ALVAS JOURNAL

「インサイトセールス」は、AI時代に勝ち残るための次世代営業法だ

 

このページにたどり着いたほとんどの方が、現状の営業に行き詰まりを感じてる方だと思います。営業担当者が、営業活動をする際に意識すべき基本とは、「顧客のニーズや問題を把握し、そのニーズ、問題に対して解決できる御提案をする」といった事だと教えられてきたと思います。

回答、解決すること=ソリューションから、「ソリューション営業」、または「ソリューションセールス」という言葉が生まれました。

実際、顧客先に伺い、時間内外で一生懸命コミュニケーションを重ねてる方も多いと思いますが、果たして結果はでていますでしょうか?

「ソリューション営業」で成果がでていない、行き詰まっているのには理由があります。それは、時代とともに営業も変化していく中で、もう誰もが情報を手に入りやすく、AIの進化で多くの時間とコストがかかっていた統計データなど、顧客側も知識をもち、回答、解決策すらも手に入ることが容易い状態では、「ソリューション営業」では他社と差がつくれず、価格競争の波に飲み込まれるだけです。

行き詰まっていた「ソリューション営業」にかわる新時代の営業手法である「インサイトセールス」について詳しくまとめていきます。

 

1 今までの営業スタイルは通じません

まず最初に一つの問いかけをしましょう。

「顧客が変わったのをご存知ですか?」

以前は、あなたのお客様は、自分で課題をわかっているが、「解決策がわからない」状態だったのが、最近の傾向は自分で課題はわかっている、そして「解決策も把握している」状態なのです。

ということは、単純に相見積もりになり価格での評価になりがちです。
価格競争に巻き込まれると体力勝負の消耗戦になります。

そこは避けなければいけません、そうならないように、我々営業が目指すべきなのは、オンリーワンの価値提案となります。

一方、良くありがちな営業パターンとして挙げられるのは、「特別な関係」と「特別な価格」の組み合わせです。売上をとりたい営業のあなたは、宴会で打ち合わせもした!日曜日はゴルフにも付き合った!ここまで接待をしたのだから、特別な関係になっているはずだと思っていますよね。

その上であなたはこう言います。
「あなたと『特別な関係』があるので、あなたにだけ『特別な価格』出していますので、従いまして、他社に浮気せず今後とも末永いお付き合いをお願いします」と。

どうでしょうか。言っていませんか?

しかし、今は顧客側で解決策を把握している(できる)時代なのです。

そうなるとどうなりますか?

間違いなく、価格競争になります。

「いつもの商談」をいつものようにしていると、いつのまにか足元をすくわれます。

もちろん「特別な関係」があるので、一度や二度は他社より高い見積もりでも、受け入れてもらえるかもしれません。

しかし、顧客にとって多くの企業の営業担当からでてくる提案が、同じく提案内容であれば、高い価格で契約する理由は全くありません。「(顧客の)上司から言われまして・・・」と、言われて急に切られるのは時間の問題かもしれません。
これこそが「ソリューション営業」の限界なのです。そこで、価格競争に乗ることを避けた、提案の差で営業する必要になります。

そのヒントが、「インサイトセールス」になると、我々の調査から明らかになっています。

どうでしょうか、「インサイトセールス」という言葉に、興味でてきてませんか?

2 ソリューション営業は終わった

ソリューション営業をやっているお客様から、よく伺うお話があります。

「以前は、まずまず成果が出ていたのですが、最近はなかなか難しいですね・・・」よく頂くお話しです。

「最近の営業は、難しい、難しい」と、よく聞きますが、何が原因で難しくなっているのか?過去との営業手法と、今の営業手法は、いったい何が変わったのでしょうか?

