ALVAS JOURNAL

【第1回】 Withコロナ時代、私たちがやるべき手法とは?いま、生き残るための営業術(輸送経済新聞 2021年1月19日掲載記事)

新型コロナウイルスの感染拡大により対面営業の機会は激減し、オンライン営業に取って代わった。
昨年9月、オンライン営業システムを手掛けるベルフェイスが行った調査によると、「コロナ下でオンライン商談の機会が増えたか」との質問に対し、「増えた」と回答する回答が9割を超えた=グラフ。

 

感染拡大でオンライン商談をする機会が増えたか

出典: ベルフェイス社調査より作成

 

だが、オンライン営業では顧客との接点を保つことはできるが、顧客との間に物理的な距離ができたことは紛れもない事実だ。これからの営業は、顧客との間に物理的な距離があるオンラン営業をいかにうまく使いこなすかが鍵になる。
信頼獲得につながる3つオンライン営業を顧客視点で考えると、「どの営業を信頼すれば良いのか」が分かりにくい。
これまでは対面で「この人なら大丈夫そう」と肌感覚で決めていたが、一切通用しなくなる。
つまり、これからの営業はオンラインでいかに顧客から信頼を獲得するかが極めて重要と言える。
信頼獲得のためにやるべきことは3つある。

 

1つ目は、徹底した顧客理解。「顧客の真の課題をどう理解するか」がポイントになる。

オンラインでは「顧客を深く理解することより、会話の流れを悪くしないように進めよう」と思ってしまう傾向が強い。

そのため、従来の対面商談なら1時間かかっていたところが、オンライン商談では30分で終わってしまうといった話もよく耳にする。オンラインだからこそ、営業がしっかりと仮説を立て、話を引き出していく技能が重要になってくる。

2つ目は、最新情報を提供するスピードだ。

当たり前の話だが、顧客にとって価値のない情報提供をする営業とは付き合っても意味がなく、この「当たり前」を見直すべきだ。世の中が急速に変化していく中、鮮度の高い情報は価値を増している。整った資料で情報提供をするのも悪くはないが、「先ほど聞いた新しい情報なのですが…」といったように、最新の事象や体験を抽象化し、目の前にいる顧客のために転用できるかが大切だ。言い訳は通用しない

3つ目は、オンライン商談での演出。

オンラインツールの活用は、もはや営業の基礎技能と言える。
だが、オンライン営業ツールや会議サービスを上手に使いこなせない営業もいまだに多いと聞く。
オンライン営業が主流になっているいま、「ツールを覚える時間が無い」などの言い訳は通用しない。オンラインツールとして有名なZooM(ズーム)、Teams(チームス)の基本操作や、円滑に資料を共有するといった使い方は押さえておくべきだ。また、カメラの映り具合やマイクの音質にも意識を向けたい。オンライン商談では、映像と音声のみでコミュニケーションを取ることになる。顧客は、画面に映っている映像と営業の声だけで、「信頼できる人かどうか」を判断してくる。本連載では「いま、生き残るための営業術」をテーマに、オンライン営業を効果的に進めていくすべを取り上げる。加えて、オンライン商談でも、対面商談でも活きる「価値を高める営業手法」について、事例を交えながら解説していく。

 

代表取締役 CVO
早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
2013年(株)アルヴァスデザイン設立。著書に「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」。

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