ALVAS JOURNAL

目的を考え抜いた先に、営業の分業化が花咲く

こんにちは。株式会社アルヴァスデザイン代表取締役CVOの高橋研です。

5月になりました。この時期は、新社会人が新人研修を終えて徐々に実務を覚え始めるタイミングです。各社において現場配属も徐々に始まっているのではないでしょうか。

私自身はもう20年以上も前になりますが、新卒入社した株式会社ファンケルで店舗スタッフとして6か月間の実地研修期間に突入した時期です。

当時は「男性がどうやって女性のお客さまの肌悩みを聞いて化粧品を売れば良いのか・・・」と毎日、自分の肌状態が悪くなるほど悩んでいました。この時の販売経験が数年後に活きてくるとは夢にも思わず、目先の業務をこなし続けた記憶だけが残っています。

今思えば自分自身の目的意識が薄弱だったのかもしれないと、この歳になって反省をしています。

さて、本日は営業の目的共有および分業化に目を向けてみたいと思います。

新型コロナウイルスの影響によるテレワークの増加テクノロジーの発展による営業手法の変化など、営業シーンは刻々と新しいものに生まれ変わっています。

そんな変わりゆく営業シーンで、昨今大きな動きとしてある営業の分業化にフォーカスしてみたいと思います。

 

1. 営業シーンの変化

私たちを取り巻くビジネス環境は、時代と共に変化していきます。昨今では、デジタル化が大きく進み、テクノロジーという言葉が新聞やメディアに取り上げられない日はありません。

私たち営業パーソンの仕事も大きく変わりました。

例えば、新型コロナウイルスの影響によって、営業シーンが対面からオンラインへと切り替わりました。また、数年前からトレンドになっているキーワードとしては、インサイドセールスカスタマーサクセスがあります。

私の著作は、インサイトセールスで、「ド」が「ト」になっただけで、これだけ世の中からの反応が薄いのか、そう感じざるを得ません。笑

さて、話を戻します。

インサイドセールスやカスタマーサクセスと聞いて何を思い浮かべますか?

私は、営業の分業化が進んだなという印象です。私が営業職をスタートさせた20年近く前は、「お客様先に飛び込む→ヒアリング→提案→クロージング」と、すべて営業パーソンがビジネスを完結させていました。

もちろん、当時から営業を分業化していた会社もあったはずですが、営業の分業化が盛んに行われるようになったのは、つい最近のことだと認識しています。

2. 分業化の問題点

私は、インサイドセールスやカスタマーサクセスをはじめとする営業の分業化には賛成です。それを前提に、営業の分業化の問題点を考えていきたいと思います。

会社視点では、分業化するということは、それぞれのスペシャリストを育成していくことに注力できるため、非常に効果的であり効率的に見えます。

昨今の営業シーンを見ても、1つの受注を勝ち取るだけで相当な努力を求められ、分業化することによって専門的な営業を作るということは理にかなっているように感じます。

また違った側面もあります。たくさんの営業パーソンの育成に携わってきた私の個人的な感覚として、「この人は、抜群にテレアポは上手だけど、ヒアリングはイマイチ!」とか、「新規開拓はできるのに、既存のフォローは苦手なのね!?」とか、色々な方がいます。

つまり、分業化することで、それぞれの強みにあった仕事ができる、故に営業組織としても生産的だよねということは言えるのではないでしょうか。

ただ、一見すると大変合理的な分業化ですが、一部のマネージャーからは苦労しているという声が上がっています。

例えば、お客様とアポイントメントを取得するというKGIを持っているインサイドセールスに、営業組織全体の売上、もっというと会社としての存在意義目的を意識させることは非常に難しいわけです。

まるで、教会のレンガ職人の話です。あるレンガ職人Aさんは、きれいにレンガを積んでいる。Bさんは、きれいな壁を作っている。Cさんはきれいな教会を作っている。三者三様の目的がありますが、営業組織に当てはめるとCさんのような方が欲しいわけです。

ただ実態としては、Aさんのように自身のKGIを目的として、アポイントメントが取れたらその後は知りませんという状態もあり得るのです。

3. Whyの追求

分業化したことによって、視座が下がり、目先の業務にだけ集中してしまう、ということはよくある話だと思います。もちろん、目先のKGIに集中するという良い面もありますが、企業として最終的なゴールは見失いたくないはずです。

例えば、私の前職も当てはまりますが、メーカーというのもある意味で、企業の最終的なゴールを見失いやすい環境にあると言えるのではないでしょうか。なぜならば、多くのメーカーでは、製品の開発と営業を分けています。

