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異能の掛け算 新規事業のサイエンス(井上一鷹著 2022年 株式会社ニューズピックス)~チームで創る再現性のある新規事業~

こんにちは、土岐です。

「新規事業開発」を成功させることができるのは、たった一人の天才である。

あなたは、そのように誤解してはいないでしょうか?

イーロン・マスクやスティーブ・ジョブズ、孫正義のようなすごいタレントが、あなたのチームにいますか?

大半の方が「NO」と回答されるのではないでしょうか。

回答が「NO」でも、不安になる必要はありません。

新たな価値は、一人の天才ではなく、チームで創る時代が到来しています。そのチームは、大事にするモノサシも違えば、専門的なスキルも異なる、”異能”の集まりであるべきです。

新規事業一筋15年、500以上のケースを研究し成功の再現性を限りなく高めてきた、著者井上一鷹さんが事業の価値創造をするための「異能の掛け算」を解き明かしています。

本記事を通して、一緒に新規事業開発に一歩踏み出してみましょう。

この記事を読めば、新規事業開発がグッと身近に感じられるかもしれません。

 

目次

    1. 新規事業の正体(新規事業の難しさの本質)

    新規事業はなぜ成功させるのが難しいのでしょうか。

    一言でいうと、「不確実性が高いから」です。

    新規事業の立ち上げは、最初は全く何も見えない完全なる暗中模索状態からスタートします。仮に事業の形が見えてきても、ややこしいことに事業ごとにKPIツリーはもちろん、あらゆる構成要素が異なります。

    0からスタートして「誰が顧客なのか、どんな収益構造なのか、誰が競合なのか…」がほぼ見えずに手探り状態が続く…大げさに聞こえるかもしれませんが「確かなことが何もない」世界なのです。

    不確実性が高いこともさることながら、新しい事業を創ることは「新規であること×事業であること」の両側面で難しさが存在します。

    あなたが、新しいことにチャレンジする場面を思い浮かべてみてください。

    • 転職して、新たな会社に通い始めるとき
    • 引っ越して、新たな地域コミュニティに入るとき

    いままで自分が慣れ親しんだ会社/地域の文化がそこにもあると思い込んで足を踏み入れてしまうと、痛い目に遭いそうですね。

    新規だけでも難しいのに、”事業”であることがさらにややこしさを増大させます。事業とは「利益を目的として、商品の販売やサービスの提供などの経済活動を営むこと」です。

    この”経済活動”を左右する要素は膨大にあります。

    事業の構成要素が多岐にわたり、かつ複雑に絡み合う相関関係があることが新規事業の難しさの本質です。

    2. コレクティブ・ジーニアスなチームの重要性

    そこで、井上さんが提唱したのがコレクティブ・ジーニアスな「異能チーム」

    大昔の新規事業は、エジソンのような一人の天才の発明で完結したかもしれません。しかし、現在はあらゆるサービスや情報があふれた世界。

    事業インパクトがある新しいサービスやプロダクトを創るには、以下3つの”異能”をもつ3種類の人材が必要になります。

    「Biz人材」、「Tech人材」、「Creative人材」と聞くと、おそらくあなたがイメージするのは、コンサル、エンジニア、WEBデザイナーなどではないでしょうか?

    井上さんが提唱するBTCはもう少し根源的な意味で、事業価値をつかさどっています。

    ピクサーやGoogleなどの飛躍的な成果を出し続ける組織で、「一人の天才の顔が見えにくいのに、価値創造を繰り返し成功させているチーム」があります。このようなチームには必ず、BTCの人材がいます。

    このように、複数人によって創造的な摩擦力・機動力・決断力が発揮されると、あたかも一つの天才性を持つ個人のように機能することを、「コレクティブ・ジーニアス」と呼んでいます。

    これは新規事業において、目指すべき、異能の掛け算の一つの例です。

    新規事業の成功は、チームが「共通認識と相互理解」を持ったうえで、各自の得意分野の能力が発揮されている、つまり「異能の掛け算」が起こっているときである、と井上さんは名言しています。

    いかに有能なメンバーであろうとも、衝突して引き算する状態、あるいは、がんばっても足し算にしかならない、相乗効果がない状態では、創り出せる価値は雲泥の差になります。

    私自身、新規事業を立ち上げる職種についたことはありませんが、現在、社内で新たなメニューを開発するチームに携わっています。

    メニュー開発のチームは4名ですが、それぞれの強みを活かす適材適所が実現できており、BTC人材が揃っています。新規事業ではなく、新たなメニュー開発であっても、BTC人材が揃っていることで、プロジェクトが非常にスムーズに進行できています。

    自身の体験も通して、BTC人材をチーム内に揃える意識が新たなことを実施する上で重要だと感じました。

    3. おわりに

    いかがでしたでしょうか?

    少しでも新規事業を成功させるための「異能の掛け算」に興味をもっていただけたら嬉しいです。

    本記事でご紹介したのは本書の一部です。

    もっと詳しく知りたい方は、ぜひ購入してみてください!

     

    本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒異能の掛け算 新規事業のサイエンス(井上一鷹著 2022年 株式会社ニューズピックス)

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    土岐優

    石川県金沢市出身。2022年2月入社。
    音楽大学(ハープ科)卒業後、ファンマーケティングのリーディングカンパニーに勤めたのち、プロデューサーとしてアルヴァスデザインに参画。お客さまと向き合い続けることを大切にしています。趣味は読書、Webデザイン。好きな言葉は「強がらなくても大丈夫。どんなあなたも大好きだから。」

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