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陽明学のすすめ~人間学講話「中江藤樹」~(深澤賢治著 2021年 明徳出版社)~短い生涯を教育に捧げた村の先生~

こんにちは、石井です。

本日は、「陽明学のすすめ」というシリーズ本(計8冊)の第八回目です。最終回です。

早速ですが、陽明学という学問を聞いたことはありますか?

陽明学とは、中国の明代に、王陽明という人物がおこした学問の1つです。

この学問は、時代を経てもなお、多くのビジネスパーソンに愛読されています。特に、陽明学からの学びを経営に活かして大活躍されている方も多いと言われています。

今回は、「陽明学のすすめ」シリーズの第八回として、人間学講話「中江藤樹」をお伝えします。

第一回:経営講話「抜本塞源論」
第二回:人間学講話「安岡正篤・六中観」
第三回:山田方谷「擬対策」
第四回:人間学講話「河井継之助」
第五回:人間学講話「渋澤栄一」
第六回:人間学講話「三島中洲・二松學舍創立者」
第七回:人間学講話「佐藤一斎」
第八回:人間学講話「中江藤樹」←今回はこちら

 

目次

1. 中江藤樹という人物

中江藤樹は、1608年に現在の滋賀県に生を受けました。一生を教育に捧げ、わずか41歳で亡くなりました。

大変な親孝行であり、母親との時間を作るために、全財産を投げうって脱藩までしました。

その後、28歳の時に村で私塾を開き、多くの弟子に学びを伝えてきました。

しかし、その頃は喘息に苦しんでおり、最終的にこの病が元で亡くなりました。

中江藤樹の生涯の功績については、こちらの記事でも詳しく掲載しています。
>代表的日本人~中江藤樹編~(内村鑑三著 2012年 致知出版社) 徳のために、小さい善を積み重ねた村の先生

2. 日本陽明学の祖

中江藤樹は、「日本陽明学の祖」と言われていますが、それはなぜでしょうか。本書では3つの理由をあげています。

・理由1:勉強量の多さ

一度決めたことはやり切る性格であったとされる中江藤樹は、並々ならぬエネルギーを自身の勉強に費やしていました。

28歳で私塾を開き、弟子を育てたわけですからかなりの早熟と言えます。この背景には、多くの勉強があったのでしょう。

・理由2:教育への注力

村の私塾では、人生をかけて教育にエネルギーを注ぎました。中江藤樹のことを崇拝する弟子が、彼の死後も学びを受け継ぎました。

これによって、中江藤樹は日本陽明学の祖とまで言われるようになったのでしょう。

・理由3:実行力

決めたことをやり切る並みならぬ力もありました。母親のために脱藩して、全財産を捨ててまで、私塾を開き教育にエネルギーを注ぎました。これらは、普通の努力や行動ではやり切ることができません。

3. 翁問答からの2つの学び

中江藤樹の代表作の1つに「翁問答(おきなもんどう)」という書籍があります。死の直前まで編集を重ねていた関係で、出版されたときにはすでに中江藤樹は亡くなっていました。

興味深いことに、翁問答は随筆です。3名の登場人物が、質疑応答を繰り返していくちょっと変わったストーリーです。では、このストーリーの中から、2つの学びを見ていきましょう。

・その1:宝物はすでに持っている

中江藤樹は、

「人間は、天下に二つとない素晴らしい宝物を身の内に持っている。その宝を自覚すれば、天下も国も家も、自分自身もすべて順調にいく。」

と述べています。

私たちは、つい自分の外側に正解を求めたがりますが、自分こそ宝物であり、それを活かして社会に貢献していくという姿勢こそ大切なのかもしれません。

・その2:学びは役に立ってこそ

学問は、いざというときに役立たなければ、それは誤った学問であると中江藤樹は指摘しています。

これは、いかに学びを実践するかという「知行合一」にも関連してくる内容です。知行合一とは、知識と行動の一致であり、陽明学の言葉です。詳しくは、こちらをご覧ください。
>第一回:経営講話「抜本塞源論」

学びは活かすことが大切だということを、今一度確認しましょう。

私たち営業パーソンは、自分という資源、自分の中にある強みを知り、その上で学びを活かしてこそ活躍できるのではないでしょうか。

4. おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は、第八回として中江藤樹について、また彼の翁問答について触れました。

本書では、翁問答について詳しい解説も載っているのでぜひご一読ください。

中江藤樹は短い生涯でしたが、その学びを弟子に伝え、今なおその学びは受け繋がれています。彼が残した考えである、「自分の内にある宝」「学びを活かす」ということを意識して、日々の営業をしていきましょう。

今回で、全8回のシリーズは終了になります。下記リンクから、全シリーズをお読みいただけますので、ぜひチェックしてみてください。

第一回:経営講話「抜本塞源論」
第二回:人間学講話「安岡正篤・六中観」
第三回:山田方谷「擬対策」
第四回:人間学講話「河井継之助」
第五回:人間学講話「渋澤栄一」
第六回:人間学講話「三島中洲・二松學舍創立者」
第七回:人間学講話「佐藤一斎」
第八回:人間学講話「中江藤樹」←今回はこちら

 

本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒人間学講話「中江藤樹」

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石井 健博

ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。

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