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僕がトマト王子になった理由~感情をコントロールする4つのセルフクエスチョン~(馬場啓介著_2011年 星雲社)

皆さんこんにちは、米山です。

今回ご紹介する書籍は「僕がトマト王子になった理由」です。

営業という仕事は他の職種に比べて、精神的にハードな職種と言われることがあります。それはなぜか。

理由の1つが、営業という仕事が、お客様という自組織ではない方々に対して仕事をするからではないでしょうか。これは、自分の力だけではコントロールしきれない部分が多くあることを意味します。加えて、目標が数値という明確な指標で設定され、それを追わなければならない仕事というのもハードと言われる所以です。

だからこそ、営業という仕事にストレスを感じ、「あぁ、今日も会社か…」「今月も○○個売らなきゃいけないのか…」というネガティブな感情を持って働いている人が多くいるのです。

成果を上げれば、他の職種では味わえないような達成感や高いコミッションが得られる可能性があるにも関わらず、営業という仕事が世間から悪いイメージを持たれることがある理由もここにあるのではないでしょうか。

ここで1つ明らかにしたいことは、ネガティブな感情を持ったまま成果を上げることはとても難しいということです。

なぜならば、成果は行動によって得られるものであり、行動は感情が引き起こすものであるからです。

本書では自身の感情をコントロールするための4つの質問を紹介しています。

感情をポジティブなものに変化させ、行動を変化させる質問を一緒に学んでいきましょう。

目次

    1.感情を変えれば行動が変わる

    4つの質問についてご紹介する前に、なぜ感情を変えると行動が変わるのかについて考えてみたいと思います。

    例えば、失注や顧客からクレームを受けて落ち込み、なかなか次の行動に移せないという経験をしたことのある営業パーソンは多いと思います。

    一般的な例ですと、ダイエットに失敗して落ち込み、もう一度挑戦することをためらってしまうことでしょう。

    逆に次は上手くいくと思うことができれば、またすぐにチャレンジできると思います。

    このように感情と行動は密接に関係しているのです。

    営業においても最高の成果を出すためには、最高の行動を引き起こすための最高の感情が必要なのです。

    それでは最高の感情を引き出す4つの質問について学んでいきましょう。

    2.質問①「今日、何に“ありがとう”を伝えようか?」

    営業パーソンの成果は市場環境によって大きく左右されます。

    例えば、一昔前では飛ぶように売れたガラケーも、今の時代ではなかなか売ることは難しいと思います。

    だからこそ、成果を出すことができていない営業パーソンの中には、「不景気な時代に売れるわけがない」「なんで自分だけがこんな目に…」という感情を持っている方も多いのではないでしょうか。

    しかし、前章でもお伝えした通り、ネガティブな感情を持ったままでは、成果に繋がる行動を起こすことはできません。

    そのためネガティブな感情をポジティブな感情に変える必要があります。

    その秘訣は「感謝の気持ちを持つこと」です。

    なぜならば通常、感謝という感情は、ネガティブな感情から生まれることはないからです。

    つまり毎日「今日、何に“ありがとう”を伝えようか?」と自分に問いかけるのは、ポジティブな感情を維持するのに効果的なのです。

    3.質問②「今日1日を楽しくするために、新しくどんなことに挑戦しようか?」

    皆さんの周りにも頑張っているのに、なかなか成果が出ずに苦しんでいる営業パーソンはいらっしゃると思います。

    そのような方々のよくある共通点として、「毎日同じことを、ただただ繰り返していて新しいことに取り組めていない」ということがあるのではないでしょうか。

    成果を出すためには、今までのやり方を少しでもいいので変える必要があります。

    例えば、

    • テレアポでアポが取れないのであればメールを送ってみる
    • スクリプトを少し変えてみる
    • アポが取れている先輩や同期に聞いてみる

    などが考えられると思います。

    しかし、新しいことに挑戦するのは、なかなか勇気が必要だと思います。

    そこで重要なのが「今日1日を楽しくする」というワクワク感なのです。

    ではワクワク感を感じるためにはどうしたらよいのでしょうか?

    それは、新しいことへの挑戦から派生して得られる複数の成果を想像することです。

    新しいことに挑戦することでどんな未来が得られるのか想像することによって、ワクワク感を感じることができ、行動につなげることができるのです。

    4.質問③「今日、何をすれば“予想外のできごと”を神様からのギフトに変えることができるだろうか?」

    冒頭でもお伝えしましたが、営業という仕事は人というコントロールが難しいものを相手に、目標を追わなければならない仕事です。

    そのため、様々な予想外のできごとが起こります。

    例えば、商品を輸送中のトラックが故障し納品できなくなった、お客様社内の急な方針転換で失注した…など、考えればきりがありません。

    このようなできごとが起こったとき、多くの人は「なんでこんな目に…」「自分はついてない」と落ち込んでしまうと思います。

    しかし、悪いできごとも視点を変えればポジティブに変えることができます。

    その視点を変えるための質問が「今日、何をすれば“予想外のできごと”を神様からのギフトに変えることができるだろうか?」なのです。

    先ほど例で挙げた、商品を輸送中のトラックが故障し納品できなくなった、という予想外のできごとは一見すると不運な事故です。

    しかし、お客様は商品が納品されるのを待っているため、なんとか対応しなければなりません。

    このような状況に追い込まれたとき、「窮鼠猫を噛む」ということわざがあるように、人は予想外の行動やアイディアを生み出すことができます。

    目の前に立ちはだかる壁をただの不運と捉えるのではなく、飛躍するための壁と捉えることで、ポジティブな感情で取り組むことができ、成果を上げることができるのです。

    5.質問④「今日、何を達成したら、自分に120点をあげられるだろうか?」

    目標に向かってモチベーションを高く維持していくコツは、日々の小さな目標を確実に達成し、自分をしっかり褒めることです。

    そして、より成長を加速させるポイントこそ、100点ではなく120点を目指すことなのです。

    120点とは現状では超えることが難しいハードルです。

    しかし、それを超えようとするとき人の脳は“枠”を超えて考え始めます。

    例えば、テレアポで1日1アポが100点、3アポが120点だとします。

    1日1アポを取るような行動をしていたのでは、3アポは到底取ることはできません。

    すると脳は3アポを取るためにはどうしたらいいのかを、凝り固まった常識を超えて考え始めます。

    人は環境に大きく左右される生き物です。

    1アポしか取らなくていいのであれば、これまで以上に考えようとはせずに、1アポを毎日取り続けます。

    しかし、3アポを取らなければいけない状況になれば、3アポを取るために必死に考えるでしょう。

    つまり、「今日、何を達成したら、自分に120点をあげられるだろうか?」という問いは、自分の基準・成長速度を高める問いなのです。

    6.おわりに

    いかがでしたでしょうか。

    営業という仕事は精神的にも肉体的にもハードな仕事です。

    しかし、だからこそ目標を達成した時には達成感と高いコミッションを得ることができる最高の仕事でもあると思います。

    4つの質問を駆使して、ワクワクした気持ちで営業活動に励んでいただけますと嬉しいです。

    本書にはご紹介したこと以外にも、目標の立て方についても記載されています。

    ご興味があれば手に取っていただければと思います。

    本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒僕がトマト王子になった理由

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    営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
    ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

    米山大輝

    埼玉県出身。
    新卒で大手スカウト·ヘッドハンティング会社に入社した後、アルヴァスデザインに入社。
    サッカー歴16年だが好きな漫画は「スラムダンク」。
    美意識が高く、最近は眉毛サロンに興味がある。
    座右の銘は「当たり前はない」。

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