ノルマは逆効果(藤田勝利 2019年 太田出版) 数字偏重型の営業組織を見直すきっかけ
こんにちは。株式会社アルヴァスデザインの石井です。
「営業は数字が命である」「ノルマは必達だ」といったような声はよく耳にします。
ただその一方で、これらの声かけをすればするほどメンバーのモチベーションが下がり、かえって売上数字が下がるといったことも発生すると聞きます。
この本は、弊社株式会社アルヴァスデザインのパートナーでもあり
経営コンサルタントとして、PROJECT INITIATIVE株式会社代表でもある藤田勝利氏が昨年出版した書籍になります。
営業組織において数字目標が大切であることは、私自身ももちろん認識しています。
ただ、ノルマに頼りすぎることは営業メンバーを疲弊させ、中長期的には良い結果を生まないというのも感じています。
この本では、メンバー自らが主体的に営業をして、結果として成果にもつながる組織作りのヒントが書かれています。
営業組織のマネージャーはもちろんのこと、営業やその他の仕事でも数字目標に息苦しさを覚えた経験のある人には、価値ある1冊だと感じています。
1.「ノルマ」とは何か
皆さんは「ノルマ」という言葉を聞いて、どのようなイメージを持つでしょうか。
人それぞれ感じ方が異なると思いますが、この本では『「ノルマ」とは自分ごとになっていない目標の全て』と書かれています。
上司から、「○○円の売上目標だ!」と言われても、なぜその数字なのかを心底理解して自分ごとになっていないものは「ノルマ」であるということになります。
2. 「ノルマ」だけでメンバーが動かない理由
これは私も実体験が伴っていますが
「ノルマ」だけを提示されてもモチベーションを維持しきれませんでした。
確かに、短期的には「頑張ろう!」と思えるのですがいつか疲弊してくるのです。
藤田氏の言葉を私個人が解釈すると、「自分ごと」として数字を捉えられないとメンバーは
- 数字のためだけに雇われている感覚になり、受け身化する
- 主体性が徐々になくなり、モチベーションも下がる
- 工夫して仕事をすることがなくなりアイデアが激減する
- 最終的には、仕事へのやりがいも低下する
という悪循環が生まれます。
3. 結果を出し続けるマネジメントの原則とは
「ノルマ」に頼らず、結果を出すためにはどのようなマネジメントが必要なのでしょうか。
大切なことはたくさんあると思いますが、私がこの本から一番大切だと感じたことは、「マネージャー自身が、仕事の使命・ミッションを考えてきちんと発信すること」だと思います。
そのためには、
- マネージャー自身が会社と自分自身の仕事の使命・ミッションを熟考する
- その使命・ミッションをきちんとメンバーに語り、メンバーの価値観と紐づける
- メンバーが飽きるほど、繰り返し語り続ける
ということを励行していくことが重要です。
4. おわりに
「若手の営業パーソンとの考えが噛み合わない」と感じたことがあるマネージャーの方は多くいらっしゃると思います。その時は、マネージャー自身が変わり成長するチャンスであると思います。
藤田氏から学んだことの一つに、「参照枠(Frame of reference)を増やす」というものがあります。
マネージャー自身が何か課題にぶつかったときに、それを解決するために参照できるものがどのくらい自身にストックされているかが大切です。
こちらのコラムも、皆さまにとって「参照枠(Frame of reference)を増やす」きっかけになれば嬉しく思います。
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【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。