そのヒントになるのが、このハーバード・ビジネス・レビューの記事です。

「ソリューション営業の終焉」The End of Solution Sales HBR 2012 7-8 Brent Adamson,Matthew Dixon,Nicholas Toman

一言でいえば、

「知識豊富な顧客に営業する」状態になっているため、営業が難しくなっていて、
顧客は、あなたより知識が豊富なのかもしれないという前提で臨む必要があるということ。

例えば、あなたがコピー機の営業だとしましょう。

あなたの顧客に、あなたと同じようにコピー機を買っていただこうとしてアプローチしている競合は何社いるかご存知でしょうか?営業パーソンであるあなたの頭の中には、いつもの3社しか浮かんでいないかもしれません。しかし顧客の頭の中には、もっと多数の競合がアプローチしている可能性がありますよね。

更に、その競合がそれぞれいくらの価格で見積書を出しているか、あなたはご存知ですか?あなたの顧客は、正確にその金額をつかんでいます(当たり前ですが…)。では、担当営業であるあなたは、競合の見積価格を正確につかんでいますか?

難しいですよね。

他社の営業が出した見積もりを正確に把握するなど、無理な話しですし、価格を見る観点でも、営業担当者と顧客との間に、大きなギャップがあることがわかります。

更に、あなたは他社の提案をすべて把握していますか?仮にいつもの3社ではなく、5社から見積もりが出るとすると、その5人から提案が聞けるわけです。恐らく営業担当である、あなたが気づいていない観点からアプローチして、提案されている場合もあるでしょう、そうなると顧客は、既に5社の違う観点から、提案を受けています。「ソリューション営業」のやり方では、このようにすでに顧客よりも情報量において負けていることになります。

いかがでしょうか。

たったこれだけの事を考えても、あなたの顧客と営業担当者の間に、知識の深い溝があることを感じて頂けると思います。

3 あなたが扱っている製品の事情が変わっています

プロダクトライフサイクルが短くなっています。

デジタル化の進展などの理由に、技術革新のスピード化が進み、顧客ニーズの変化も早まる中で、製品のライフサイクルも短縮化の一途を辿っている。(経済産業省HP参照)

プロダクトライフサイクルとは製品が市場に投入されてから、なくなるまでを言います。

製品を生物の一緒に例えることから、ライフサイクルといいます。

プロダクトライフサイクルには、4つの期があります。
導入期、成長期、成熟期、衰退期。

■導入期
導入期は、製品も市場に出たばかり、お客様の認知も乏しい。
更に、価格もまだまだ高いため、一部のマニアや富裕層が自然とターゲットとなってきます。この導入期が製品のライフサイクル上最も需要で、ここを抜け出して、成長期に移行しない限りにおいては、製品的にペイしないし、企業も儲からない。
この導入期と成長期に間に横たわる深い溝をキャズムといいます。

■成長期
ここになるとお客様の認知も上がってきて、一気に売れだすようになる。
ただし市場も一気に立ち上がってくるので、他社の参入も一番多くなる。
そのため競争が激しく、シェア争奪戦が繰り広げられる。
価格も、どんどん下がり、また売れるというような循環になる。
この時期は、商品もどんどん作り、新工場を設立し、他社よりも目立つために販促費もかけ、資金需要が旺盛となる時期でもある。

■成熟期
製品間の優勝劣敗が見えてきて、参入してきた企業も撤退し始めるところがちらほらでてくる。
成長期では、二けた成長が当たり前であったのが、微増となってくる。
そのため、売り上げ重視から、利益重視路線にかじを切り始める。
製品の広告費も安定志向でどんどん増やすという状況ではなくなる。
また製品の改良もマイナーチェンジを繰り返すのがやっとである。

■衰退期
この時期は、いつ撤退を図るか検討します。
市場が減少しつつあり、売上・利益とも減少してきます。ここでは、新製品の投入は行わずに、アフターサービスなどのメンテナンスを主とした展開となっていきます。
このころには、次の市場での製品投入がされていることが良いですが、衰退期でも、新たな消費者ニーズを見つけ、イノベーションを起こして、再成長を図ることは十分可能ですので、一度検討することが大切になります。

