陽明学のすすめ~人間学講話「三島中洲・二松學舍創立者」~(深澤賢治著 2016年 明徳出版社)~教育者の気持ちを考えてみる~
こんにちは、石井です。
本日は、「陽明学のすすめ」というシリーズ本(計8冊)の第六回目です。
早速ですが、陽明学という学問を聞いたことはありますか?
陽明学とは、中国の明代に、王陽明という人物がおこした学問の1つです。
この学問は、時代を経てもなお、多くのビジネスパーソンに愛読されています。
特に、陽明学からの学びを経営に活かして大活躍されている方も多いと言われています。
今回は、「陽明学のすすめ」シリーズの第六回として、人間学講話「三島中洲・二松學舍創立者」をお伝えします。
第一回:経営講話「抜本塞源論」
第二回:人間学講話「安岡正篤・六中観」
第三回:山田方谷「擬対策」
第四回:人間学講話「河井継之助」
第五回:人間学講話「渋澤栄一」
第六回:人間学講話「三島中洲・二松學舍創立者」←今回はこちら
第七回:人間学講話「佐藤一斎」
第八回:人間学講話「中江藤樹」
目次
1. 三島中洲という人物
三島中洲は、1831-1919年を生き、数え年90歳で亡くなりました。
三島中洲の最も大きな功績の1つである二松學舍設立にあるように、「教育」を軸に江戸の末期から明治、大正と三代にわたって活躍しました。
第三回でご紹介した山田方谷(第三回リンク)を師匠として、学問の基礎を徹底的に学びました。
プライベートでは、必ずしも幸せであったとは言い難いかもしれません。
最初の奥さんとも、次の奥さんとも死別しています。また、娘たちも早くに亡くしたようです。しかし、42歳の時に三番目の奥さんと結婚し、以後は幸せなプライベート生活だったと言えそうです。
2. 義利合一論
「義利合一論」は、1886年に三島中洲が講演した時の記録に残されている言葉です。
本書によると、義利合一とは「利とは義の和」とのことです。
渋澤栄一は、「道徳が先で利益が後である」という趣旨の言葉を残していますが、両者の考えの根本は似ているように解釈できます。
また、三島中洲は
「義によらない利は真実の利ではない」
と発言しています。
私たちも、この考えは大いに学ぶ必要があるように思えます。
営業パーソンは、自身の成績が数値目標で設定されていることが多いと言えます。つい、自身の成績を上げるために、利だけを意識しやすい環境です。
しかし、どのような時も、利の前には義があるということを意識すべきだと思います。
3. 「誠」の心
「誠」と聞くと、どのようなイメージを持ちますか?
三島中洲は、誠とは
- 嘘をつかない
- 約束を守る
- 心を添えろ
という表現で表しています。
嘘をつかないことや約束を守ることは、イメージしやすいですが、「心を添えろ」という表現は聞きなれませんね。
これは、教育を軸にして生きた三島中洲だからこその言葉であるように感じます。
私たち営業パーソンは、お客様に対して「嘘をつかない」ことも、「約束を守る」ことも、当たり前のように大切にしています。
ただ、日々の行動で「心を添える」ことがどのくらいできているでしょうか。
お客様に貢献したいという気持ちを、どのくらい強く持てているでしょうか。
三島中洲は、自身の誠を見つめなおす良いきっかけを与えてくれるように思えます。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、第六回として三島中洲について、また義利合一論や、誠について触れました。これらは、営業パーソンが日々仕事をする上で、おさえておきたい考え方ばかりですね。
私個人としても、日々の営業活動において、「どのくらいお客様に、心を添えることができているか?」という問いを、自分に投げかけてみたいと思います。
これからも、「陽明学のすすめ」シリーズでは、実際に陽明学を活かしてビジネスを成功させた方々の本をご紹介します。
陽明学を活かして、良いビジネスを創り出していきましょう。次回は、第七回:人間学講話「佐藤一斎」です。
第一回:経営講話「抜本塞源論」
第二回:人間学講話「安岡正篤・六中観」
第三回:山田方谷「擬対策」
第四回:人間学講話「河井継之助」
第五回:人間学講話「渋澤栄一」
第六回:人間学講話「三島中洲・二松學舍創立者」←今回はこちら
第七回:人間学講話「佐藤一斎」
第八回:人間学講話「中江藤樹」
本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒陽明学のすすめⅥ
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営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。