自分の意見で生きていこう(ちきりん著 2022年ダイヤモンド社) ~グローバルスタンダードを見据えて、自分の意見と向き合おう!~
みなさんこんにちは!プロデューサーの中島です。
突然ですが、みなさんは自分の意見を社内会議やSNS上で発言できていますか?
私は、「間違ったことを言って、周囲から指摘をされるのが嫌だ!」という思いから、自分の意見を発言することに躊躇したことがあります。
また、ネットの世界で匿名だとしても、何か意見しようものなら、自分と異なる意見保持者から厳しい言葉が浴びせられるのではないかと恐れ、傍観者と化しています。
ただ、この本に出会って「そもそも『意見』には間違いが存在しない。」ということに気が付かされ、『意見』を言うことのハードルが極端に下がりました。
このコラムでは、私が本から学んだ『意見』について紹介をしていきます。
>自分の意見で生きていこう
意見とはなにか
本書では、意見とは
「正解のない問題に対する自身の考え」
と定義しています。
要するに、意見には正解が存在しないということです。
私はこの定義を知った時、これまで自分は意見に対して、間違った定義付けをしていたことに気が付かされました。
これまで私は、意見をするということは、何か答えとなりうるものがあり、それに沿った自分の考えを発言することであると考えていました。
特に、前職の会議では上司が意見を答えであるかのように発言しており、それに対して当たり前のように賛同し、自分の意見を発言してきませんでした。
今思うと、その上司がそもそも自分の発言が絶対と思っていることも間違えているし、他の人の意見を受け入れようとしないことは、新たな視点に出会う機会を喪失していて、非常にもったいないなと感じます。
意見VS反応
意見に答えがないことに加えて、もう一つ自分が意見の定義に対して間違った認識をしてきていたことがあります。
それは、意見だと思っていたことが実は意見もどきの『反応』であったということです。
例えば、前職の上司が「答えのような意見」を発言した際、前述のように「たしかに、私もそう思います。」と賛同したり、「ただ、その施策うまく行かなかった場合、○○が考えられないでしょうか。」と懸念点を発言したりしていました。
ただこれらは、自分の意見を述べているのではなく、ただ意見もどきの『反応』をしていただけでした。
では、「意見」と「反応」の違いは何か。
実は、とてもシンプルです。自分の発言する言葉に「ポジション(立ち位置)」が明確であるか否かです。要するに、自分の意見の立ち位置を示した上での発言は、『意見』であり、立ち位置のないものは、ただの『反応』であるということです。
そのため、私がよくしていた「私もそう思います!」「ただ、○○という懸念点がある気がします。」 は自分のポジションを定めていない発言をしているので、『意見』として確立せず、意見している風な『反応』をしているだけだったということです。
『反応』は考えずに済むため、非常に簡単です。しかし、忙しい時間を縫って会議を設定しているのに、『反応』に終始し、『意見』を言わないなんて全く価値のない時間になってしまうな…と改めて思わされました。
世界と日本の『意見』に対する認識の違いと違和感
本書では、日本とアメリカの『意見』に対する認識の違いについても記載されています。
アメリカは、「専門外で詳しいことを知らなくても自分の意見を言うべきである。」と考えますが、日本は「専門外で詳しいことを知らない場合は、意見を言わない。もしくは調べ上げてエビデンスを持ったうえで意見を発するべきである。」と考える傾向があるそうです。それに対して、著者はアメリカの考え方に賛同しております。
これを読んだ時、私は筆者とは異なり日本的な考えに賛同すると思ったとともに、私が学生時代アメリカに留学していた頃に感じた違和感を思い出しました。
留学時代、アメリカ人だけでなく、アジアやインド、中東やヨーロッパ出身のクラスメイトに共通して、根拠がなくても意見したり、考えながら手を上げていたりする傾向がありました。
その姿を目の当たりにした時、「理解や準備が不足しているのに、どうして意見を言えるのだろうか?」と違和感を覚えました。
確かに、私の日本人的な考え方により「Yukaはどう思うか?」と問われたことは何度もあります。海外のクラスメイトからすると、私の消極さに逆に違和感を抱かれていたと思います。ただ私は、「まだ自分の意見が整っていないし…」と思っていました。
海外での経験や本書を通して、「専門外で詳しいことを知らなくても自分の意見を言うべきである。」という意見が世界では一般的あるのも理解をしています。それでも、やはり「意見を支える根拠は持つべきである。」という私意見をひっくり返せなかったのが本音です。
ただ、どれも、『意見』のことなので正解はありません。
皆さんはどう思いますでしょうか?ぜひこれについて自分に問うてみていただきたいです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
意見をすることに対してハードルが高く感じている方も多くいらっしゃると思いますが、
「意見にはそもそも正解がない!」 と思うと少し気が楽になるように思います。
また、本コラムでは紹介できませんでしたが、本書では意見をつかさどる「軸」に関しても触れているので、人の意見に流されてしまうと感じている方や、言われたとおりにしか動けないと感じている方にも非常におすすめの書籍となっています。
現代社会ではSNSの流通も相まって”自己表現”が大切になってきています。
これからの時代を生き抜くためにも本書籍を通して”意見”について見つめ直しませんか。
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