世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」(山口周著 2017年 光文社) リーダーの意思決定には、アートが必要だ!
こんにちは。石井です。
今回ご紹介するのは、2017年に出版され、「HRアワード2018(書籍部門)」最優秀賞を受賞したこちらの本です。
本記事をお読みいただいている皆さんも、この本をご存知の方や、著者の山口周さんを知っている方も多いと思います。
一見すると、「リーダー」と「アート」は結びつかないのでは?と思ってしまうワードですよね。
しかし、この本をお読みいただくと、これからの「リーダー」に「アート」が必要なわけが分かると思います。
1. リーダーの意思決定に影響する3要素
本書では、意思決定において3要素のバランスが大きな影響を与えると書かれています。
3要素とはなにかというと、
「サイエンス」
「クラフト」
「アート」
です。
サイエンスとアートについては、聞きなれた言葉ですのでイメージがわくと思います。しかし、クラフトはあまり耳にしない言葉かもしれません。
私は、最初「クラフトビール」を想像しました。笑
ここでいう、「クラフト」とは、「地に足のついた経験や知識から導き出されるもの」をさします。自身の仕事を通して培った経験や知識ということです。
2. アートが大切なわけ
本書では、「サイエンス」と「クラフト」も大切だが、「アート」を軽視してはいけないというメッセージを出しています。
理由は2つあります。
1つ目は、人は感性によってやる気を起こし、モチベーションが高まることが多いからです。理屈が完璧なシナリオを見せられるよりも、なんかワクワクするビジョンを想像して動きたいというのは、多くの方が思っていることです。そして、「サイエンス」と「クラフト」だけで意思決定ができるのであれば、もうAIに意思決定を任せればいいでしょう。
でも、AIが決めたシナリオを実行しろといわれても、皆さん動きたくないですよね?
「AIによると、Aさんは飛込営業を100件したら、3年後にはトップセールスになれるようである」と言われて、ワクワクしますか?本当に行動に移したくなりますか?
やはり、人間には感性があるため、「アート」は必要な要素なのですね。
2つ目は、3要素の中で、「アート」が軽んじられやすいからです。
「サイエンス」「クラフト」を重視するリーダーと「アート」を重視するリーダーがいた場合、意思決定はどっちのリーダーに任せますか?もちろん、その意思決定の内容や、それまでの背景、リーダーのパーソナリティなど任せるための要因はたくさんあります。
では、そういった要因がすべて一緒だった場合は、どうでしょうか?
恐らく、体系的に整理された「サイエンス」と経験や知識に基づいた「クラフト」を重視するリーダーに意思決定を任せることが多いはずです。
「アート」を重視するリーダーが、「いや、こっちのほうがワクワクしませんか?」と言ったとしても、「ちゃんと理屈は成り立っているのか?」と突っ込みたくなるかなと思います。
私たちは、何も意識しないと「サイエンス」や「クラフト」を重視したくなるのです。したがって、意識的に「アート」のことも考える必要があるわけです。
リーダーは積極的に、絵を描き、周りを巻き込んでいくべきなのですね。
3. おわりに
いかがでしたでしょうか。
「アート」の重要性について、少しご理解いただけましたでしょうか。
営業現場を引っ張るリーダーとして、メンバーがワクワクするビジョンを提示して、チームを活性化させていく、新しい発想から意思決定をしてみる、といったことはこれからのリーダーに必要不可欠なことになりそうです。
ぜひ、気になった方はご一読ください。
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営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。