ALVAS JOURNAL

リフレクション(REFLECTION) 自分とチームの成長を加速させる内省の技術(熊平 美香 著 2021年 ディスカヴァー・トゥエンティワン) 第三回:メンバー理解編~メンバーと相互理解を深めて、信頼を築こう~

 

こんにちは。高橋です。
全三回でお届けするコラムも、今回が最終回になります。

・第一回:自己理解編~忙しい日々に振り返る時間を作って、ライバル営業から一歩抜け出そう~
・第二回:お客様理解編~お客様の価値観に触れて、他社営業担当者と差別化しよう~
・第三回:メンバー理解編~メンバーと相互理解を深めて、信頼を築こう~

今回は、第三回です。
営業組織のマネージャーとして、「メンバーと相互理解をどのように進めていくか」という点でご参考になればと思います。

1. メンバー理解が、より大切な「いま」

コロナウイルスのパンデミックにより、多くの会社が在宅勤務を導入しました。
営業スタイルの多くも、対面からオンラインへと切り替わっているはずです。

マネージャーにとって、在宅勤務というのはどういう心境でしょうか。

私の知る限りですと、
・メンバーの顔が直接見えないから、何を考えているかわからない
・メンバーが何に困っているか、把握できない
・メンバーに適切に関われているか、自信がない
というように、ややネガティブな心境の方が多い印象です。

それも無理はありません。
今まで、毎日対面で会って、時にはランチ、時にはお酒の場でも対話を繰り返してきたメンバーと、数か月に一度しか会わない環境になったのですから…。

ただ、これらのビジネス環境は私たちの力では変えることができません。
そうであれば、マネージャーである私たちが、メンバーとの相互理解を深めるために、
従来通りのやり方を変えて、新しいマネジメント像を作る必要があるのです。

 

2. メンバーが行った仕事内容を理解するよりも大切なこと

日報や週報で、メンバーが行った仕事内容を記載させるということを実施されているマネージャーの方も多いと思います。
こちらは、メンバーが「日々どういう仕事をしているのか理解するため」にとても大切です。

しかし、私はこれ以上に大切にしたいことがあります。
それは、

「その仕事をするときに、どう感じたのか」
「その仕事をやり終えて、どう感じているのか」

といったメンバーの感情面です。

コロナウイルスのパンデミック以前は、これらの感情面を対面で接している中で、察することができました。
しかし、今はそれが難しい状況です。

私たちは人間である以上、感情を持って仕事をしています。
在宅勤務になったその瞬間から、メンバーの感情が見えなくなるというのは、
仕事を任せる上でも大きな障壁になりえます。

以上のことから、「メンバーの感情を理解する」というのを実践してみてはいかがでしょうか。

 

3. 株式会社アルヴァスデザインでの取り組み

実際に、弊社ではリフレクションを導入しています。
毎週、メンバーそれぞれがリフレクションを全メンバーに公開して、コメントをし合っています。
具体的にリフレクションを導入してみて良かったことは3つあります。

・互いの価値観を知ることができる
毎週リフレクションを行うことで、そのリフレクションを書いた本人と、そのリフレクションにコメントしたメンバーの考えていることがわかってきます。
「今、何に関心があるのか?」「ブームは何か?」ということもわかりますし、リフレクションを続けることで、メンバーの価値観というものも見えてきます。
互いの価値観を理解した上で仕事を進めることができるというのは、互いの精神衛生も良く、仕事の生産性も高いものになります。

・メンバーそれぞれの仕事の軸が固まる
日々の仕事を振り返ると、

「自分自身がなぜその行動をしたのか?」
「なぜその意思決定をしたのか?」

ということを考えます。
これを突き詰めると、自分の行動や意思決定は自分の過去の「何」と紐づいているのかを考えることにつながるのです。
自分自身の過去を知ることで、「自身の行動や意思決定の背景にある価値観」が明確になります。
価値観が明確になることで、自分自身がなぜこの仕事をしているのかも納得でき、働きがいも向上するでしょう。

・キャリアを描きやすくなる
自分自身の価値観が明確になると、未来の自分も描きやすくなります。
弊社は、未来志向を大切にしており、メンバー同士のキャリアを応援する文化を持っています。
メンバーそれぞれが、自分を見つめなおし、自身の価値観を知ろうとしています。
この行為自体が将来を考えるきっかけにもなり、メンバーのキャリアが拓くことにつながると感じています。

 

4. まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、メンバー理解編ということで、「社内メンバーの相互理解をどう深めていくか」という点を考えました。
コロナ禍で在宅勤務が増えている今、マネージャーの方はもちろんのこと、メンバーとの相互理解を深めたい方に、少しでも参考になれば嬉しく思います。

また、弊社が実際にリフレクションを取り入れてみて良かったことも、ご紹介させていただきました。私自身が発起人となり、リフレクションを導入しましたが、やってみて本当によかったと感じています。
ぜひ、皆さんも実施してみてください。

さて、全三回にわたり、「リフレクション」について考えてきましたが、
ご参考になった部分はありますでしょうか。

・第一回:自己理解編~忙しい日々に振り返る時間を作って、ライバル営業から一歩抜け出そう~
・第二回:お客様理解編~お客様の価値観に触れて、他社営業担当者と差別化しよう~
・第三回:メンバー理解編~メンバーと相互理解を深めて、信頼を築こう~

 

 

本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒リフレクション(REFLECTION) 自分とチームの成長を加速させる内省の技術

〇トップセールスの本棚とは?
【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

代表取締役 CVO
早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
2013年株式会社アルヴァスデザイン設立。2018年「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」出版。

RELATED ARTICLES よく読まれている記事

外部の視点からお客様に
クリティカルな意見を言う。
そういう営業は
これからも生き残る。