ALVAS JOURNAL

<トップセールスの本棚>【第3部】お金の不安という幻想 一生働く時代で希望をつかむ8つの視点(田内 学著 2025年 朝日新聞出版)~お金の本質と、ともに生き延びる生存戦略~

こんにちは。荻原です。

今回も引き続き、トップセールスの本棚をインタビュー形式でお届けしていきます。本日も、アルヴァスデザインでプロデューサーとして活躍している阿南さんに、書籍「お金の不安という幻想」について引き続きお話を伺います。

最終回となる第3部では、お金の本質的な意味と、人手不足時代をどう乗り越えるかを見ていきます。

この記事は全3回でお届けしています。どの回から読んでも理解できますが、順番に読むと内容が積み上がる設計になっています。

第1部:焦りの空気を見抜き、自分のものさしを取り戻す
第2部:会社に依存せず、価値を生み出す働き方へ
第3部:本記事

是非、ご一読ください。

 

目次

    1.お金を貯めても、豊かにはなれない理由

    荻原:本日もよろしくお願いします。第1部では焦りの正体、第2部では会社との関係について伺いました。最終回となる今回は、どんなテーマを扱うのでしょうか?

    阿南:こちらこそよろしくお願いします。今回は「直視する」と「協力する」というパートを中心にお話しします。ここでは、お金の本質について田内さんが衝撃的なことを述べています。

    荻原:それは気になりますね。どんな内容ですか?

    阿南:「お金は貨幣です。何かと交換するものです。それを持っているだけでは、富でも豊かさでもありません」と。

    荻原:どういうことでしょうか?少し理解が追いつきませんでした。

    阿南:数年前、「老後2,000万円問題」が社会で大きな話題になりました。その結果、多くの人が「2,000万円貯めなければ」と必死になっています。しかし、仮に2,000万円を貯めたとしても、超高齢化社会で働いてくれる人がいなかったら、お金は何の意味も持たないということです。

    荻原:ああ、なるほど。お金があっても、サービスを提供してくれる人がいなければ意味がないということですね。

    阿南:スーパーに食材を並べる人がいなければ、お金があっても食べ物は買えません。病院で働く看護師がいなければ、お金があっても治療は受けられません。電車やバスを動かす人がいなければ、お金があっても移動できません。
    つまり、お金そのものには価値がなく、「働いてくれる誰かがいること」が本当の価値なのです。

    荻原:確かに。言われてみれば当たり前のことですが、普段は意識していませんでした。

    2. タケコプターが実用化されたら、どうなるか

    荻原:人手不足が本質的な問題だとすると、技術革新で解決できそうな気もしますね。

    阿南:田内さんは、現在の日本が技術革新を進めたくても進められない構造になっていると指摘しています。本書では、ドラえもんのタケコプターを例に説明されています。

    荻原:タケコプター、ですか。面白い例えですね。

    阿南:もしタケコプターが実際に発明されたとしましょう。空を自由に飛べる便利な道具です。しかし航空会社は、「タケコプターは危険だから、使用は公園内だけにしてほしい」と主張するかもしれません。

    荻原:既存の産業を守るための規制ですね。

    阿南:似たような例として、「どこでもドア」が実用化されたら、一瞬で目的地に移動できます。しかし鉄道会社やホテル業界は、「どこでもドアの利用は一日一回まで」と制限を求めるかもしれません。新しい技術は仕事を奪います。しかし本来、面倒な仕事がなくなることは良いことのはずです。

    荻原:問題は、仕事が減ることへの不安が、技術革新を妨げてしまうということですか。

    阿南:個人の不安が、社会全体の進歩を遅らせてしまう。田内さんは、この悪循環から抜け出すためには「協力」が必要だと述べています。

    3. 不安を共有できる味方を探す

    荻原:「協力」とは、具体的にどういうことでしょうか?

