<トップセールスの本棚>「仕事ができる」とはどういうことか? (楠木建著 山口周著 宝島社新書 2021年)~センスとスキルの未来~
こんにちは。松下です。
本日の「トップセールスの本棚」では、山口周さんと楠木建さんによる対談本『「仕事ができる」とはどういうことか?』をご紹介します。
本書は、2021年に出版されて以来、多くのビジネスパーソンに影響を与えてきた一冊です。4年が経過した2025年の今、改めて読み返してみても新たな気づきや刺激を得られる内容となっています。
そんな書籍から特にビジネスパーソンに気付きのある内容をピックアップしてお伝えします。
目次
1. 仕事ができるとは?~スキルとセンスのバランス~
山口さんと楠木さんの対談を通じて「仕事ができる」とはどういうことかを紐解いていくと、「スキル」と「センス」のバランスが重要であることが浮き彫りになります。
お二人は、仕事ができる人を考える際、「センス対スキル」の視点を持つと分かりやすいと述べています。
• スキル:言語能力やプレゼンテーション力など、結果が明確に測れる技術。
• センス:「美意識」や「直感」のように、測定不可能な感覚的な力。
これまでの時代では、「問題の量」が「解決策の量」を上回っていたため、スキルだけでも十分に成果を上げることが可能でした。しかし、現在は情報過多の時代です。解決策が溢れている中で、どんな提案をしていくか、何を取捨選択していくのか「センス」が求められるようになっています。
さらに、仕事は単なる「役に立つ」という事だけでなく、「いかに意味があるか」にシフトしてきています。この「意味」を考え抜き、その世界観を提示できることが、これからの仕事において重要な要素となるのです。
そして、この「役に立つ」はスキル、「意味があるか」はセンスで言い表すことができます。今の時代において「センス」がより求められていることを提言しています。
2. 現代の働き方に潜む問題
現代の働き方にはどのような課題があるのでしょうか?
本書では、次の2つの視点が示されています。
・短期的な成果主義の問題
楠木さんは、短期的な成果主義が多くの人材を疲弊させ、組織全体の成長を妨げていると述べています。短期的な成果主義は、数字や目先の結果だけを重視するあまり、社員が挑戦や創造性を発揮する余地を失わせることがあります。その結果、社員の疲弊やモチベーション低下だけでなく、組織全体の成長が停滞する原因となります。
・「仕事をしているように見える活動」による消耗
山口さんは、多くの人が「本質的な仕事」に時間を割くのではなく、「仕事をしているように見える活動」に多くの時間を費やしている現状を問題視しています。これを解決するには、業務の優先順位を見直し、本当に重要なことに集中することが必要です。
いかがでしょうか?
日々の業務に追われていると、つい目の前のことに集中しすぎてしまい、大切なことを見落としがちになることもあるかもしれません。
私自身もそう感じることがありますが、そんなときこそ、一度立ち止まり、自分の働き方を振り返る時間を持つことが、心や仕事に余裕をもたらしてくれるのではないでしょうか。
3. 仕事を「遊び」に変える×「シンプルな仕事」のマインド
最後に、本書の中で「これからの時代の働き方」のヒントとなりそうな内容を見ていきましょう。
山口さんは、仕事を「遊び」に変えることの重要性を述べています。
データや情報だけからは分からない「人間性の洞察」こそがセンスに繋がるとしています。
仕事を単なる義務や負担として捉えるのではなく、自分の創造性を発揮し、洞察を通じて紐解いていくと、仕事そのものが変わります。
例えば、「お客様により価値を届ける方法は何か?」「誰も気づいていない問題は何か?」といった「問い」を楽しみながら追求することで、これまでとは異なる発想が生まれるのではないでしょうか。
楠木さんは、「仕事は人生の一部であり、すべてではない」と認識することが重要だと述べています。
仕事に全てを注ぎ込むのではなく、人生全体のバランスを意識することで、かえって効率的で充実感のある働き方が実現できるという提言です。
私は、上記の提言から、「無駄な仕事を見極め、本当に重要なことに集中する」というシンプルな働き方が大切である…と読み解きました。
確かに、昨今であればChatGPTやタスク管理ツールなどAIの力を借りることが可能な時代になっています。それらの力で業務を効率化し、頭の中の迷いを取り除くことで、余裕が生まれます。この余裕は、新しい発想や挑戦のきっかけを生む土壌にもなるのではないでしょうか。その結果、遊び心を持った働き方を可能にするというサイクルが生まれそうです。
4. 仕事を楽しむ新しい視点
いかがでしたでしょうか?
私自身も、本書に触れて「遊び心」と「シンプルな働き方」を意識することで、仕事への向き合い方や味わいが大きく変わりました。
ただこなすのではなく、経験を通じて意識的に学びを得ることで、一歩前進する感覚を得られるようになったと感じています。
本書は、ビジネスパーソンにとって新たな視点やヒントを与えてくれる一冊です。今回のコラムでは書ききれなかった内容も多くあります。
特に、「センス」とは何か?「センス」を磨くために必要なこととは?といった内容について、より深く書かれています。
興味を持たれた方は、ぜひ手に取ってみてください!
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【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
keiko matsushita
株式会社アルヴァスデザイン・マーケティング担当。
大学卒業後、大手電機メーカーでシステム営業を経験。
2014年よりアルヴァスデザインへ参画。
旅と犬をこよなく愛する1児の母。