こうしてみると、プロダクトライフサイクルは、人の一生のように、製品の一生も長いのでしょうか。

それは違います。

残念ながら現在は、製品の一生は短くなっています。

コンビニの棚を見ればわかります。毎日見る「新製品」の文字。間違いなく製品の一生が短くなっていることを感じざるを得ません。この状況を考えない営業は、あっというまに他社に後れを取ります。圧倒的なスピードで製品化の陳腐化が起きているということです。

そうすると、営業担当者と顧客の関係はどうなるでしょう。豊富な選択肢から選べる顧客のほうが断然有利になります。
「ソリューション営業」のやり方では、スピード感がない情報ばかりになります。それでは、顧客側にメリットが生まれません。

では、営業担当者はどうすべきなんでしょうか?

今までとは、「ソリューション営業」ではない、違う営業スタイルで臨むべきなのです。

4 価格に厳しい顧客ばかりの時に、営業はまず何をすべきなのか

ここでも一つ記事をご紹介したいと思います。

もはやセールス・マシンでは通用しない ソリューション営業からインサイト営業へ、ソリューションからインサイトへ

“Dismantling the Sales Machine,”HBR,November2013.

お客様から、「あ、○○さんいつもお世話になっております。ちょっと相談したいことがあるので、今度打ち合わせお願いできますか?」

お客様から、わざわざ連絡を頂戴して、意気揚々と望む営業担当者。

打ち合わせで一通り聞いた後、
「でね、今回の価格なんですけどね・・・」
営業担当者に残されている余地は、もう価格を下げることしか残っていない・・・

最近、よく見かける光景です。
なぜ、このような事態になってしまうんでしょうか?

想像してみて下さい、あなたが顧客側で有利になるということはどういうことでしょうか?

そうなんです、それはお客様が、事前に多くの情報を手に入れることが出来るようになったことが関係しています。

お客様から「相談される」で、舞い上がって信頼されていると思うのは、営業担当者に良くありがちなことですが、そのタイミングで相談されるでは、もう遅いのです。最後に求められるのは値下げ交渉だけといっても過言ではないのです。

あなたは、営業担当者として先回り、能動的にもっと顧客の事を理解する必要があるのです。

そのために自ら先手をうち顧客側に変革をもたらす新時代の営業スタイルが「インサイトセールス」なのです。

5 法人営業で最後の最後に求められる最も重要なこと

あなたは、こんなことありませんか。
「条件が折り合えば、ぜひ契約したいのですが・・・」
と言われたことが。

何回も通った顧客先
何度も修正して出し直した営業提案書類
競合に負けないように、全精力をかけた営業先でのプレゼン
その結果がココです。

お客様が、ハンコを持って、
あなたの書類に判を押そうとしています。
そこで、この一言。
「条件が折り合えば・・・」
あなたの営業先であるお客様の一言が出てきた瞬間、あなたの心情はいかがですか。

あなたは、こう思います。
「ここまで、営業先の顧客に尽くしてきたのだから、少しぐらい・・・この条件を飲めば、やっと契約という果実が手に入るのだ!」と。

会社に戻れば、お前もよくやったと私の営業成果を上司も評価してくれる。
よく見かける営業の場面です。

BtoB市場におけるお客様の行動も大きく変わってきました。
候補の企業をふるいにかけ、最終候補となった企業へ「さらなる何か」を求めるのが当たり前になりました。
我々としては、製品・サービスの特徴をアピールしつつ、通じないと価格での譲歩を提案する。営業場面でよくあるパターンです。

「自分は、ここまでよくやったじゃないか。」

「この顧客にどれだけ尽くしてきたことか。自分は、条件面で譲歩してもこの果実を受け取る必要がある」と。

果たして、それは本当に顧客が求めていることなのでしょうか。
ある調査をご紹介しましょう。

顧客が本当に期待しているのは、「正当化要因」であることがわかる。

“Tiebreaker Selling”HBR,March 2014.,

「正当化要因」(justifer)とは、顧客の事業に「顕著な違い」をもたらす要素である。顧客にとって、「購買」とはあまり報われるものではない。よい「購買」をしたからと言って、その営業担当は上司から、褒められることはほとんどない。