    阿南:田内さんは書籍の中でこう述べています。「不満や不安を、ぶつけられる敵を見つけるのではなく、不安を共有できる味方を探しましょう。目的も不安も共有されていれば、力強い協力が生まれます」と。

    荻原:個人で抱え込むのではなく、共有するということですね。

    阿南:「どうして自分だけが我慢しなければいけないのだ」という不満にあふれていると、奪い合いが始まります。逆に、不安も目的も共有できていれば、分かち合いが生まれます。お金の不安も同じで、単なる個人のお金の不安として捉えるのではなく、社会全体の課題として捉える必要があるということです。

    荻原:問題の本質が人手不足だとわかれば、個人で貯金を頑張るより、別のアプローチが見えてきそうですね。

    阿南:田内さんは、「誰かが新しい挑戦をして、社会や人類の役に立とうとするとき、その挑戦を応援するために投資をすればいい」と書いています。お金を増やすための投資ではなく、誰かの挑戦を支えるための投資。この視点が、これからの時代には必要なのだと感じました。

    4. 協力で変わった、私の働き方

    荻原:阿南さんご自身は、この「協力」という考え方を実践されたのですか?

    阿南:この書籍を読んで、自分の働き方を大きく変えました。それまでは一人で抱え込んで仕事をしていましたが、社内のメンバーと協力して仕事を進めるようになりました。

    荻原:具体的にはどのようなことをされたのですか?

    阿南:新卒メンバー2人と3人1組のチームを作り、一緒にプロジェクトを進めるようにしました。正直、私一人でもできる仕事でした。でも、あえてお願いしました。「会社としてはこういう方向を目指していて、皆さんにはこういう力をつけてほしいから、この仕事を一緒にやってほしい」と伝えました。

    荻原:結果はいかがでしたか?

    阿南:一人でやるより、質の高いものができました。メンバーの視点が入ることで、自分では気づかなかった改善点が見つかったり、新しいアイデアが生まれたりしました。そして何より、一人で抱えていた不安がなくなりました。

    荻原:協力することで、不安も分かち合えたということですね。

    阿南:仕事を依頼するときに「なぜこの仕事が必要なのか」「これが将来どう役立つのか」を必ず説明するようにしています。そうすることで、相手は「やらされている」ではなく「一緒に作っている」という感覚を持てるようになります。

    5. 全3回の総括と、明日から始める一歩

    荻原:3回にわたってお話を伺ってきましたが、改めて、本書はどんな方におすすめしたいですか?

    阿南:お金の不安が消えない方、何かを始める際に「乗り遅れたらまずい」と焦っている方、そして自分の仕事に対して今どんな価値を提供できているのかが不明瞭なまま働いている方。こういった方々にぜひ読んでいただきたいです。

    荻原:全3回を通して、お金の話というより、人生や働き方全般の話だということがよくわかりました。

    阿南:第1部では焦りの空気を見抜くこと、第2部では会社に依存せず価値を生みだすこと、第3部ではお金の本質を協力の観点から捉え直すこと。結果として「他人のものさし」ではなく「自分の軸」に戻っていく流れになっています。

    荻原:単に個人の努力だけで何とかしようとして疲れている方にも読んでほしい本ですね。

    阿南:はい。本書は、物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさを大切にすることを教えてくれます。SNSでのフォロワー数や年収といった他人のものさしではなく、自分の中に軸を持つ。そして、協力することで前に進む。それが安心につながるということを気づかせてくれる一冊です。

    荻原:最後に、本書を読んだ方が明日から始められる一歩を教えていただけますか?

    阿南:まずは、自分が日常的に「価格」を基準にしているか、「価値」を基準にしているかを振り返ってみることをおすすめします。買い物をするとき、仕事の判断をするとき、「安いから」「みんながやっているから」で選んでいないか。
    本当に自分が満足できるか、誰かの役に立つかを基準にできているか。
    この小さな意識の転換が、大きな変化につながります。

    荻原:3回にわたって貴重なお話をありがとうございました。

    阿南:こちらこそ、ありがとうございました。

    ここまでが全3部シリーズの【第3部】です。前後の回もあわせて読むと理解がつながります。

    第1部:焦りの空気を見抜き、自分のものさしを取り戻す
    第2部:会社に依存せず、価値を生み出す働き方へ
    第3部:本記事

    是非、ご一読ください。

    本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒お金の不安という幻想 一生働く時代で希望をつかむ8つの視点

    〇トップセールスの本棚とは?
    【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
    営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
    ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

    荻原エデル

    社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
    趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。

    阿南 康平

    大学卒業後、システム開発を行うIT系ベンチャー企業に入社。個人事業主や中小企業の経営者に対しての新規開拓営業として、約2年従事。大手企業に対しての営業にチャレンジしたいという思いから、当社の理念に共感して2024年1月に入社。

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