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超ジョブ型人事革命~自分のジョブディスクリプションを自分で書けない社員はいらない~(西尾 太著 2021年 日経BP)

こんにちは。人材紹介事業部の正井です。

本日は「HR施策」をテーマに書かれた『西尾 太 著 “超ジョブ型人事革命”』をご紹介します。

皆さんは、HR施策と聞いてどのようなことをイメージされますか?

 

HR施策とは、

HRとはHuman Resourceの略であり、人材におけるさまざまな施策のこと

を指します。

例えば、新型コロナウイルスの影響によるテレワークの実施や、人事評価や育成に関わる施策も該当します。

新聞やニュースで、HR施策の事例が頻繁に紹介されているため、具体的な施策をイメージされる方も多いと思います。

 

このHR施策が、時代の変化と共に、企業にとって重要性が増してきているとされています。

新聞やニュースでも、テレワークの急速な普及、「ジョブ型」の導入、DXへの対応、副業、SDGsへの対応などの話題は多く、働き方や人事に関連する話題は尽きません。

そんな中、我々が属する「営業職」はどうなってしまうのか。

本書のテーマである採用課題という観点から、客観的に自身を見つめ直し、そのヒントを探していきたいと思います。

 

1. 「第4次人事革命」が始まっている

本書の冒頭で、現在は企業のHRを取り巻く環境の「大きな変革期」であると位置付けています。

ジョブ型雇用、DX、テレワーク、AI・RPA、SDGs、副業、正社員の独立事業主化、黒字リストラ…。

コロナ禍を通し、変革が加速した現在を「第4次人事革命」と定義付けし、第1次~3次を振り返ります。

第1次…高度成長の終焉、能力主義の時代へ

第2次…バブル崩壊、成果主義・年俸制・職務主義の導入

第3次…成果主義の失敗と行動主義の導入

そして、第4次人事革命は、何から取り組んで良いかわからない企業に向け、考え方を定めるところから始めていきたいと具体例を交えてメッセージしていきます。

 

2. 「ジョブ型」には、このように対応しよう!

以前から「ジョブ型」導入については触れられてはいましたが、2020年の新型コロナウイルスの影響でテレワークが浸透し、「仕事ぶりが見えない」「成果が見えない」といった課題が浮き彫りになります。

そこでジョブ型導入の流れになってはいますが、そのまま導入というわけにもいかず、すべての企業・職種に対応できるとは考えられません。

 

例えば、営業職においては一見すると、売上数字から明確に仕事の成果を判断できる側面もあるため、ジョブ型に向いていると考えることができます。

しかし、実際には一人で営業を完結している営業担当者は少なく、営業チームとして活動している部分も多く存在します。このような環境では、「はい。明日からジョブ型になります。」と制度を作っても、なかなかうまく機能しないのです。

 

しかし、コロナ禍の状況が長く続く中で、徐々に「ジョブ型」にシフトしていくことは想定されるため、「ジョブ型」導入の難易度が高いとはいえ、私たちは対応していかなければなりません。

は、私たちはどのように「ジョブ型」に対応していく必要があるのでしょうか。

 

このような状況下で、著者は、「モチベーションの上がるジョブ型の導入から始めること」をすすめています。

具体的には社員に「自分の仕事のジョブディスクリプション」を書いてもらおうということです。

フォーマットは会社が用意したとして、

「職種名」

「ミッション」

「仕事内容」

「求められる成果」

「組織内での役割」

「その仕事をするための経験・スキル・知識」

「その仕事に向いている人のパーソナリティ」

「募集の際の想定年収」

などを個人に記入してもらうことを提唱しています。そうすることで自らの役割や求められている成果を再認識でき、「自分の仕事を定義する」ことで、モチベーションの維持・向上も図れるかもしれないと仮説を立てています。

 

3. キャリアプランはより多彩になる

著者は、「ジョブ型」への移行には賛否両論あるのは承知の上で、動きが加速し、会社と社員の関係は対等な契約になると予測しています。無期雇用かつフルタイムで働く「正社員」である必要性は薄れていきます。会社がレールを敷きすぎると、多彩性を失い転職してしまう確率も高いです。

要は「会社が優秀な人材を囲う」という時代ではなくなってきているのです。

 

「いつでも外に出られますよ」という人材を多彩なオプションを持ってつなぎとめることが、これからのHRの仕事になっていくでしょう。

逆に言うと働く側も今後はより一層、自分自身のキャリアに責任を持たなければならなくなっていきます。

 

4. スタートは、「やり方」ではなく「考え方」

著者は「うまくいっているHR」と「そうでもないHR」の違いを考え抜いた末、ある一つの解にたどり着きます。

それは「想い」です。

ジョブ型、成果主義などの「方法論」に惑わされず、「なぜそれをするのか」「そうしたらどうなるのか」をしっかり考えていただきたい、経営者やHR部門に携わる人々の「想い」がどれだけあるかがHRの成功のカギを握っている

とのことです。

「想い」があって、それを実現するために「どのような考え方をするか」につながります。そして、その考え方がしっかりしたところで、それを実現するための「やり方はどの方法だろう」という順序にしていただきたいのです。

 

著者は最後に、その「想い」を書き出し共有していくことが、HRにより働く人たちと企業を成長させるものだと締めくくっています。

 

5. おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は人事という観点から、時代の変化とともに働き方に対する考え方も変革させていかなければならないことを本書から学びました。

「営業職」とひと言で表せても、その職務は様々です。なかでも目指すべき成果の違いで分類した場合、「運用する」と「創造する」では価値が変わります。変わりゆく時代のなか、自分自身のキャリアに責任を持ち「企業の未来を創造できる営業」こそが求められているのではないでしょうか。

気になる方は是非、ご一読ください。

 

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健康業界で複数の新規事業立上げや、独立系SIer企業で技術系人材紹介、派遣業を経験。人や事業の「成長」をサポートすることにやりがいを感じ、アルヴァスデザインの人材紹介事業部に参画。
家では息子のヤックル的存在。

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