ALVAS JOURNAL

覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰(池田貴将著 2013年 サンクチュアリ出版)~吉田松陰が残した言葉から見る仕事の在り方〜

こんにちは。松本です。
今回は、サンクチュアリ出版から発売されている「覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰」を紹介してまいります。

皆さん、吉田松陰という幕末の教育者をご存知でしょうか?
わずか30歳でこの世を去ってしまうのですが、その生涯は「猪突猛進の三十年」と表現されています。

また、江戸時代末期には長州藩(現在の山口県)で私塾「松下村塾」を主宰し、多くの優秀な人材を育成した教育者として知られています。
その門下生には

  • 高杉 晋作
  • 久坂 玄瑞
  • 伊藤 博文(後の初代内閣総理大臣)
  • 山県 有朋(後の内閣総理大臣)

等々、倒幕運動や明治維新で重要な役割を果たした者も多くおりました。

吉田松陰の教育者としての活動期間は短かったものの(わずか2年余り)、その影響力は極めて大きく、松下村塾は日本の近代化に貢献した人材を多く輩出した「奇跡の私塾」として、現在も高く評価されています。

今回は、激動の時代に教鞭を取り、激しい思想を抱え亡くなっていった吉田松陰が残した数々の言葉をまとめた1冊から、各章ごとに1節ずつ紹介していこうと思います。
本コラムでは、第1章から第3章をご紹介します。

 

目次

    1. 心(MIND)逆境に礼を言う

    「鉄は何度も暑い火の中に入れられて、何度も固い金槌で叩かれて、初めて名剣に仕上がります。
    素晴らしい人生の送り方もよく似ています。何度も繰り返される極めて不都合で、ありがたくない経験の数々が、旅路を美しく輝かせてくれるのです。」
    池田貴将.覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰.十三版.サンクチュアリ出版.2013.245p.P37

    逆境に対し、お礼を言うというのはなかなか難しいことだと思います。逆境の中というのは、どうしても不平不満や愚痴文句が出てきてしまうものです。
    なぜ自分が…という気持ちになることもきっとあるでしょう。

    しかし、逆境を乗り越えた時、自分自身は絶対的に成長しているはずです。逆境を経験したからこそ得られる人間性や価値観もきっとあるでしょう。
    吉田松陰が残した言葉は、自分を成長させてくれる(名剣にしてくれる)逆境の環境に感謝しなさいということなのだと思います。

    これは、弊社、アルヴァスデザイン代表取締役CVOの高橋さんのマインドにも通ずることもあるかと思います。
    高橋さんも、どんな仕事でもポジティブに「学ぶ機会をくれてありがとう」という気持ちで受けるとおっしゃっていました。
    ポジティブな気持ちで受け取れば、言動もポジティブなものになり、その仕事に対する姿勢もポジティブなものになるという考えのもとです。

    上記の文脈では「いかに嫌な仕事でも楽しくするか」という点に焦点が当たっていますが、本質としては同じだと感じており、その結果の言動が自分の人生の旅路を美しくしてくれるのだと思います。

    2.士(LEADERSHIP)人に影響を与えられる人

    「他人への影響力は自分への影響力に比例します。
    他人の考え方を変えたいと思うならば、まず自分の考え方を変えてみることです。」
    池田貴将.覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰.十三版.サンクチュアリ出版.2013. 245p.P100

    この考え方は現代でいう、インサイド・アウトの原則を表現されています。
    インサイド・アウトの考え方は、他人や環境を変えようとするのではなく、まず自分自身から変化を起こし、それが外部へ波及していくという考え方です。

    自分が変わることで、周囲の人々に影響を与え、さらにその影響が広がっていきます。周囲の環境が変わるということは結果的に自分の環境に大きな変化をもたらし、その環境は新たに自分へと影響することになるでしょう。
    このように、自分が変わることで他人に与える影響が巡り巡って自分自身へも影響してくるようになります。

    例えば、仕事上で苦手な人がいる場合、その人に対する態度に苦手という気持ちがにじみ出てしまう場合もあります。そうしたらきっと相手もその感情をくみ取り、よりお互い仕事がしづらくなる環境が生まれます。
    ですが、なぜその人が苦手なのか、苦手な理由は何なのか、苦手な部分をポジティブに捉えたらどんな人なのか…。
    自分の中でその人の見方を変えれば、それはきっと自分の態度や行動にも影響を与え、より働きやすい人間関係や環境が出来上がる結果に繋がります。

    その影響が良いものなのか、悪いものなのか。
    その善し悪しも自分から発信する影響に比例してくるものでしょう。

    他人から受ける影響というのは、自らの思考、感情、行動、さらには人生の決定にまで及ぶことがあります。
    そんな大きな影響を与える側でありたいとそう思います。

    3. 志(VISION)いけるときは今しかない

    「出し惜しみしないでください。
    『いざとなったらできる』というのは、ふだんからチャレンジを繰り返している人だけが言えるセリフですよ。」
    池田貴将.覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰.十三版.サンクチュアリ出版.2013. 245p.P124

    チャンスを逃さず、今すぐ行動することの大切さを説いている言葉です。
    『いざとなったらできる』というのはチャレンジをしない理由にはなりえません。
    『いざとなったらできる』から今はやらない…というのは、逃げるための言い訳にしかなっていないのです。

    絶好の機会や最高の状況は待ってくれません。
    これはもちろん仕事にも通ずるところです。即時性を求められる状況の中で、「いざとなったらできる」と思って行動してこなかった人が、躊躇せずに行動できるでしょうか?
    チャレンジを始めるのには、勇気がいります。
    日頃からチャレンジをし続けるのは、努力と準備がいります。
    ですが、そういった環境の中でチャレンジし続けた人が、絶好のタイミングで最適な対応を行うことができるのでしょう。

    現代は、技術や社会情勢が急速に変化しています。
    そんな変化の速い世界に置いて行かれないためにも、出し惜しみせず、チャレンジし続けることが大事なのです。

    4. おわりに

    いかがでしたでしょうか?

    激動の時代を生きた人の言葉には重みがありますね。

    今回は6章に分けられたもののうち、心、士、志の3つの章から厳選してお届けしました。
    次回は残りの3章からまた厳選してお届けできればと思います。

    本書は吉田松陰の残した言葉が1ページに1つずつ掲載されている書籍なのでビジネス書初心者の方でもとても読みやすい形式になっています。
    是非お手に取って読んでみていただければ幸いです。

    本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒覚悟の磨き方

    〇トップセールスの本棚とは?
    【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
    営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
    ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

    松本 有加里

    群馬県出身。
    大学卒業後、人材派遣会社で営業→事務と経験し2024年9月からアルヴァスデザインに入社。
    趣味はアニメ・映画鑑賞。世界で一番嫌いなものは虫。

    RELATED ARTICLES よく読まれている記事

    営業の本質が問われる
    時代の到来。
    熱い気持ちを輸送経済新聞
    「いま、生き残るための営業術(全12回)」で表現しました。