ALVAS JOURNAL

限りある時間の使い方(オリバー・バークマン著 2022年 かんき出版)~有限性の自認が人生を変える~

こんにちは、荻原です。

本日は、イギリス全国紙「ガーディアン」の記者であり、若手ジャーナリスト賞を受賞した新進気鋭のライター:オリバー・バークマン氏によって書かれた「限りある時間の使い方」をご紹介したいと思います。

営業パーソンにとって「仕事」と「時間」は切っても切り離せない関係にあります。

特に、営業パーソンにとって、お客様との商談や資料作成など、時間をどのように活用していくのかは、良い成績を残すために大きなファクターになり得ます。

しかし、そうした強い時間意識が、かえって「時間欠乏感」を招き、それに悩む営業パーソンも少なくないでしょう。

実際、営業パーソンが自身のKPIを達成するために、生産性を高めようとする意識が生まれることは必然です。

ただ、もしこの思考法そのものが「時間欠乏感」を生んでいる根本原因であるなら、どのように感じますか?

本日は、営業パーソンが陥りがちな「時間欠乏感」を解消する一つの思考法を共有できればと思います。

目次

    1. 営業パーソンと時間欠乏感

    高度に近代化された社会で生きる営業パーソンは、わずか30年前の営業パーソンよりも圧倒的に時間を効果的に効率的に使用することができるようになったと言えます。

    その要因として、30年前では、お客様先に赴いて商談をすることは当たり前であり、FAXや郵便を待つ時間も発生しました。これらの観点で現代と比較すると、圧倒的に多くの時間的な差異が発生しています。

    もちろん、過去の営業パーソンが費やした時間の全てが無駄であるとは言いません。しかし、仕事の「生産性」に重きを置くのであれば、削減できる項目も多々あるというのが実情ではないでしょうか。

    実際に、現代では電話やメールをはじめ、オンライン商談などの普及により、過去と比較すれば圧倒的に時間を削減しやすい環境が整っていると言えます。

    それにも関わらず、現実では、時間が余るどころか、時間に忙殺されていると感じているようです。

    これはなぜでしょうか?

    2. 時間欠乏感の正体

    本書では、時間欠乏感の正体は、「生産性至上主義の弊害」にあると言います。

    これは、1日が24時間しかないのにも関わらず、頑張って業務を効率化し、その空いた隙間時間にもさらに予定を詰め込もうとしている社会風土が蔓延していることを意味します。

    もちろん、生産性を意識することは大切です。継続して成果を創出するためには、業務を効率化させて生産性を高めることは必須だからです。

    しかし、それではラットレースになり、永遠に時間欠乏感はなくならないと本書では語られています。

    では、どのようにすればいいのでしょうか?

    3. 有限性の自認が人生を変える

    時間欠乏感からの解放に役に立つ考え方が「有限性の自認」であると本書では語られています。

    ここでいう「有限性」とは、自分自身が1人の人間であり、どう足掻いても1日は24時間しか存在しないことを認めるということです。

    つまり、どんなに頑張っても1日に詰め込める仕事量は限りがあるということです。

    特に、この考えは営業パーソンに身に付けていただきたい考え方です。

    なぜならば、営業パーソンは「売上」「利益」など可視化された指標がKPIとして設定されることが多く、これらを達成するために「時間が足りない」という思考に比較的陥りやすいからです。

    私の知っている限りでも、「営業数字を達成できないかもしれない・・・。」という恐怖心から、隙間時間をすべて商談にあてオーバーワーク状態に陥った方もいます。

    成果を創出することは大切ですが、その思いが強いほど時間欠乏感が生まれ、結果として焦った気持ちによって仕事のパフォーマンスを下げてしまう可能性もあります。

    また、場合によっては、精神的なダメージを被ってしまうかもしれません。

    そのため、時間の欠乏から解放されたいのであれば、自分が努力できる範囲とできない範囲を明確化し、できない範囲はきっぱり諦めるべきと本書では強く語られています。

    4. おわりに

    いかがでしたでしょうか。

    本日は、営業パーソンなら誰もが一度は悩まされたことのある、もしくは現在進行形で悩みの種になっている「時間欠乏感」について考えてみました。

    会社の方針や自分自身の仕事のスタンスもあるので、一朝一夕で自分の限界を決めるのは難しいかもしれません。

    しかし、1日に詰め込める仕事量や予定にはどう足掻いても物理的な限りがあります。

    有限性を自認することは、そうした時間からのストレスを解放する効果はあるので、ぜひ手段の一つとしていただければ幸いです。

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    営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
    ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

    荻原エデル

    社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
    趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。

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