これにより、開発者は「良いものを作っているのだから、売れないのは営業が悪い」と言い、営業パーソンは「ろくな商品を開発しないから、売れないのだよ」と言うわけです。

こういった事例に陥ってしまう組織に、欠落していることは何だと思いますか。

私は、Whyの追求だと考えます。

開発者に、「なぜ商品を作っているのか」と問えば、真っ当な理由が返ってくるはずです。これは、営業パーソンもしかりでしょう。例えば、企業理念のように、「お客様の笑顔のために」という言葉が返ってくるかもしれません。

しかし、KPIやKGIが設定されている職場に身を置くと、どうしてもWhyの追求を忘れてしまうのです。

では、Whyの追求はなぜ忘れてしまうのでしょうか。

これは、セルフマネジメントの大切さ、チームの目的を、マネージャーがメンバーに語っていないからではないでしょうか。

4. 弊社が発揮できる価値

分業化によって、営業組織の士気が下がってきている、生産性が下がっているということでお悩みの方に対しては、ぜひご支援させてほしい、というのが私の意見です。

なぜ、そう思うのか…。それは、社内外問わずWhyの追求をしてきたからです。

社内では、大きく3つの柱があります。

1つ目は、リフレクションです。毎週、各メンバーが仕事と向き合い、なぜその行動をしたのか、次はどのようにすると良いかということを、アウトプットし合っています。

2つ目は、人事制度です。2022年度から、半期の振り返りで、弊社の理念・ビジョンをどれだけ実現できたかということを実施しています。これは、「なぜ、弊社で仕事をするのか」「なぜ、その仕事をするのか」を見つめなければ、自分なりの解が出せません。

3つ目は、2022年度の方針そのものです。2022年度は、1年を通してWhyを突き詰めようというスローガンを作りました。シンプルではありますが、これが最もメンバーを成長させ、また市場に価値提供できると考えています。

社外でも、営業組織をWhyという観点から変革いたしました。

例えば、弊社がご支援したお客様に保険会社様があります。ここでは、代理店を経由してエンドユーザーに保険商品を販売しているのですが、これもまさに分業化です。代理店をマネジメントする際には、KPIやKGIで数値を見るということも大切ですが、私たちが実施したことは、何よりもまずはWhyを代理店と保険会社の間で握り合うことです。

目先の売上数値を見てしまうことは、営業組織の常だと思いますが、一番先に考えたいことは、企業としての存在価値であり、なぜその仕事をしているのかという想いなのではないでしょうか。

これらのことから、ぜひ営業の分業化で課題感をお持ちのマネージャーに対して、ご支援したいと感じています。

5. インサイトセールスの出番もある

ここで、インサイドセールスではなく、私の十八番であるインサイトセールスの方のお話も挟ませてください。

実は、インサイトセールスはWhyを追求する営業であると言えるのです。インサイトセールスとは、経営層の価値観、想いを引き出し、理念とビジョンの実現施策をしていきます。この過程で、経営層と共感し合うことが求められますが、Whyに関する互いの納得感が重要になるのです。

また弊社は、ドラッカーからマネジメントを直接学んだ藤田勝利氏と協業しています。ドラッカーのマネジメントは、国・時代・職種が変わっても、なお変わらない原理原則にフォーカスしています。

この変わらない原理原則を元に、マネージャーの育成をしているからこそ、分業化をしている組織であっても、必ずやご支援できると確信しています。そして、ドラッカーが大切にしている考え、それは「セルフマネジメント」「マネジメントの目的」「組織とチーム」といった言葉に収斂されます。

このように、私たちが実施してきたインサイトセールスやドラッカーのマネジメントは、どれもWhyの追求を大切にしています。そして、このWhyの追求こそ、営業の分業化で苦労している営業組織に必要なことなのではないでしょうか。

6. まとめ

本日は、営業の分業化というテーマでした。営業の分業化は、それぞれのスペシャリストが仕事において強みを発揮しやすいと言える一方で、マネジメント側にとってはチームをけん引していくことが難しいと言えるでしょう。

そこでヒントになる考えが、Whyの追求であると考えています。社内外問わず、Whyを意識して仕事をしてきた私たちだからこそ、「営業の分業化」を加速するご支援ができると感じています。

 

代表取締役 CVO
早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
2013年株式会社アルヴァスデザイン設立。2018年「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」出版。

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