一方、もしその「購買」によって何かトラブルがあれば、一方的にその営業担当が責任を追及されるのである。ましてやその「購買」が会社として戦略的なものではない場合はなおさらである。なので、そこにチャンスがある。購買相手に「成功」を提供することによって、最後の「条件」を乗り越えられるのである。

ここを乗り越えられない営業担当者が多い。従って、乗り越えるために必要な要素をきちんと把握すべきなのです。

それが、「インサイトセールス」なのです。

特に、我々営業が犯しやすい間違いが二つあります。

5-1 顧客が望まず、あるいは必要されていない場合でも、自社の製品・サービスならではの特徴にこだわる

顧客が求める仕様を上回れば、その内容に納得し、高い価格でも買ってもらえると期待するからである。しかし、それは本当でしょうか。顧客が求めていないぐらい高品質な仕様は、相手の企業にとって必要不可欠なのでしょうか。ボタンがいっぱいついたシュレッダーマシーン、たまにしか使わない機能が満載のコピー機など。顧客の成果に顕著な違いを生み出さないのであれば、それは無用の長物なのである。

5-2 顧客が望んではいない価格の情報を申し出る

会社からあまり重要視されていない購買は、商材を取り扱っている候補となる企業をリストアップし、基本的な機能と価格を丹念に調べる。そこで見積価格が妥当な範囲であれば候補に残し、さらに「なにか提供できますか?」と条件を尋ねる。

その時に、よく我々営業がやりがちなのが、価格の引き下げである。
果たして、これは購買相手が望んでいることなのだろうか。多くの場合、最終取引前には、まだ複数の購買選択企業が残っている。この場合、実は他の取引先候補相手にも、「さらなる何か」として価格の調整に入ることが多い。せっかく購買担当もハンコを押そうというところまで来たのにも関わらず、「なるほど~、これはもっと価格が下がるのか」となり、そういうことであれば、「他の最終取引候補先にも確認してみよう。」と、いうことになります。

働き方改革で、残業を減らすように言われているにもかかわらず、結局これでは、購買担当者の仕事が増えているのである。ハンコを押す手前まで来たのに、またも複数社との調整に入る。
もし、「最低価格」を引き出すことが、購買担当者のミッションだとすれば、それはインターネットで、一瞬にして相見積もりを取れば仕事が済むのです。AIの技術が進み、精度があがれば数字でしか判断できない価格競争は一瞬で選別されることでしょう。

それだけではありません。この価格の引き下げが起こす影響としてもう一つあります。それは、最低価格を申し出た企業を、「話しがうますぎるのではないか」と勘繰ることである。

他の最終取引候補先は、最低価格を断ってきているのに、なぜわたしの選んだ取引先は、最低価格を申し出てきているのか。これは、なにか裏があるのではないか。そもそも自分たちのコスト構造を把握していないのではないか。もしくは、値引きした分を取り戻そうと、契約後に手抜きをされるのではないか。または契約に周到なペナルティ条項を入れて、法外な違約金を取ろうとしているのではないか。

この場合は、どうなるか。営業担当者がいい顔をしない上司をやっと説得し、最低価格を提示したにもかかわらず、契約に至らないこともある。最低価格が生み出した疑心暗鬼につながります。「価格を下げたのに、断られる」こうなってしまったら営業担当者としては最悪のケースです。

どれも他人事ではないと思いませんか?

