ALVAS JOURNAL

プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動(佐々木 直彦著 2008年 日本能率協会マネジメントセンター社)~プロデュース能力が変えてくれた人生〜

こんにちは。荻原です。
本日のトップセールスの本棚は、インタビュー形式でお届けします。インタビューに答えてくださったのは、代表取締役CVOの高橋さんです。

営業に役立つ一冊として「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」をご紹介頂きました!

本書から学んだ営業の核心や、価値観に変化を与えた具体的なエピソードについて高橋さんに詳しくお話を伺います。

是非、ご一読ください。

 

目次

    1. 高橋さんが推薦する書籍「プロデュース能力」の魅力とは?


    荻原:本日は、よろしくお願いします。高橋さんの人生にインパクトを与えた書籍について、詳しくお聞かせください。

    高橋さん:はい、よろしくお願いします。私が強く印象に残っているのは『プロデュース能力』という書籍です。著者は佐々木直彦先生です。

    この本は、多くの人を巻き込んで新しいことに取り組み、現状を変えてビジョンの実現に向かっていくためのシナリオや影響力の与え方が体系的に書かれています。単なる現状の問題解決ではなく、ありたい姿を実現するためのストーリーテリングが詳しく解説されているのが特徴です。

    本書にはさまざまなエピソードが盛り込まれており、読者の内省を深めるきっかけにもなっています。私自身、この本を通じて自分の価値観や仕事に対する考え方を見つめ直すことができましたので、本書に出会えて本当に良かったと思えています。

    荻原:高橋さんの人生に多大なインパクトを与えていたんですね。本書がどのように高橋さんの考え方を変えたのか、さらに詳しく伺いたいです。

    2. 書籍「プロデュース能力」と出会ったきっかけは?


    高橋さん:本書との出会いは、実は、創業前にある会社から「キャリア研修」と「リーダーシップ研修」の講師をご依頼頂いたのがきっかけです。それまで営業研修やプロジェクトマネジメントの講師経験はあったのですが、キャリアやリーダーシップについては深く学んだことがありませんでした。

    そこで、私は会社のプログラムを理解するだけでなく、自分なりにキャリア開発やリーダーシップ開発について学び、自分の言葉で語れるようになりたいと思いました。関連する書籍をAmazonで片っ端から検索して購入し、読み漁った中で、特に心に深く刻まれたのがこの『プロデュース能力』です。

    荻原:そんな経緯があったのですね。研修の講師としての準備に、そこまで尽力されたとは驚きです。

    高橋:ありがとうございます。この本との出会いは、私の営業に対する考え方を大きく変えました。それまでの「お客様の課題を解決する」という視点から、「ビジョンの実現に向けて多くの人を巻き込み、新しい価値を創造する」というプロデューサー的な視点へと移行したんです。

    荻原:なるほど、書籍との出会いが大きな転機になったんですね。

    高橋さん:そうなんです。本書では、プロデュース能力を構成する4つの要素が紹介されています。それは、「現状を変える」「ビジョンの実現に向けて進む」「多くの人を巻き込む」「新しいことをやる、新しい何かを作り出す」というものです。

    これらの要素は、私が理想とする営業の姿と完全に一致していました。単に製品やサービスを売るのではなく、お客様と共に新しい価値を創造し、より大きな視点でビジネスを展開していく。そんなプロデューサー的な営業の在り方に強く共感したんです。

    3. 書籍「プロデュース能力」の中での印象的なエピソードは?


    高橋さん:食品の粉を売る営業パーソンのエピソードが非常に印象的でした。この営業パーソンは温泉が大好きで、お気に入りの温泉街の衰退を憂いていました。

    そこで彼は、単に自社製品である「粉」を売るのではなく、「温泉街全体の活性化に貢献する」という大きなビジョンを持って『うどん粉』の営業活動を行ったんです。具体的には、その土地の素材を使ったうどん料理を名物料理にし、多くの家族連れを呼び込むことで、世代を超えて愛される温泉街を作り上げる構想を描いたのです。

