営業組織を強化する③(ハーバードビジネスレビュー 2023年 1月号)~短期的な利益を求めず、価値創造を求める~
こんにちは、石井です。
複数回にわたって掲載している、ハーバードビジネスレビュー2023年1月号である「営業組織を強化する」の記事を取り上げていきたいと思います。
第一回:営業組織のデジタル化をどのように進めるか
第二回:営業プロセスへのAI導入が収益向上につながる
本日は第三回目として、「トリプルフィットキャンバス:顧客との価値創造から長期的な利益を生むフレームワーク(P.53~)」を取り上げていきます。
第一回と第二回は、「デジタル化」と「AI導入」をお伝えしました。今回は、少し方向性が変わり、「長期的な顧客の価値創造」に焦点を当てます。
目次
1. 不振な営業組織が持つ病
営業パーソンは、「営業成績を上げること」が大切な仕事の1つです。営業成績とは、売上であり、粗利であり、または販売数量を指すこともあります。
これらが、営業パーソンの評価に関わるKPIに設定されている以上、営業パーソンは短期的にこれらの達成のために活動を実施することは想像に難くありません。
しかし、本書によると大切なことは、「長期的な価値創造」としています。
反対に、不振な営業組織は「短期的な成績」を求めるがあまり、お客様との関係性を崩し、長期的なビジョンが見えません。
これらが見えないと、また短期的な戦略に切り替えるしかなく、不振な営業組織ほどこの負のスパイラルにはまっているのです。
2. トリプルフィットキャンバス
成績不振に陥っている営業組織にとって、良薬となるのが本書で紹介されている「トリプルフィットキャンバス」です。
全てを紹介することはできませんが、本手法では営業活動を「計画」「実行」「リソース」 の3つの視点にわけて考えます。
これらの視点に分けた上で、どのように営業組織を改革していけば良いのでしょうか。本記事では、その一部をご紹介します。
・その1:顧客との関係性を把握する
どのお客様をターゲットとするかを検討するために、関係性を正確に把握する必要があります。正確に把握するためには、どうすれば良いのでしょうか。
それは、お客様の担当営業だけではなく、マネージャーや支援者などさまざまな視点を持ち合わせて、関係性を把握していくのです。
これにより、今後の営業活動により力を入れるべきお客様を特定することができます。
・その2:営業活動を短期と長期に分ける
お客様と長期的な価値創造をする上で、そもそも営業活動に期間を付けるということも大切です。もちろん、営業パーソンは成績で評価をされるため、短期的な視点で数字を伸ばしていくことも大切です。
やってはいけないことは、「短期的な見込みのないお客様に、無理な営業活動をすることで、長期的な価値創造機会を自ら失う」ことです。
これが起こらないようにするために、特定の営業活動に期間を結び付け、長期的に価値を創造したい活動を決めると良いでしょう。
・その3:実行を後押しするシステムを導入する
本連載コラムでは、第一回「デジタル化」と第二回「AI導入」をお伝えしました。
これらで記載したように、現代の営業シーンではデジタルやAIを活用したシステムが欠かせません。営業現場の生産性をさらに後押しするシステムの導入を検討しましょう。
3. おわりに
いかがでしたでしょうか?
本記事は、ハーバードビジネスレビュー2023年1月号「営業組織を強化する」の連載の第三弾です。今回は、短期的な利益を求めず、価値創造を求める営業をご紹介しました。
短期的な成績を上げることも大切ですが、同時にお客様と長期的な価値を創造していける営業パーソンは今後も生き残っていく可能性が高いと言えるでしょう。
株式会社アルヴァスデザイン代表取締役CVOの高橋研が出版した、「実践!インサイトセールス(2018年 プレジデント社)」もぜひ参考になると思いますので、ご覧ください。
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営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。