我々が行っている「インサイトセールス」においては、この正当化要因「顕著な違い」をもたらす要素を発掘することも行っています。
下記の表を参照し、御社の立ち位置を一度見直してみては、どうでしょうか。
多くの競合に負けない、あなたの営業に「顕著な違い」をもたらしたいものです。

法人営業で最後の最後に求められる最も重要なこと、Tiebreaker Selling”HBR,March 2014から

ほとんどの製品サービスが、いまは、タイブレイカーセリング(Tiebreaker Selling)になっているのである。あなたも自社の製品サービスが置かれている立場を一度見直すべきである。

“Tiebreaker Selling”HBR,March 2014.

6 最強の営業スタイルとは

営業力が会社の命運を握っていることに異論を唱える方はいないでしょう。

では、その営業力を支える「個人」として見た場合に、どのようなスキルが必要なのでしょうか。

言い換えれば、「優秀な営業担当者」とはどんな人?です。

実際の商談の現場で、800人の営業のプロを観察した結果わかったことがあります。

調査は、商談の準備、顧客とのコミュニケーション、企業へのプレゼン、困難に対処する能力、プレゼンテーションと共感能力、売り口上、ストーリーテリングの7項目

最高は10点から最低は1点までで評価

(HBR2010,12 Lynette Ryals,Lain Davies)

営業担当者には、8つのタイプがあり、そのうちの3つのみが販売業績を伸ばすタイプをご紹介しましょう。(営業担当者のうち37%が該当)

①コンサルタント(15%)consultants
顧客の話をよく聞き、問題解決能力に優れ、顧客のニーズにこたえるソリューションを生み出せる。しかし通り一遍の営業に終始する傾向があるため、売り上げを大きく伸ばす大型案件を逃しがちです。改善点は、顧客に対してより多面的なアプローチをとり、顧客とのコミュニケーションをより豊かにするためのメンタリングが必要。このタイプの営業担当者は「達人」に成長する潜在的可能性を持つ。「提案営業を行いましょう!」という真面目な企業や担当者様に多い傾向です。
目の前のお客様に真摯に向き合っていることは大変素晴らしいですが、自分の担当分野範囲外の情報をキャッチする能力が足りなく、よく伺う失敗例として、いつの間にか他社にひっくり返された。という声をお聞きします。

『最前線には、彼がいる。』篇のような顧客インサイトを拾える営業になりたいものですよね。

② まとめ役(13%)closers

大型商談(サービスの販売よりも製品の販売のほうが多い)を成功させ、顧客の苦情に適切に対応できる。しかし一部の顧客は、このような担当者の巧みな話術を警戒している。改善点としては、サービスの販売を改善するため、堅苦しくなく簡潔なメンタリングが必要。このタイプの営業担当者をつなぎとめるには、強力な動機づけと報酬制度が不可欠です。
多くの方がイメージされる根っからの営業担当者スタイル。顧客もいつの間にか契約してしまったと、水が流れるようにスムーズにやってのけるタイプ。ただし精神的にムラがあったり、自分が興味を持っているものにのみ、追求しがち。大型商談だけで関係を終わらせるのではなく、派生商品であるサービス品などにも興味を持ち継続的な顧客との関係が望まれる。いままでの営業という範囲ですと、このやり方でも通用したかもしれません。しかしこれからの営業スタイルとして、製品を通した結びつきだけではなく、サービスもかいした顧客インサイトに基づくビジョンづくりが新しい営業スタイルとして求められる。

③ 達人(9%)experts
軽々と営業をこなし、顧客を満足させ、常に同僚よりも優れた成績を達成する。改善点としては、有望な後輩にメンタリングをし、業績不振のスタッフを支援し、社内にベストプラクティスを浸透させることが望まれます。
我々が重視している「インサイトセールス」パーソンに近い状態。
多くの営業担当者が目指しがちな方向性として、顧客とのコミュニケーションスキルを上げようとしたり、共感の仕方を学ぼうとしたり、更には、厳しい価格交渉を乗り切るすべを身に着けようと終始しがちである。しかしそれだけでは十分ではない。商談の準備をきちんとし、企業へビジョンをプレゼンできるまでに高めなければ、最強の営業担当者とは言えないのです。

