ALVAS JOURNAL

アクティブ・リスニング ビジネスに役立つ傾聴術(戸田 久実著 日経文庫 2023年)~その1:全てのビジネスパーソンが読むべき人間関係構築の第一歩~

こんにちは、高橋です。

本日から、アクティブ・リスニング-ビジネスに役立つ傾聴術-(戸田 久実著 日経文庫 2023年)を、2回にわけてご紹介します。

私たち営業パーソンにとって、お客様と人間関係を構築することが重要であることは言うまでもありません。

そして、私たちビジネスパーソンという広い枠の中においても、人間と人間が関わることで仕事ができあがっているという視点に立てば、誰にとっても人間関係構築は重要であると言えます。

では、人間関係を構築するためには何をすれば良いのでしょうか。

ずばり!その1つが「アクティブ・リスニング」です。

本コラムでは、「アクティブ・リスニング」の重要性というお話からスタートし、営業シーンでの活用についてもお伝えします。

 

目次

1. アクティブ・リスニングの重要性

アクティブ・リスニングの意味を考える前に、「傾聴」という日本語の意味を考えてみましょう。

私たち株式会社アルヴァスデザインの営業研修の中で、「傾聴とは何ですか?」という質問を投げかけることがあります。

  • 目を見て聞くこと
  • 話を最後まで聞くこと
  • 共感姿勢を示して聞くこと

など、さまざまな回答がかえってきます。

これらのどれも正解と言えるでしょう。ただ、私たちはある疑問を抱かずにはいられません。

それは、「これだけ営業パーソンにとって傾聴が大切という事実があるにも関わらず、傾聴という定義がバラバラであるのはなぜか?そして、傾聴の正しい定義とは何だろう?」ということです。

皆さんは、「傾聴」をどのように説明しますか?

私たちは、「傾聴」とはアクティブ・リスニングに他ならず、「ただ聞くだけではなく積極的なアクション」と解釈しています。

本書においても、アクティブ・リスニングとは受け身ではなく積極的なアクションの1つと捉えていると私は理解しました。

言い換えると、対話のイニシアティブは話し手ではなく聞き手が握っていると言えるかもしれません。

このような意味で、アクティブ・リスニングとは営業のみならず全てのビジネスパーソンにとって有益なスキルです。

いいえ、それ以上に「人と接する際の心掛け」や「人としてのあり方」を説いているとも言えるのではないでしょうか。

つまり、アクティブ・リスニングを身に付けることは、ビジネスパーソンにとって必須であると断言できるでしょう。

2. プレゼンでは聞き手が最も重要である

皆さんにとって、プレゼンテーション(以下、プレゼン)の場はビジネスの日常の1つと言えるでしょう。では、プレゼンの聞き手の立場を想定してみましょう。

皆さんは、どのようなスタンスでプレゼンを聞きますか?

きっと、プレゼンを聞く立場の皆さんは、そのプレゼンの良し悪しを評価する役割を担っていることでしょう。

そうなると、自ずから「プレゼンの聞き手=評価者」という方程式が成り立ちます。これは、「聞き手=受け身」とも言い換えることができそうです。

ただ、それは本当に正しいスタンスと言えるでしょうか。

昨今では、多くの企業が「協創」や「共創」、またはパートナー企業とのリレーションを重要度の高い言葉として掲げ、お客様と自社の垣根をなくしたビジネス・コミュニティの構築を目指しています。

このようなビジョンを掲げている企業として、「プレゼンを聞く=受け身」という概念はもはや時代遅れであるように感じます。

正しくは、先ほどの「アクティブ・リスニングとは積極的なアクションである」という考えに基づくと、プレゼンの聞き手が話し手の良さを引き出し、その場を共に価値を創造する場に仕立て上げなければならないのです。

3. 営業の担い手は二人いる

営業シーンの担い手、言い換えると「主人公」は、誰でしょう。

この問いに対して、99%の人が営業パーソンと答えると思います。

これまでは、そうであった…と言って間違いないでしょう。

ただ、営業の場をより良いものにしていく担い手は、営業パーソンだけではありません。言い換えると、営業を受けるお客様こそが営業の場をより良いものにするために積極的なアクションをしなければならないのです。

営業を価値あるものにするためには、聞き手の存在が大変重要です。

繰り返しますが、営業の場とは未来を創造する営みの中心であり、そこに関連する人たちが喧々諤々と議論し合い、価値を生み出す原点にもなり得ると言えるでしょう。

これはまさに、私たちのビジョンである「営業する/されるが楽しい世の中を実現すること」が実現された場とも言えるのです。

4. おわりに

いかがでしたでしょうか。

本日は、「アクティブ・リスニング」をテーマに営業シーンを考えてみました。

私たち営業パーソンはモノを売るという仕事から、コトを売る仕事へと転換しました。そして今、コトを売る仕事からも脱却を求められていると思います。

私は、営業の場で「イミを創造しなければならない」と考えています。それは、営業の場を参加者全員で価値あるものにするために共通のビジョンを見て、共に伴走することです。

これは、まさに私たちが目指すインサイトセールスの実践に他なりません。(インサイトセールスが気になる方はこちら。)
>インサイトセールスとは新時代の営業スタイル これを知るだけで営業が一気に楽しくなる。

皆さんのお仕事にとって、少しでも良い気づきや学びがあれば大変嬉しく思います。

 

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営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

高橋 研

代表取締役 CVO
早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
2013年株式会社アルヴァスデザイン設立。2018年「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」出版。

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