではなく、二次会をやめて一次会だけにするなど、小さなところから始めるのでも効果があると。
荻原: なんだかすごく実践しやすそうですね。結城さんご自身も既に実践されたのですか?
結城: はい。ただ、私の場合、少しやり方を発展させて、「自分がやると元気になること、充実感を得られること」も合わせて一緒に書き出してみました。
荻原: なるほど。自分なりにアレンジされたのですね。
結城: そうです。マイナスリターンの行為を書き出すと同時に、プラスのリターンがある行動も可視化しました。散歩をする、料理をする、読書をするなど、わかる範囲で書き出しました。すると自分のモチベーションを高めてくれる活動が明確になったので、モチベーションをコントロールしやすくなったのです。仕事の場合でも、丁寧なメールの返信をする、商談前の事前準備を入念にするなど、多くの事を書き出しました。これは先ほどの「自分との約束を守る」ことにもつながっていて、一日の充足感が確実に増しました。
荻原: マイナスを減らすだけでなく、プラスを増やすという両面からのアプローチですね。
結城: はい。営業は、失敗を経験することが多い職業だからこそ、自分を自分で元気づける方法を知っておくことは非常に重要だと感じました。
4. 言葉が変えるメンタル

荻原: 実際に生活に取り入れている習慣は何かあったりしますか?
結城: はい。最後にご紹介したいのが、「上手な落ち込み方」という習慣です。これは今後、実践しようと思っている習慣なのですが、本書ではダメな例として「なんでこんな目に遭わなくてはならないのだろう」といったネガティブな言葉を、顔をしかめながら口に出してしまうことが挙げられています。
荻原: 気を抜くとやってしまう習慣ですよね。どう改善すればいいのでしょうか?
結城: 「いい経験になった」「これでよかったんだ」と、無理やりにでも背筋を伸ばして胸を張って口に出してみるだけで、ポジティブな気持ちになれると書かれています。
荻原: 言葉にすると、それが現実化されてしまうということですね。
結城: そうです。言葉には大きな力があって、たとえ心の中でネガティブに思っていても、口に出さないだけで気持ちの切り替えがスムーズにできることを実感しました。
荻原: 結城さんも実際に効果を感じられたのですか?
結城: はい。日常の中で落ち込むことがあっても、ネガティブな言葉を口に出さず、代わりに前向きな言葉を意識的に口にするだけで、気持ちの切り替えが早くなりました。メンタルを整える方法を知っておくと、困った時の対処法になると思うので、非常に有効だと感じています。
5. 営業初心者こそ読むべき理由

荻原: 本書はどんな方におすすめですか?
結城: 営業で悩んでいる方全般におすすめできます。ただ、特に営業初心者の方に向いている本だと思いました。
荻原: 初心者向けというのは意外ですね。タイトルからすると経験者向けに思えました。
結城:確かに、タイトルに「超一流の営業マンが」とありますから、私も最初そのように思いました。しかし、内容を読んでいくうちに、初めのうちに読んでおくことが非常に重要だと気づきました。
荻原: なるほど。それはなぜでしょうか?
結城: 例えば、断られるパターンを想定しておくことで、お客様と対等な目線で話せるようになります。
自信をつけていく方法も、自分との約束を守り続けることから始められます。
マイナスリターンがある行為を見直すことも、落ち込んだ時に自分を元気づける方法になります。
上手な落ち込み方も、落ち込むことが多い時期だからこそ役立つ。
荻原: 一流の方が気をつけているポイントを、最初の段階から知れるということですね。
結城: そうです。初めのうちから知っておけば、自然と習慣になっていきます。
業界を問わず、現場でお客様と会話されている営業職の方であれば、何かしらのヒントが得られる一冊だと思います。
荻原: 本日は貴重なお話をありがとうございました。
結城: ありがとうございました。
本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒超一流の営業マンが見えないところで続けている50の習慣
【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
荻原エデル
社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。
結城 香織
埼玉県生まれ埼玉県育ち(本籍は福井県)
営業の力で、「笑顔」と「明るい未来」のあふれる社会に貢献していきたいという思いから、アルヴァスデザインの企業理念に共感し2025年4月に入社。 趣味はサウナ、家の片づけ、四季のお花を飾ること。


