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進化論マーケティング(鈴木祐著 2022年 すばる舎)~進化論を制する者がマーケティングを制する~

こんにちは、荻原です。

本日は、私が最も好きなサイエンスライターであり、年間5,000本の論文を読破する自称「日本一の文献オタク」である鈴木祐 氏が書した「進化論マーケティング」をご紹介したいと思います。

皆さんは、「進化論」をご存知でしょうか?

進化論とは「生物の遺伝的形質が世代を経る中で変化していく現象」のことであり、かのチャールズ・ダーウィンが提唱した説です。

これだけ聞くと、マーケティングと何の関係があるのかは見えにくいですが、進化論マーケティングは、Apple社を含む世界規模の企業でも活用され始めている新しいマーケティング手法なのです。

本記事では、進化論マーケティングとは何か?をご紹介するとともに、営業パーソンが進化論マーケティングを知る意義について書きました。

是非ご一読下さい。

 

目次

    1. 営業パーソンにとってマーケティングは最重要

    まず、営業パーソンとマーケティングの関係を明らかにしましょう。

    私たち営業パーソンにとって、マーケティング活動は重要なのでしょうか?

    この問いを、よりシンプルに捉えるために、営業部門とマーケティング部門の共通の目的を考えてみましょう。

    両部門の共通目的とは、紛れもなく「顧客の創造」にあります。

    また、マネジメントの父であるピーター・F・ドラッカーも、事業の目的を「顧客の創造」と表現しています。

    つまり、私たち営業パーソンはもちろんのこと、事業を担う私たち全てのビジネスパーソンの目的は「顧客の創造」にあるのです。

    しかし、営業部門とマーケティング部門が、企業規模の大きさに比例して分担されることが多いと言えます。

    そのため、企業構造として、営業パーソンがマーケティング活動をしている感覚を感じにくく、故にマーケティングを学ぶ必要性を感じにくくなっているのです。

    実際に、営業部門とマーケティング部門で、「どのように顧客の創造していくのか?」という問いを話し合う機会を持てていない組織も多いのではないでしょうか。

    このような状況であっても、繰り返しになりますが、営業パーソンがマーケティングの視点を養うことは重要です。

    では、「顧客の創造」という共有の目的を達成するために、進化論マーケティングをどのように活用していけば良いのでしょうか。

    2. 進化論マーケティングとは?

    進化論マーケティングとは、人類の進化の中で培われた本能的な欲求である「自身のDNAを後世に受け継がせたい欲求」「個として長生きしたい欲望(生存本能)」をビジネスに応用させた新しいマーケティング手法です。

    つまり、消費者のより根源的な本能に訴えかけるという特徴があります。

    そして、本能に訴えかけるからこそ「なんか買いたくなった」「なんか欲しいと思った」という曖昧な感情を引き出すことができるのです。

    実際、皆さんも別に普段買わないものであっても「限定商品」や「期間限定」と書かれていた場合、無性に買いたくなった…という経験はありませんか?

    私は、特にコンビニで体験することが多いです。例えば、シーズン限定の味を宣伝している商品が良い例です。

    これは、希少価値を手放したくないという本能を上手に刺激した結果と言えます。

    このように、進化論心理学はどうすれば人間の本能を刺激できるマーケティング活動を行えるのかを探求するのです。

    その他にも数多くの本能が本書ではまとめられていますので、興味のある方はぜひ実際に手に取って確かめてみることをお勧めします。

    3. 進化論マーケティングを営業パーソンが活用するには?

    進化論マーケティングは、お客様の購買意欲を最大限に刺激する効果的な手法の1つと言えます。

    しかしながら、その利用には、お客様の行動や言動を緻密に読み解く必要があるというハードルがあります。そのため、お客様接点が少ない人にとっては、扱うのが難しい手法となります。

    逆接的に言えば、常にお客様と接する機会があり、彼らの行動と言動を把握できる営業パーソンには、特に向いていると言えるのです。

    例えば、課題が表層化しているお客様との商談機会がある場合、単なる「解決策の提案」では他社との差別化が難しく競合してしまう可能性が考えられます。

    しかし、進化論マーケティングを活用することで、提案の内容を本能的な欲求に基づいたものに変化させ、より強い印象を与えることが可能になります。

    これは、「インサイト※」という言葉に置き換えることも可能な概念であるように感じます。

    例えば、次のような提案は相手の本能を刺激しやすいと言えます。

    • お客様と一緒に提案内容を構築していく(進める・決する・属する本能への刺激)
    • 安全性を強調する(安らぐ本能への刺激)
    • 商材が誕生した背景を共有する(物語る本能への刺激)

    もちろん、人間それぞれ、刺激に対する反応は千差万別です。そのため、柔軟に相手の反応を観察し、手法を変えていく必要性があります。

    これらはあくまでも一例ではありますが、進化論マーケティングを活用することで、従来のアプローチとは異なる斬新なアプローチを可能にし、顧客担当者の心を掴みやすくすることができると言えます。

    ※お客様の「インサイト」を掴む営業手法、「インサイトセールス」の概念も参考になるかもしれません。
    >インサイトセールスとは、新時代の営業スタイル。これを知るだけで営業が一気に楽しくなる。

    4. おわりに

    いかがでしたしょうか。

    本記事では、新しいマーケティング手法である進化論マーケティングについて、お伝えしてきました。

    この手法は、高い熟練度が必要なものですが、従来のアプローチでは生み出せなかった創造的な提案を可能にするという魅力があります。

    本書では、さらに営業活動で活用することができる様々なチェックリストや詳細な本能の意味が語られていますので、気になった人はぜひ本書を手に取ってみてください。

    本記事が、少しでも皆様の営業活動の一助になれば幸いです。

     

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    荻原エデル

    社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
    趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。

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