GAFA-四騎士が創り変えた世界 (著者名:スコット・ギャロウェイ 2018年7月27日出版 出版社名:東洋経済新報社)
こんにちは。荻原です。
現在は、人類史上もっとも変化の激しい時代であると言われています。商品を開発しても翌年には古いモデルとして棚に陳列されることが一般的であるのがその代表例です。そのため、ビジネスの世界では従来通りの戦略が通用せず、激動の波に飲みこまれてしまうことも珍しくありません。
では、どうすれば我々ビジネスパーソンはこの激動の時代を生き残ることができるのでしょうか?
その答えは、現在世界を席巻している企業から学ぶの早いと思い手にとったのが本書です。
早速本書についてご紹介する前に軽く著者についてご紹介します。
著者はスコット・ギャロウェイ。ニューヨーク大学スターン経営大学院教授であり、MBAコースでブランド戦略とデジタルマーケティングを教えているビジネス界のスーパースターです。また、連続起業家という側面もあり、これまでに9つの会社を起業しているため、理論だけでなく、実戦経験も豊富な方です。
1. ビジネス界の四騎士
皆さんは四騎士と聞いて、誰を思い浮かべますか?
宗教について詳しい方でしたら、ヨハネの黙示録に登場する四騎士を思いつくかもしれません。このヨハネの黙示録において、四騎士にはそれぞれに人間を支配する権利が与えられています。
しかし彼らが、実際に存在し私達の世界を実質的に支配しているとしたらどうでしょう?
そんなまさか!と思いますよね。
では、彼らの正体がGAFAであると言ったらどうでしょうか?
「GAFA」とは、我々の生活に圧倒的な利便性を提供している超巨大企業の頭文字をとった造語です。
G・・・Google
A・・・Apple
F・・・Facebook
A・・・Amazon
どうでしょう?
どれも耳にしたことのある企業ばかりではないでしょうか。
ではなぜ彼らは世界を席巻することができたのでしょう?
2. 四騎士の共通点
本書では、GAFAが世界を席巻することができた理由について8つほど紹介されています。これらは大きく分けると、①商品の差別化、②世界展開、③AIによる分析の3つに分類できます。では、1つずつ見ていきましょう。
・商品の差別化
彼らは基本姿勢として、「お客様を第一」に考えています。したがって、サービスを提供するにあたり、あらかじめお客様が負担に感じる可能性があるポイントは全て排除しています。皆様も経験があると思いますが、現在のサービスや商品の性能差はそこまで大きくはありません。例)家電量販店の家電の性能、チャットツールの性能など
では、どこで差別化をしているのか?
答えは、「お客様の負担を減らす」という点です。
・世界展開
彼らは、国の壁を飛び越えて自社が掲げているビジョンを実現するために尽力しています。インターネットが普及して以来、国境を越えたビジネスが展開されるようになりました。まさに、GAFAは国境を越えて世界へと展開している企業と言えます。
・AIによる分析
AIを活用した分析を徹底しています。彼らはサービスを世界展開しているおかげもあり、日々、数億~数十億のデータを顧客からフィードバックとして得ています。それを徹底して分析することにより、サービスの質の向上を図っています。
彼らは、これまで上記の3つの共通点を軸にサービスを展開していった結果、世界は大きく変革させられました。
何か疑問が浮かべば、ほとんどの問題への回答は検索によって1分以内に判明します。
また、友人とは、場所に関係なく、いつでもどこでもつながることが可能になりました。洗練されたハイメンド製品も入手しやすくなりました。
そして、これら世の中の変化は何十年も要したのではなく、ほんの数十数年で変化したことです。こうした加速度的な変化が起きた結果、「デジタル・ネイティブ世代※」なんて言葉も誕生しました。(※学生時代からパソコンに触れてきた世代の意)
しかし、このGAFAの台頭による影響は我々ビジネスマンにとってはいい面だけではありません。なぜなら、同時に多くの雇用機会を破壊してきているからです。
例)
・Google、Facebook
広告産業の破壊。広告の主流は、TVや新聞からインターネットへと変化しました。
・Apple
音楽産業の破壊。iPodの登場を境に、音楽産業の支流はCDやDVDなどから、ストリーミングサービスへと移行しました。
・Amazon
書籍、小売産業の破壊。商品をお店で購入するという形態から、オンラインで商品を購入するのが一般的になりました。
(※もちろん、破壊と言っても完全になくなったわけではありません。)
上記の破壊が起きた結果、優秀な人材は職業選択の自由はあるが、平均的な人はそうではなくなる可能性が高まりました。
では、この激動の世界で、どうすれば平均的な人が優秀な人と戦えるのでしょうか?
3. GAFA台頭以後の生存戦略
本書では、GAFAの台頭の中でビジネスパーソンが生き残るための効果的な戦略について20個ほど紹介していますが、ここでは、特に営業パーソンにとって重要な2つのポイントをご紹介します。
それは、「四騎士の共通点」でも紹介したポイントにも含まれている、① 商品の差別化 と② 当事者意識 です。
・商品の差別化
これは、なにも製品やサービス開発だけのお話ではありません。日々のお客様接点にも置き換えることは可能です。それは、「お客様の負担を減らす」ということを徹底することです。
資料をお客様にお渡しするシーンで、「本当にこの資料は見やすいのか?」、「本当にこの資料だけで十分なのか?」、「お客様が上司に案件を報告する際に何かできることはないだろうか?」など。
この意識を徹底することで、お客様の負担は減り、エンゲージメントが高まるのではないでしょうか?
・当事者意識を持つ
日々の業務に忙殺していると、つい自分の業務のみに集中してしまうことがあるかもしれません。しかし、自分が所属するチーム全体の業務を自分ごとして捉えるようにすれば、細部をこだわる意識が生まれ、視座の高い人材になるのではないでしょうか?
4. まとめ
こうして見ると、確かにGAFAの台頭以降、我々の生活はかつてないほどまで便利になりました。しかし、それと同時に多くの雇用機会の破壊をもたらしました。人類史上最も変化の激しい時代だからこそ、我々はよりお客様を大事にし、より当事者意識を働かせて業務にあたるべきなのではないでしょうか。
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