後世への最大遺物(内村 鑑三著 2011年 岩波文庫) ~私たちが、この世に残せるものは何かを考えよう!~
こんにちは。石井です。
今回は、「後世への最大遺物」をご紹介します。
内村鑑三の書籍は、これまでトップセールスの本棚でも紹介させていただきました。
内村鑑三は数々の名著を残しておりますが、今回はそのうちの1冊です。「後世への最大遺物」という書籍になります。
こちらは、内村鑑三の講演会をまとめたものであり、1897年(37歳)に出版されたものになります。
私たちは、この世に何を残すのか・・・それを必死に考え、熱くなる書籍です。
目次
1. 内村鑑三という人物
内村鑑三は、1861年生まれの人物です。キリスト教思想家であり、数多くの書籍をこの世に残しました。
幼少期は、武士としての教育を受け、後にキリスト教徒へと回心しています。
また、アメリカへの留学も経験し、自身でキリスト教を肌で感じ、思想を築き上げた人物です。
ところで、なぜ内村鑑三が武士道からキリスト教へと回心したのか?
大変興味深いことに、内村鑑三は武士道とキリスト教の一致を思想の1つにしています。つまり、両者は同じであると・・・だからこそ、すんなり回心できたということなのです。
では、その一致している要素は何か?
それは、きっと自身の人生をもって何かを成し遂げることであり、自身の生命を何かに捧げることに他なりません。
では、内村鑑三は「後世に残せるもの」は何と説いたのでしょうか。
2. この世に残すもの
本書において、内村鑑三は後世に残せるものの1つに「お金」をあげています。
私は「お金」と聞いて、はじめは少しびっくりしたことを覚えています。キリスト教を信仰しているのに・・・まずはお金なのか?といった心境です。
でも、これには背景があります。「お金」の使い方が重要であるということです。具体的な使い道としては、慈善事業があげられます。確かに、お金を正しく使えば多くの人を救えるでしょう。
しかし、誰もがお金を持っているわけではありません。そんなとき、内村鑑三は「事業」を残すべきであると述べています。
「事業」とは後世に続くものです。日本でも、多くの会社が次の世代へとバトンタッチされ、繁栄しています。このような意味で、「事業」を残すことは大事と言えるでしょう。
ただし、「事業」を残すこともかなり大変なことです。ましてや、会社を経営されている方は一握りと言えるでしょう。それであれば、どうするか・・・
内村鑑三は、「文学」や「芸術」を残すこともできるでしょうと説いています。しかし、これも同様にこのようなことが残せる方とそうでない方がいて当然です。
では、誰でも残せるもの、そして最大遺物となるものは何か?
内村鑑三は、それを「崇高な人生」としています。そして、そのような人生を歩むことで精神をこの愛すべき地球に残すことができると・・・
私は、この想いに出会ったときの感動を今でも覚えています。実際に、初めて読んだのは今から約10年前ほどです。しかし、この想いは未だに自分の心から離れません。
3. 私たちは何を残すのか
私たちにとっての遺物とは何でしょうか。
私は、内村鑑三の思想を知ってから、「精神性の高い仕事をしよう」と考えるようになりました。平たく言うと、想いを持って仕事をしようということです。
私たちは、仕事に慣れればある程度こなすことができ、ある程度成果を創出することもできようになるかもしれません。確かに、仕事における生産性やアウトプットの質は大切です。
でも、私は「仕事とは精神でするものである」ということを忘れたくはありません。それこそが、私たち人間ができる仕事であると信じていますし、そうでありたいとも思います。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか。
私たちはたった一回の人生を生きています。輪廻転生を信じている方もいらっしゃるかもしれませんが、この時期に、今のあなた、私たちであるのはたった一回です。
そんな一回の人生、予測不可能なこの人生を精神性高く生きていこうではありませんか!
その想いを持ってこそ、高い次元の仕事を可能にさせ、人生を豊かなものにさせ、最終的には後世への最大遺物を残すことにもつながるのでしょう。
※内村 鑑三著作をご紹介したトップセールスの本棚を参考までにご紹介します。
代表的日本人~上杉鷹山編~
代表的日本人~西郷隆盛編~
代表的日本人~中江藤樹編~
代表的日本人~日蓮上人編~
代表的日本人~二宮尊徳編~
基督信徒のなぐさめ
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ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。