「ウケる」は最強のビジネススキルである。(中北朋宏著 2019年 日本経済新聞出版社)~営業会議を活性化させるコミュニケーション方法~
こんにちは、米山です。
本日ご紹介する本は「『ウケる』は最強のビジネススキルである。(中北朋宏著 2019年 日本経済新聞出版社)」です。
私がこの本を手に取った理由は、私自身コミュニケーションに課題を感じていたからです。
コミュニケーションに課題を感じている方は多いと思いますが、感覚的にしか捉えていない方も多いのではないでしょうか?
本書では、お笑い芸人というコミュニケーション力の塊ともいえる方から、感覚的になっていたコミュニケーションを論理的に学ぶことができます。
なかでも、「営業組織におけるコミュニケーション不足が起因した課題」をお笑いのメカニズムを活用して解決する方法が書かれており非常に参考になります。
本コラムをご覧頂いている営業の皆様にも役立つ内容のため、今回ご紹介させていただきます。
特に本日は、「営業会議」に焦点を当てて書いていきたいと思います。
1. 詰めるは思考を止める
早速ですが、質問です。
「皆さんにとって、営業会議はどういうイメージでしょうか。」
答えはさまざまかと思いますが、個人の進捗報告をして目標未達の人がいれば全員の前で詰める場、というイメージを持つ人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、詰めるという行為は、その人の思考を止めることにつながっていると著者である中北氏は述べています。
人は、ストレスにさらされると、抵抗したり、回避したりしようとします。しかし、困難なストレスに長期間さらされ続けると、そうした不快な状況下から逃れようとする自発的な行動すら起こさなくなる「学習性無力感」という現象がおこります。
詰めるとはメンバーを否定して、「どうせ自分はやっても無理だ」と学習させる、「学習性無力感」を引き起こす行為なのです。
2. 心理的安全性を担保する
詰める行為は、営業会議において活発な議論を妨げることにもつながります。
「発言をして怒られたくない」という心理から、メンバーは発言することを止めてしまうのです。
では活発な議論を促すにはどうしたらよいのでしょうか?
それは承認することによって「心理的安全性」を担保することです。
「心理的安全性」とはチームのメンバーが「ここにいてもいい、存在を認められている」と思える状態のことを指します。
心理的安全性が担保されているというのはどういうことか。具体的な例をご紹介します。
「人志松本のすべらない話」というテレビ番組があります。
この番組ではサイコロで決まった人がすべらない話を披露するというのを繰り返していきますが、出演者がすべらない話を披露した後に聞いている人たちが「心理的安全性」を担保する2つのリアクションを取っています。
1つ目は松本人志さんが「すべらんな~」と周りに伝える、2つ目は「全員が笑う」というものです。
このリアクションにより出演者は自分の話が面白くて価値があると認識し、さらにモチベーションを上げて安心して話すことができるのです。
営業会議においても、メンバーの発言に対してと否定するのではなく「いい意見だね」や「その案もあるね」と承認することによって「心理的安全性」を担保することができます。
すると、意見が言いやすくなり活発な議論につながるのです。
3. 自身の影響力を理解する
営業会議ではメンバーに対して何かを伝える場面があると思います。
そこで重要になってくるのが自身の影響力を理解した上で伝えるということです。
「パチンコ玉理論」というものがあります。
パチンコ玉を隣同士で投げても痛くありませんが、高層ビルの上から投げて当てたら死ぬ可能性もあります。
人間関係においても同様で、役職や年次が上がっていくと他愛ない言葉が突き刺さってしまうのです。
冗談で言った「ばか」という言葉も社長が新入社員に言うと、新入社員は「僕は本当にばかなのかもしれない」と心の底から思ってしまうのです。
しかしこの理論を「褒めること」や「感謝すること」に利用すると、メンバーのモチベーションを高めることができます。
自身の役職や年次が上がることによって変わる影響力を理解した上で伝えることで、メンバーのモチベーションを低くすることも高くすることもできるのです。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか?
日々の営業会議でも受け取り方、伝え方を変えるだけで活発な議論ができ、営業会議の生産性を高めることやメンバーのモチベーションを高めることができます。
部下、上司とのコミュニケーションの取り方がわからないという人も多いかと思います。
是非この本を手に取っていただき、より良いコミュニケーションにつながるヒントを得ていただければと思います。
本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒『ウケる』は最強のビジネススキルである。
【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。