NEW SALES 新時代の営業に必要な7つの原則(麻野耕司著 2022年 ダイヤモンド社)〜新時代の営業スタイルが成果を最大化させる〜
こんにちは。岩脇です。
今回は、株式会社ナレッジワークCEOの麻野耕司氏の著書、「NEW SALES 新時代の営業に必要な7つの原則」についてお届けします。
今回、営業に携わる方にぜひ読んでもらいたいと思い、こちらの本を選びました。
営業の経験が3年以上あれば、何かしら自身の考え方やスタイルを持って日々活動されているという方がほとんどかと思います。それらが古いものになっていたり、今の時代を生き抜くために必要なアップデートができていなかったり、そのような心配はないでしょうか?
時代にあっていない古い価値観による営業活動は、お客様を幸せにすることができず、競合他社にも後れを取り、営業パーソンとしても営業組織としても衰退していくことになります。
本書の中では「OLD SALES」と「NEW SALES」を対比させて、営業に対する古い価値観が今ではどのように変わってきているのか、そのパラダイムチェンジがわかりやすく解説されています。具体的な事例も多く掲載されていてとても読みやすい一冊となっています。
営業に携わる仕事をされている方は、ご自身が新しい価値観にシフトできているのかを確認する意味でもぜひおすすめです。
目次
1. 『NEW SALES』を提唱する麻野耕司氏の軌跡
麻野耕司氏はメディアでの露出も多い方なのでご存じの方も多いかもしれませんが、簡単に経歴をご紹介します。
大学卒業後、株式会社リンクアンドモチベーションに入社され、2010年には中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング部門の執行役員に最年少(当時)で着任されました。気鋭のコンサルタントとして、成長企業の組織変革を手掛け、その後2020年には株式会社ナレッジワークを創業。今や営業パーソンの未来を変える実践的な知見で注目を集めるビジネスリーダーです。
本書の中では「OLD SALES」と「NEW SALES」を対比させて紹介しています。
OLD SALES = 古い売り方、時代遅れの価値観
NEW SALES = 新しい売り方、これからの時代を生き抜くための考え方
麻野氏は多くの企業の組織変革を支援してきたこれまでの経験から、このOLD SALESから脱却できない組織をたくさん見てきたのだと思います。私はOLD SALESの具体例がリアルすぎてドキッとさせられた部分が何か所かありました。
NEW SALESについても、学術的なとらえ方というよりは、麻野氏の経験にも基づいた解説が中心となっているので、イメージがしやすく、試しに取り入れてみようかなと思わせてくれるような内容になっています。
では、具体的に私が印象に残ったテーマを見ていきましょう。
2. 「背中を見せて育てる」は時代遅れ!?
本書では「OLD SALES」と「NEW SALES」を7つ紹介し、大きなテーマとして扱っています。その中で特に私が印象的だった1つのテーマが、
「できる上司は背中で教えるものだ。」
です。
上記のように言われると、40代の私は過去に背中で教えてくれた上司や先輩が数人頭に浮かびます。
私自身、上司や先輩の行動をよく観察して盗むといったことを若い時ほどよく意識してやっていました。
本書ではこれをまさに「OLD SALES」と定義しています。
(私がドキッとさせられた場面の1つです。)
一昔前のできる上司は、会社の成果に大きく貢献し、その姿を部下に見せる。手取り足取り教えるのではなく、武勇伝を語り刺激を与え、確立した自身のスタイルを背中で見せて伝える…といったタイプの人が多かったように思います。
こうした営業組織の引っ張り方が悪いわけではありません。その時代にはそれで良かったけれども、今は変わってきているということです。
ではどう変わってきているのか、ここで対比される「NEW SALES」は何かというと、「チーム全体で、知識を武器に戦うシェア営業」です。
シェア営業とは、「それまでの属人的に取り組まれてきた営業活動から脱し、資料やノウハウを共有することで再現性の高いチームへと変革していくこと」と書かれています。
成果の再現性を高めてチーム全体で結果を出す組織になることがNEW SALESの形なのです。
このシェア営業の実現には以下2つのナレッジの共有が重要になります。
- 営業コンテンツ: 商品紹介資料、お客様導入事例、競合比較表など、お客様向けの資料や動画。商談の状況に応じて最適なものを提供する。
- 営業ノウハウ: 模擬商談動画やよくある質問集、成功事例の分析など、社内向け資料。個々の営業スキルを向上させる仕組みとして活用する。
属人的な営業スタイルから脱却し、再現性の高い成果を生み出す『シェア営業』。これを実現するために不可欠な考え方と仕組みが、本書のキーワードである『セールスイネーブルメント』です。
3. キーワードは「セールスイネーブルメント」
「セールスイネーブルメント」とは直訳すると「営業ができるようになる」ということで、誰でも売れる営業パーソンになるための強化メソッドです。セールスイネーブルメントの中核となるのが、前述の「シェア営業」です。
そもそも営業職は20代のビジネスパーソンにとって最も不人気な職種の1つと言われています。その根本的な原因は営業という仕事がうまくできないことにあります。世の中にはうまく営業の仕事を進められず一人で悩み、苦しんでいる営業パーソンがたくさんいます。
しかし、セールスイネーブルメントを用い、NEW SALESへと変革することによって、そういった営業パーソンの多くが救われます。
お客様から感謝される喜び、商品を提供できる嬉しさ、目標達成の楽しさ、そういった今まで味わうことのできなかった営業職の本当の面白さを味わうことができます。
4. おわりに~営業が楽しくなる!~
いかがでしたでしょうか?
冒頭にも書いたように、本書は営業に対する価値観をアップデートすることができる一冊となっています。
私はこの本を読んで、今まで以上に多くのお客様に幸せを届けられそうだなと感じました。もちろん営業に対する価値観をアップデートすることによって長期的に営業成績は上がると思います。
ですがそれよりも、お客様に深く入り込んで、お客様の役に立てているという実感を持ちながら仕事ができるようになるので、シンプルに営業が楽しくなる人が増えるのではないかと思います。
営業職として、わくわくしながら働きたいと思われる方はぜひ読んでみてください。
そして、本書を読んで、まずは自分の営業スタイルを見直してみてください。チームで成果を最大化するために、『セールスイネーブルメント』の考え方を一部でも取り入れてみることをおすすめします。
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【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
岩脇泳喜
石川県出身。
前職では大手医療系人材会社にて、新規事業である健康経営事業の営業責任者として従事し、後発の事業ながら2024年には業界No.1の顧客数を達成。その後アルヴァスデザインに入社。
20代まではポンコツ営業パーソンだったため、そこからの成長角度は誰にも負けない自信あり。
二児のパパで、野球好き。DeNAファンで、年に3、4回は横浜スタジアムに応援に行っている。