以上、3タイプが一貫して販売を伸ばしている人たちです。
あなたの営業はどんなタイプでしょうか。
これからの新しい時代に対応する営業スタイルの準備をしませんか。

7 次世代営業法「インサイトセールス」とは

これまでお話してきました我々が志向している「インサイトセールス」とはお客様の理念やビジョンを実現するための新しい営業スタイルです。ソリューション営業が現在だとすると、未来志向型の営業スタイルが「インサイトセールス」と言えます。

提案の事例を挙げると、

  • お得意様の理念実現に導く提案
  • 戦略や方針のスコープ外の課題に対する提案
  • 将来の機会やリスクを見越した提案

などになります、いかがでしょうか。

あなたのお客様が気づいていない領域においても、アンテナを立て、提案を行うことができる、これが「インサイトセールス」なのです。

8 インサイトの意味とは?

あなたはインサイトと聞いてピンときますか?
なかなか普段使わない言葉ですよね。

日本語に直すと、「洞察力」「見通し」「見識」です。

「洞察力」は、物事を深く鋭く観察して
「見通し」は、遠くの未来まで予測して
「見識」は、物事の本質を見通す優れた判断をするという意味です。

これらを全部まとめて、営業に当てはめると
「顧客の潜在的ニーズ」となります。
要するに、「顧客がまだ自分たちで気いていないこと」です。

「ソリューション営業」のやり方では、顧客が気づいていることしか得られません。

ここに、これからの営業のポイントがあるんです。
そこを踏まえて戦略的に営業していく、それが「インサイトセールス」なのです。

9 「インサイトセールス」とインサイドセールスの違いは?

最近よく聞く、インサイドセールスという言葉があります。
「インサイトセールス」と似たワードなので、もしかしたら同じ意味という印象を持っている方もいるかもしれません。似ていますが、違うんです。

まずインサイドセールスについて説明しましょう。

これは、従来の営業と比較するとよくわかります。
従来の営業は、外回りをするイメージですよね。
つまり、アウトサイド=外を回る営業です。

それと比較してインサイドセールスとは外に出ないでオフィスで行う営業を指します。

具体的には、電話をしたり、メールをしたりなどがあげられます。
そうすると、「いや私も営業するときに、テレアポぐらいするぞ!」と、いう方もいらっしゃいますが、インサイドセールスがしている電話とは違います。決してアポを取る目的で行うものではないのです。

インサイドセールスの目的は、顧客の育成がメインとなります。つまり、「○○日にお伺いしたいのですが、よろしいですか?」ではなく、「以前、このようなことをおっしゃっておりましたが、その後いかがですか?」とコミュニケーションすることを指します。

具体的に、テレアポとインサイドセールスの比較をしましょう。

  • コミュニケーションが、単発的か継続的か
  • 成果が、単純なアポどりか案件の発掘か
  • 会話の内容が、マニュアル的か商談なのか

と、する違いがあります。

ですので、新規のお客様だけがターゲットではなく、
既存顧客のフォローやアップセルを狙った商談なども含まれます。

特に最近のBtoB法人営業にはどんどん導入されており、このインサイドセールスをきちんと確立するとなんでもこなせるスーパー営業担当者でなくても、かなりの成果を上げられることがわかってきています。
それがインサイドセールスの概要です。

では、続きまして、「インサイトセールス」との違いです。
先ほどより見てきたように、インサイドセールスは、主にオフィス内で行う営業スタイルでありますが、「インサイトセールス」は、オフィス内でのみ行うものではなく、実際にお客様へ訪問もします。また扱う内容も、案件発掘にとどまらず顧客の理念やビジョン実現のために、提案まで行います。ここがインサイドセールスと「インサイトセールス」の違いとなります。

10 「インサイトセールス」を身に着ける研修とは

さて、みなさんここまで読んできてどうでしょうか?

