夢と金(西野亮廣著 2023年 幻冬舎)〜知らないと絶対後悔する「オーバースペック問題」とは?〜
こんにちは、荻原です。
いきなりですが、皆さんは、仕事のクオリティーを上げることの負の側面について考えたことはありますか?
仕事のクオリティーを高めることは、一般的に良しとされている事柄ですね。実際に、新入社員の頃からこのことを耳にタコができる程に言われてきている方も少なくないと思います。
そのため、クオリティーを高めることの正の側面は自ずから認識されていますが、一方で負の側面については考えたことがない方が多いのではないでしょうか。
そこで本日は、営業パーソンにとってクオリティーの負の側面についてお届けしたいと思います。
本日、ご紹介したいの書籍は、漫才コンビ・キングコングの西野亮廣さんの書かれた「夢と金 」です。
西野さんは絵本作家としても有名であり、代表作は「えんとつ町のプペル」です。映画化もされた作品のため、一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
本書はタイトル「夢と金」の通り、ビジネスの仕組みやお金の稼ぎ方にフォーカスされている書籍ですが、営業パーソンにとって、重要なテーマある「クオリティー」についても触れられています。
本記事では、営業パーソンにとって最も成果や生産性に影響を与えるクオリティーを高めることの負の側面である「オーバースペック問題」についてご紹介します。
目次
1. オーバースペック問題とは?
「オーバースペック」とは、「over」+「specification」を組み合わせた和製英語です。ちなみに和製英語なので、海外では通用しません。ご注意ください。
日本語での意味は「過剰性能」になります。
この単語が頻繁に使用されるシーンは、テクノロジー関係でしょうか。
- ネット検索やメール返信、PowerPoint、ExcelのためにしかPCを使用しないのに、高額なゲーミングPCを使用している
- YouTubeでの動画視聴やSNSのためにしかスマートフォンを使用しないのに、ハイエンドモデルのスマホを使用している
- 電子レンジ機能しか使わない可能性が高いのに、いつかのためにオーブンレンジ機能のついた電子レンジの購入を検討している
これらに共通しているのは、使用者が「商品の性能を100%引き出せていない」ということです。この場合、その製品は使用者に対してオーバースペックであると表現されます。
もちろん、これらのテクノロジー製品を購買するにあたり、ある種の「高級感」や「ステータス」を感じることはできます。
しかし、実は日常業務の中でもオーバースペックが原因となって問題となってしまうことがあるのです。
2. オーバースペック問題の事例
一見すると、日常業務の範囲でオーバースペック問題を引き起こすことは無いようにも感じられます。
これを理解するために、本書で用いられていたラーメンの例を引用させていただきます。
一般的なお客様がラーメンを食べる場合、店内の雰囲気や接客、味などを含めて85点も出せば大満足します。そして、店主としてより努力し、90点を出せるようになったとします。
ここまでくると、もう大満足を通り越して感動すら与えてしまいます。なので、85点を90点にした場合、例えラーメンの値段を200円くらい値上げしてもお客さんは購入してくれる可能性が高いです。
ですが、もし、さらに努力を重ねていき90点のラーメンを97点にした場合、もはやお客さんはその違いを認識することができない可能性が高いのです。
これはその次元までいくと、それは芸術の域になってしまい、努力に対して結果がついてこなくなるのです。これがオーバースペック問題です。
では、これを営業パーソンの仕事で例えるとどうでしょう。皆さんはこんな経験はありませんか?
- 会議において、Wordで箇条書きでも十分に伝わるのに、気合いを入れてPowerPointで制作してしまう
- グラフデザインの微調整に多くの時間をかけてしまう
- 社内会議の資料に、一流のデザイナーのようなデザインを求めてしまう
上記はほんの一例ですが、これ以外にも例を挙げれば枚挙にいとまがありません。
もちろん、クオリティーを高めることそのものは、自身のスキルアップや価値貢献の拡大のためにも絶対に必要です。
しかし、つい油断してしまうとそれが過剰になってしまいそれが結果的に徒労に終わってしまう可能性があるのです。
3. オーバースペックとの向き合い方
ここからは、オーバースペック問題との向き合い方についてご紹介したいと思います。
オーバースペック問題は、真面目な人、職人気質な人ほど多く発生してしまう問題です。これは、ちゃんと仕事をしようという気持ちが人一倍強いからです。
この気持ち自体は、とても大切ですが、仕事における単位時間あたりの生産性を求めるビジネスとは相性が悪いです。
そのため、仕事を行う前に、
- その仕事のそもそもの目的
- 最低限達成すべきポイント
- 仕事の受け取り手が望むレベル感
を意識すると良いです。
これは、そもそもオーバースペックになってしまう原因が、顧客視点がなくなっていることが原因であるからです。
つまり、目線が顧客視点から作品のクオリティーを上げるにはどうすればいいのか?になってしまっているのです。
これまでの仕事スタイルを丸ごと変えるのは、難しいかもしれません。しかし、少しずつ日々の業務に取り入れてみてはいかがでしょうか。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか?
本日は、油断すると誰もが陥ってしまうオーバースペック問題について語ってきました。
営業パーソンは仕事柄、様々な資料を制作し続けることになるので、遭遇しやすい問題です。しかし、オーバースペック問題のカラクリさえわかれば、いくらでも対処可能な問題でもあります。
本書では、その他にも営業担当者にとって有用な顧客視点に関する話も語られていますので、気になった方は実際に手に取ってみてください。
この記事が少しでも皆様の営業活動の支援になれば幸いです。
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営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
荻原エデル
社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。