ロングゲーム:今、自分にとっていちばん意味のあることをするために(ドリー・クラーク著2022年 ディスカヴァー・トゥエンティワン)〜後悔のない人生を送りたい人のための最強戦略〜
こんにちは。荻原です。
いきなりですが、皆さんはどの程度のスパンで営業戦略を立て行動していますか?
1ヶ月ですか?1年ですか?それとも5年でしょうか?
インターネットが世界を席巻して以降、トレンドの移り変わりが激化しました。
その結果、以前まで「正しい」とされてきた選択が急速にその価値を無くしていきました。
そうした時代背景もあり、現代では、ビジネスの場においても短期的な計画立案、つまりは戦略化が重要視されるようになっています。
しかし、依然として経営理念やビジョンという中長期的なプランは会社の成長のためには欠かせません。
そこで、本日は、世界で最も影響力のある経営思想家「Thinkers 50」の1人にも選ばれたドリー・クラーク氏の書かれた「ロングゲーム:今、自分にとって一番意味のあることをするために」をご紹介します。
本書では、短期的視点に重きを置いた戦略よりも、長期的視点に重きを置いた戦略の方がなぜ大切なのかを細かく解説してくれています。
目次
1. 忙しくなりたい現代人
・「既存顧客の対応で一日が終わった…」
・「提案書を作成するのはいつも決まって定時後からだ…」
・「社内のミーティングが多くて、なかなか営業時間が確保できない…」
これらの言葉は、営業パーソンであれば、年間を通して繰り返し耳にする言葉ではないでしょうか。
そしてそれは、上司、先輩、同僚、部下など役職を問わず、つい発してしまう言葉でもあったりします。
インターネット革命以降、「圧倒的に時間あたりの生産性は向上した」という見方は可能です。
例えば、
- 対面での商談がオンラインでも可能になった
- 大容量のデータを簡単に送受信することが可能になった
- 場所を選ばずにPC一台で仕事ができるようになった
こうしたことからもわかる通り、効率的に仕事を行うことができるようになったのです。
しかし、不思議なことにテクノロジーの進歩がもたらした効率性とは反比例するように、現代人が持てる自由時間は減少しています。
1930年、20世紀を代表する経済学者ジョン・メイナード・ケインズはこんな言葉を残していました。
「孫たちの時代には、1週間当たりの労働時間は15時間になる」
ところが、2023年においてもそれは実現されないどころか、長時間労働が社会問題になっています。
こうした現象が発生してしまう理由を本書は、こう語っています。
・人は、「自分は価値のある存在である」と思いたい一心で自ら忙しさを求めている
・忙しいと本当に考えないといけない事柄に対して深く考えずに済む
つまり、現代人は自ら進んで忙しくなっていると言い換えることができるのです。
2. 忙しさがもたらす弊害
ここまで見てきたように、現代人は自ら忙しさを求めていることがわかります。
そしてこれは、社会で常に成果を求められている営業パーソンこそ当てはまる傾向にあるのではないのでしょうか。
- 上司や同僚の目を意識してつい忙しいタスクを自らに課してしまう
- 仕事の優先順位付けが難しく、常に緊急性の高い仕事を優先してしまう
もちろん、忙しく仕事をし続けることは、短期的に見れば、ポジティブな影響を与える可能性は大いにあります。
- 周囲のメンバーから優秀であると思われやすくなる
- 業績目標・ノルマが達成しやすくなる
- 人生において充足感を感じやすくなる
しかし、その反面、短期的な目線に立っているが故に、「わかりやすい数字」や「早く結果の出る行動」を求めてしまいやすくなるのです。
ただ、そうした短期的に成果が出る行動(短期戦略)を継続した場合、本当に実現したい「ビジョン・目標」は実現できない可能性が出てきてしまうと本書は警鐘を鳴らしています。
これは、そもそもビジョンや目標は一朝一夕では達成しづらい性質を持っており、計画的に地道に行動をし続ける必要があるからです。つまり、長期的な目線が必要なのです。
では、どうすれば、自分自身が実現したかったビジョンを実現できるようになるのか。
その答えを本書では、「余白」としています。
3. 余白から始まる長期戦略
一般的に大きな目標を実現するには、その目標の難易度に比例して要する時間は増大する傾向にあります。
営業パーソンであれば、下記がその代表例でしょう。
- プレゼン用の資料作成
- 難易度の高いノルマの達成
- 資格取得
- 大口の取引先との契約
- 昇進
そして、それらはどれも一朝一夕で到達できないからこそ、時間をかけて計画を練っていく必要があるのです。
そこで重要になってくるのが「余白」です。
余白とは、「心の余白」、「時間の余白」などの意味になります。つまり「精神的な余裕」ということです。
ここでは、本書で語られているおすすめの「余白」の生み出し方を一つご紹介したいと思います。
それは、「重要でない仕事は断る」です。
そんなことは出来ない…と思う方もいるのかもしれません。実際、仕事を断るには勇気が必要ですし、立場上難しい場合もあります。
そこで、仕事を依頼された際に、次の質問投げかけてみることをお勧めします。
「お役に立てるなら嬉しいです。どんなお話がしたいのかもう少し詳しく教えていただけませんか?私にできるかどうか判断したいので。」
この場合、相談者は質問に回答する形になるので、もし自分で対応できない範囲であれば、仕事自体を断りやすくなります。
重要でない仕事を断り、余白を作ることは簡単なことではないですが、少しずつ実践していけば、確実に「余白」は作り出せるのではないでしょうか。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか。
本日は、現代人の忙しさの背景とその改善方法について語ってきました。
誰よりも忙しくなりやい営業パーソンだからこそ、意識的に自分が本当に対応するべき仕事を取捨選択し、余白を作り続けることが重要になるのです。
また、本書では、本記事で紹介した内容以外にも、営業パーソンに役立つ様々な知識が満載です。少しでも気になった方は、ぜひ実際に本書をお手に取ってみてください。
この記事が少しでも皆様も営業活動にお役に立てば幸いです。
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営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
荻原エデル
社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。