ソリューション営業よりもよさそうだな・・・」
「どうやら、いままでとスタイルの違う営業方法だな・・・」
「これを独力で身に着けるには、なかなかハードルが高そうだな・・・」
「また社内でも上司を含め、このようなスタイルで営業をしている方を見つけるのは難しいし、共有する手段が無い・・・」
といった声が出てるかもしれません。

では、どうすればいいのか。

そもそも身に着けられる研修があるのか。

はい、ございます。

我々が生み出した「インサイトセールス」を身に着け、実践していくことを可能にする研修がございます。既に、大手の先進的な企業様には、実施させて頂いており、効果を上げています。

多くの実践、経験から生まれた我々の営業研修の内容を、少しご紹介しましょう。

10-1 理解する(「インサイトセールス」理解編)

①本講演で解決できる悩み

    「自身の成功体験をもとに部下に指示を題しているが良い成果があがらない」
    「今後の組織作りにおいてどのようなことが必要かわからない」

②参加者アンケート

    「目先のことを追った結果、競合と変わらないスタンスの営業になっていることがわかった」
    「ありたい姿の実現はわかっているようでわかっていないことだと実感した」

③目的:市場環境を踏まえた今後の営業組織のあり方を理解し、自組織に浸透させる
④ゴール:会社が目指す方向性を理解している「インサイトセールス」の本質を理解している

10-2 聞き出す(トップアプローチ編)

①本研修で解決できる悩み

    「カスタマー経営者層と話をした経験が乏しく不安である」
    「カスタマー経営者層と会った時に何を話したらよいかわからない」

②参加者アンケート

    「カスタマー経営層へのアプローチの重要性とその具体的方法・スキルを学べました」
    「質問スキルが焼き付きました。今までに無かった内容です」

③目的:カスタマー経営層のインサイトを深く理解しながら関係構築できるようになる
④ゴール:カスタマーのインサイトを理解するための基本的なコミュニケーション手法を体得している。カスタマー経営層と会話をする観点を体得している。

アジェンダ:

  • 決裁者層との対話の重要性
  • 決裁者層との対話手法(ロープレ)
  • 決裁者層のインサイトの観点
  • 決裁者層からのインサイト引き出し(ロープレ)
  • 決裁者層とアポイントメント獲得(講義またはロープレ)

10-3 共感させる(プレゼンテーション編)

①本研修で解決できる悩み

    「提案の際のカスタマー経営層の反応がイマイチである」
    「カスタマー経営層が共感するプレゼンテーションの構成がわからない」

②参加者アンケート

    「経営層にプレゼンする際の資料とバイヤーにプレゼンする際の資料が同じではダメだと気付きました」
    「自身のプレゼンVTRを初めて見たことで客観的に自己分析できました。改善点が明確になり良かったです」

③目的:カスタマー経営層から共感を得られるプレゼンテーションができるようになる
④ゴール:カスタマーインサイトに訴えかけるプレゼンテーションシナリオを作れるようになっている。

アジェンダ:

  • いきなりプレゼンテーション(VTR撮影)
  • インサイトに触れるプレゼンテーションとは
  • 資料修正と個人演習
  • プレゼンテーション実践(VTR撮影)

これらの営業研修事例のような各企業様に合わせた研修を受けて頂くことにより、顧客さえも気づいていない、顕在化していない本音を発掘、浮かび上がらせることにより、経営者(または上位職者)からの良好な反応を得られるようになります。
各担当者が上司と一緒に決めたゴールを達成できたり、「インサイトセールス」(インサイト営業)が、楽しいという実感を感じることで営業へのモチベーションを高めるきっかけへと繋げることができます。

時代の変化に合わせた営業戦略を立て、実践していく人材へ育てるお力になれればと私たちは考えています。

アルヴァスデザインでは、企業それぞれに合わせたインサイトセールス研修プログラムをご提案します!

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