ドラッカー・スクールで学んだ本当のマネジメント(藤田勝利著 2021年 日経BP社)~マネジメントの本質を学ぶ〜
こんにちは。結城です。
本日は、弊社マネジメント研修の監修を務めてくださっているパートナーであり、ピーター・ドラッカーから直接教えを受けた藤田勝利氏による著書『ドラッカー・スクールで学んだ本当のマネジメント』をご紹介します。
目次
1. 「強み」に注目することの重要性
私が本書で最も印象に残ったのは、「強み」に目を向けるという考え方です。
マネージャーにおいて大切なのは「強み」に注目する考え方だということが、本書の始まりから終わりまで、一貫して言及されています。
また、昨今、仕事において自分の強みを発揮できていると実感する時間が長ければ長いほど仕事へのやりがいが高まることが研究されています。
>参考
つまり、強みの発揮こそが人の持つ能力とパフォーマンスを発揮させ、組織の生産性を高める条件になるのです。
誰しも、自分自身が生かされていると感じなければ、真の挑戦意欲やリーダーシップは生まれません。
自分自身という資源を活かせていると実感することで、主体的に自分の意志や責任意識を自らの言葉で発信できる活力が生まれてくるのです。
この感覚は、「心理的安全性」や「自己肯定感」とのかかわりも深いように感じました。
自身の強みを知り、自分の価値観や考え方に自信が持てるからこそ、周りに受け止めてくれる環境があると安心できるからこそ、新しい何かに挑戦しようと周りを巻き込んで動き出すことができるのではないでしょうか。
今までの自身が所属してきたチームを振り返ったときにも、チームとして最大限のパフォーマンスを発揮できたと思う瞬間には、「互いの強みに着目する文化」があったと感じます。
チームの中で「強みに着目する文化」が醸成されていれば、互いの意見の良い部分に着目することができ、それぞれの考え方や想いが異なっていたとしても、互いの価値観や強みの持つ良さが重なり合う部分を見つけ、新たな「強み」としてそこを起点に動き出していけるのではないかと思います。
2. 「コミュニケーション」という言葉の定義を考え直す
「強み」に着目するという文化形成において欠かせないのが、「コミュニケーションが取れている状態」であり、そのために「対話」が重要であると、本書では挙げられています。
聞きなれている言葉のように思われがちですが、「顔を直接合わせること」「挨拶をしっかりすること」など、「コミュニケーションが取れている状態」ということの解釈は、実は人によって様々です。
著者は数々のマネージャーとのかかわりの中で、「コミュニケーションは意思疎通である」という定義にたどり着きました。
私たちが「コミュニケーションができているかどうか」を知りたいときは、そこを一歩掘り下げ、「"意思疎通"ができているかどうか?」を問うべきなのです。
たとえば、1on1の場面でも“報告”を受けるだけではなく、“相手の納得度”や“背景にある価値観”に耳を傾けることが、本当の意味での意思疎通につながります。
自身を振り返ってみても、家族や学生時代からの親友などと離れて住むようになった最近は、相手の価値観が変化していると感じることが多々あります。
本書の中で、「コミュニケーションが取れている」という状態を「相手の考え方や価値観を今でもわかっているか」ということに定義づけられたことで、これまで曖昧だった“言葉の本質”が、自分の中でよりはっきりとした輪郭を持ち始めたように感じました。
3. おわりに
いかがでしたでしょうか?
本書は、営業担当者、マネージャーはもちろん、すべての働く人に読んでいただきたい一冊です。
本書はドラッカーのマネジメントについての書籍ですが、そのメッセージは「働くことの喜びを見出すヒント」に満ち溢れていると感じます。
また、私たち人間は生きている限り何らかの組織に属しています。
どんな組織においても、「コミュニケーションが取れている」ということは理想的な状態です。
自身の強みに目を向けられること、他者の強みに目を向ける習慣がつくことは、毎日の生活の鮮やかさが劇的に変化することだと言えるでしょう。
まだ本書と巡り会っていなかった私のような皆様に、ぜひ本書との出逢いを楽しんでいただけたら幸いです。
本日ご紹介した本はこちら:ドラッカー・スクールで学んだ本当のマネジメント
【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
結城 香織
埼玉県生まれ埼玉県育ち(本籍は福井県)
営業の力で、「笑顔」と「明るい未来」のあふれる社会に貢献していきたいという思いから、アルヴァスデザインの企業理念に共感し2025年4月に入社。 趣味はサウナ、家の片づけ、四季のお花を飾ること。