ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング(赤羽雄二著 2013年 ダイヤモンド社)即座に動く営業組織を創るために
こんにちは、増田です。
本日のトップセールスの本棚では、「ゼロ秒思考」をご紹介します。
著者の赤羽雄二氏は、マッキンゼーで14年間活躍し、「誰でも、確実に頭が良くなる方法がある」とおっしゃっています。
その方法が、まさに「衝撃」です。実は、「紙とペン」があれば、今すぐ誰でも思考力を上げる方法があったのです。
今日は、そんな「究極の思考法=ゼロ秒思考」についてまとめられた一冊をご紹介します。
1. ゼロ秒思考とは?
「ゼロ秒思考」とは、
瞬時に現状を把握し、課題を整理し、解決策を考え、どう動くべきか意思決定できる思考法
です。
モヤモヤとした気持ちをその場で言葉にすることにより、考えを深められるようになります。考えを深められるようになると、考えが前に進むだけではなく、どんどんスピードアップしていいきます。3~4日間かけて考えていたことが数時間でできるようになり、生産性は数倍~数十倍に上がります。
そして、この思考法が身につくと、思考の質も上がります。
例えば、
・課題が整理される
・問題点の本質が見える
・本質的な解決策とそのオプションが浮かぶ
・オプションのメリット・デメリットが即座に浮かぶ
・問題の本質と全体像を押さえた確実な対策が打てる
などです。
このように、思考の「スピード」と「質」、双方の到達点が「ゼロ秒思考」なのです。
2. なぜ、「できる人」は即断即決するのか
仕事ができる人、優れた経営者は即断即決し、すぐに行動にうつすことが多いそうです。そして多くの場合、決断の方向性も間違っていません。
なぜこのようなことが可能なのか?
本書によると、その要因は「ずば抜けて頭がいいから」ではなく「ゼロ秒思考」が実践できているからだそうです。
では、「ゼロ秒思考」が実践できる状態とは、どのような状態でしょうか。
それは、いつでもアクセルを踏み込むことができるような状態を、予め作っておくということです。
例えば、あなたがフランチャイズレストランのオーナーだとします。新しい店舗を出店するかどうかを決める際、どのような行動をしますか?
・新しい店舗の立地を確認する
・新しい店舗の見込客を調査する
・専門家に意見を集う
など、やることが数多くあります。
これらの事柄を、今から実施する場合と、常にこれらの事柄に頭を巡らせて情報収集をしていた場合では、どちらの方が決定に至るまでの時間が短いでしょうか。
言わずもがなですが、後者になります。
これは、極端な具体例ですが、「できる人」ほど、普段から即断即決できるポイントは普段からその問題について考え続けているそうです。もちろん、その為の必要な情報収集も怠りません。
常に感度が高く、アンテナが強力に立っています。その分野の専門家とのネットワークを持ち、信頼できる相談役が何人もいます。
最善のシナリオ、最悪のシナリオも常に考えています。
こういった臨戦状態にいつもいるので、何が起きても驚かない、慎重でいながら正確、かつ電光石火で決断するということが十分にできます。
3. 即断即決のメリット
即断即決という言葉の意味は誰でもわかることですが、そのメリットは必ずしも正しく認識されておりません。
例えば、即断即決のメリットは、下記のようなことがあります。
- 先手を打てる
- PDCAをより多く回せるので、試行錯誤が可能
- 仕事が格段に速くなる
など・・・
これらのメリットが実施されることで、「このリーダーは決断してくれる人だ!」という声が部下からもあがり、結果として「信頼に足るリーダー」という位置づけを獲得でき、組織の意思決定スピードも高まる傾向にあります。
しかし、即断即決には反対意見もあります。例えば、仕事を速くすることで、質が落ちるのではないかとという声です。
確かに、即断即決をすることで、ミスをまねくこともあるでしょう。しかし、仕事が速ければPDCAをより多く回すことができ、仕込みができるため、結果として「質」はむしろ向上します。
逆に、VUCA時代といわれるほど変化の激しい現代では、優柔不断なままだとビジネスチャンスを逃しやすいというデメリットが存在します。
ビジネスをする以上、「慎重」に議論し進めていくという姿勢も大切ですが、それにより機会を失うリスクのほう高いこともあります。
変化の激しい現代では、小さな失敗をする度に改善を繰り返し、最終的に質の高いものを創り出す「ゼロ秒思考」が重宝されるのです。
4. ゼロ秒思考を鍛える方法とは?
本書で紹介されている「ゼロ秒思考」を身につける最短・最良の方法が「A4メモ書き」です。
メモ書きの要点をまとめてみます。
・メモはすべてA4コピーの裏紙に
・1分間で1ページに4~6行、各行20~30字
・毎日10ページ、頭に浮かんだことをすべて書く
・思いついたこと、気になること、疑問点、次にやるべきこと、自分の成長課題など、頭に浮かんだことはすべてメモに書きとめる
・思いついたその瞬間に書き留める
内容は、仕事の悩み、キャリアプラン、心のもやもや、恋愛の悩み、将来の不安、などどんなことでも構わないそうです。
テーマを決め頭に浮かぶたびに1分間で書き出していきます。
ここでポイントとなるのが「スピード」です。頭に浮かんだことを速く書きだす習慣を定着させるため、スピードを意識してアウトプットしましょう。
そうすることにより、潜在化されていた本当の気持ちや考えも出てくるようになります。
慣れてきたら、「営業」や「営業マネジメント」に関することもテーマにしてみましょう。すぐに使えるテーマをいくつか記載しておきます。
【営業系】
・お客様から本音を引き出す方法とは?
・失注や受注の理由は何か?
・お客様は何に価値を感じて商品を買ったのか?【営業マネジメント系】
・自組織で達成したいことは何か?
・部下の仕事における価値観は何か?
・自身のマネージャーとしての強みは何か?
メモ書きを3週間も続けると、確実に自分の理解力、コミュニケーション力の変化を自覚できるようになります。
人が言っていることを瞬時に理解できるようになったり、今まで通りにくかった自分の提案が通りやすくなったり、リーダーシップが発揮しやすくなったりもします。
5. おわりに
いかがでしたでしょうか。
ゼロ秒思考を実践し続けることにより、誰でもできるようになります。
ビジネスシーンから普段の日常生活でも役立つ著書になっております。
今回紹介した内容以外にもメモを深堀する方法やメモのフォーマットから保存の方法、メモを元に企画書をまとめる方法など参考になることが書かれているので、もし興味があればぜひ読んでみてください。
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