    彼は、「このうどん料理を食べた子供たちが大人になった時、また自分の子供を連れてくるような、そんな温泉街を作りましょう」と提案しました。これは、単なる製品販売を超えて、お客様と共に新しい価値を創造していく姿勢を表しています。

    荻原:一般的な営業とは全く違うアプローチですね。自社製品の販売を超えて、お客様と共に価値を創り出す姿勢がとても印象的です。

    高橋さん:まさにその通りです。このエピソードは、プロデューサー的な営業のエッセンスを表していると思います。目の前の売上だけでなく、お客様の長期的なビジョンを共に描き、それを実現するためのパートナーとなる。そんな営業の在り方に私は強く惹かれました。

    荻原:他に印象に残っている内容はありますか?

    高橋さん:本書では価値観が育まれる要因として3つの項目が挙げられています。1つ目は「人との出会いや接点」、2つ目は「メディアからの情報」、そして3つ目が「自身の体験」です。

    例えば、「人との出会い」では、偶然出会った尊敬する人物から影響を受けて人生の方向性が変わるケースが挙げられています。
    「メディアからの情報」では、災害報道を見て被災地支援に人生をかける決意をする人の例があります。
    そして「自身の体験」では、実際に何かに打ち込んだり、苦労したり、喜びを感じたりする中で価値観が形成されていくという内容が書かれています。
    このように、価値観は外部環境からの影響を受けて醸成されるものであるということが、細かく言語化されています。これらの要因を理解することで、自分自身の価値観の形成過程を振り返ることができ、同時に他者の価値観を理解する上でも役立ちます。

    当時の私にとって、この価値観の言語化は非常に関心のあるトピックでした。そのため、この部分は特に印象深く残っています。価値観の形成プロセスを体系的に理解できたことは、自己理解や他者理解を深める上で大きな助けになりました。

    4. 書籍「プロデュース能力」を読んだことで、高橋さんの仕事に対する姿勢はどのように変わりましたか?


    高橋さん:大きく変わりました。この本を通じて、自分の価値観と職種を合わせられるようになり、仕事に対する見方が一変しました。

    多くの人を巻き込んで大きな仕事をすることで、より大きな貢献ができる。そして、その仕事が多くの人の記憶に残っていく。それこそが仕事の本当の価値だと気づかされました。

    以前は「営業」という枠の中で考えていましたが、今では「プロデューサー」としての役割を意識しています。お客様と共にビジョンを描き、それを実現するために様々な人を巻き込んでいく。そんな仕事の仕方に魅力を感じるようになりました。

    荻原:なるほど、弊社の「営業職」のメンバーを「プロデューサー」と命名しているのもそこに原点があるんですね。

    5. 最後に、書籍「プロデュース能力」はどのような人におすすめですか?


    高橋さん:主に営業が楽しくないと思っている人や、営業活動に行き詰まりを感じている人におすすめです。特に、数字に追われいる、または、受け身の仕事が多くなってしまっている人に読んでほしいですね。

    この本を読むことで、自分の価値観に合わせて仕事を捉え直すことができ、より大きな視点で営業活動を行えるようになると思います。忙しさに追われるのではなく、寝る時間が惜しいくらい没頭できるような、やりがいのある仕事の見つけ方が学べるはずです。

    また、この本の考え方は営業職に限らず、様々な職種の人にも適用できると思います。多くの人を巻き込んで新しい価値を創造していくという姿勢は、どんな仕事にも活かせるはずです。

    荻原:ありがとうございました。高橋さんの熱い思いがとても伝わってきました。何より、「プロデューサー的な視点が営業を変える」という考え方が、非常に印象深かったです。そして、この本を通じて、多くの人が仕事に対する新しい視点を得られ、自ら楽しめる営業活動が実現するのではないかと感じさせられました。今日はとても興味深いお話をありがとうございました。

    本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒プロデュース能力

    〇トップセールスの本棚とは?
    【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
    営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
    ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

    荻原エデル

    社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
    趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。

    高橋 研

    代表取締役 CVO
    早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
    その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
    2013年株式会社アルヴァスデザイン設立。2018年「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」出版。

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