メモの魔力~営業に求められる知的生産のためのメモとは~(前田 裕二著 2018年 幻冬舎)
こんにちは。伊藤です。
最近、週に3回は本屋さんに通っております。本屋さんに行く際には、必ず自己啓発の本やビジネス著書コーナーに立ち寄ります。
そこで、なんだかとても惹かれる本に出合いました。その本は、いつも目立つところに陳列され、表紙もピンクでとても目立つのです。
今回ご紹介するのは、「メモの魔力」(前田 裕二著 2018年 幻冬舎)という本です。
本日は、こちらの本からの学びを営業目線で考えてみたいです。
本書の作者は、「メモ魔」とも知られるSHOWROOM社長の前田氏です。
前田氏は、365日おびただしい数のメモを取ることで有名です。前田氏は、子供のころからメモを取る習慣がありました。8歳の時に両親を亡くし、10歳離れた兄と二人兄弟で少年時代を過ごしたそうです。その頃からノートをきれいにまとめることが好きだったとか…。そんな彼が「メモ」という行為を通じて、自己の仕事観・人生観までも変えていったサクセスストーリーを知ることができます。
また本書では、我々の可能性を広げ、人生をより豊かにしていくようなノウハウがたくさん散りばめられています。「自分ってなんだろう?」「何がしたいんだろう?」「何を目標にしたらいいんだろう?」といった誰しもが感じる悩みをお持ちの方々に、ぜひおすすめの一冊です。
1. ファクト(事実)をメモする
そもそもメモと言う単語ですが、その起源をご存知ですか?もともとはラテン語の”memini”が語源で、「記憶している」と言う意味です。
よく見る英単語の”memory”にも、”remember”にも、”mem”は入っていますよね。
「メモランダム」「備忘録」つまり、「忘れないために取っておくもの」がメモです。
これが一般認識だと思います。
本書では、メモには2種類あると紹介されています。
1つ目は、ファクト(事実)を記録するためのメモです。
これは情報や事実をそのまま切り取って伝えたり、保存しておいたりするためのメモです。皆さんも営業現場では、ファクトを記録するメモをたくさんとっていると思います。
2. 知的生産のためのメモ
今回、特にご紹介したいのが、2つ目のメモである「知的生産のためのメモ」です。
単純に起きたことを見聞きしたことだけを書き写すのではなく、新しいアイディアや付加価値を自ら生み出すことを強く意識して、メモを書いてみることを指します。
人間にしかできない事とは、「独自の発想やセンス、視点でアイディアを創出すること」であり、決して情報をそのまま書き写すといった機械的なオペレーション作業ではありません。
「今後AIに仕事が奪われる」と言われている今だからこそ、より希少性が高く、大きな付加価値を生み出すことに、僕らの時間を割いていくべきなのです。
例えば、お客様と商談をした際、多くの営業担当者はメモをします。その多くは、互いの対話の内容をただまとめることに過ぎません。つまり、知的生産のためのメモではないわけです。
知的生産のためのメモとは、商談のメモを元に、アイディアを構想したり、全く違った切り口で物事を考えたりすることです。
日々、商談を繰り返すことで忙しい営業担当者であっても、じっくりと知的生産のためのメモを取る時間を確保することも必要であると感じます。
3. メモで養える5つの能力
本書では「メモ」の効用についてわかりやすく書かれています。
では、メモを通じて養うことができる5つの能力を見ていきましょう。
- 知的生産性の向上
└アイディアを生み出せるようになる。
- 情報獲得の伝導率向上
└情報を「素通り」しなくなる。
- 傾聴能力の向上
└相手のより深い話を聞き出せる。
- 構造化能力の向上
└話の骨組みがわかるようになる。
- 言語化能力の向上
└曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる。
メモを取ることで、まず何よりも、①知的生産性が増します。余分な情報はストックしておいて、自分の頭を有益な情報を生み出すことのために使うことができます。
次に、情報を素通りしなくなるので、日々見聞きするすべての情報を分母にしたときに、そこからどれだけの情報をものにするかという、②情報獲得の伝導率が増します。
そして、相手から一つでも多くの有益な情報を引き出すための③傾聴能力、コミュニケーションスキルの向上にもつながります。
さらには、メモによって頭の整理ができます。その結果、④構造化能力やロジックの力を飛躍的に伸ばすことができます。
最後に、メモは思考を深める機会を提供します。それによって、言葉を紡ぐ力、すなわち⑤言語化能力が引き上げられます。
4. まとめ
本日ご紹介したのは、「個」のスキルが求められるこれからの時代に、必要な自己分析や思考方法など様々なアイディアを学びえることができる素敵な内容となっています。ご自身の人生を豊かにするために是非、手に取って頂きたい一冊です。
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営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。