若きウェルテルの悩み(ゲーテ著 1951年 岩波文庫)~青春の苦悩。生きる意味を問いかける死ぬまでに読みたい重厚な一冊~
こんにちは。石井です。
今回は、「若きウェルテルの悩み」をご紹介します。本書はあまりにも有名であるため、多くの方がタイトルはご存じだと思います。そして、作者はゲーテですが、こちらも私が解説するまでもないはずです。
しかし、「若きウェルテルの悩み」を読んだことがある人は、そう多くないかもしれません。私個人としては、「そんなもったいないことはない」と思ってしまうほどの名作中の名作です。
本書を通して感じ取れることは山ほどありますが、今回は青春とその生き方について私なりに考察を深めていこうと思います。
目次
1. 「若きウェルテルの悩み」の概要とあらすじ
「若きウェルテルの悩み」は、ゲーテの実体験を元にした小説です。
主人公であるウェルテルがロッテに決して叶わぬ恋をします。この恋心と言ったら、ひたむきな愛としか言えないようなまさに純愛です。
叶わぬ恋とは、ロッテには婚約者(のちの夫)であるアルベルトがいたためです。でも、ロッテもウェルテルのことを愛していた。そして、それはウェルテルもわかっていたのです。
そんな二人は、度々「会わない約束」をします。そして、ロッテは「あの世で会えるよね?」とウェルテルに問いかけます。そんなやり取りの1つ1つが、ウェルテルの心に圧し掛かっていくことになります。
最終的には、ウェルテルは「旅に行くからピストルを貸してほしい」とアルベルトに頼みます。※アルベルトも、ウェルテルとロッテの関係のことを認識しています。
そして、ウェルテルはピストルを受け取り、そのピストルは、ロッテが埃をふいて手渡したものであるとして、青春の苦悩を感じながらもある種の快楽を得てピストルの引き金を引いたのです。
いかがでしょうか。
本当に要点だけをまとめたあらすじですが、感じるものはありませんか?では、本書から感じ取れることを記載していきます。
2. 青春とは何か?
ゲーテは、晩年に
「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がなかったら、その人生は不幸だ。」
という言葉を残しています。
青春とは、「自分ができると思っていたものができないと感じる過程」であり、「花のような時間」ではないでしょうか。つまり、ある種の限界を享受し、いつかは散る感覚を知る…だからこそ美しいとも言えるのではないかと…。
私たちは、いつかは終わる人生の中にいます。輪廻転生を信じるかどうかは人それぞれですが、いまの自分としての人生、いまの自分として周りにいる人やモノや環境と生きる人生はたった一回だけです。
このようなある意味での一回性の悲しみを感じて生きるのが人生ではないでしょうか。そんなたった一回の人生の中で、想いが破られることがあるのがまた人生です。
ウェルテルのように叶わぬ恋もあれば、夢を絶たれることもあるでしょう。
ただ、だからこそ人生は面白いとも言えるのではないでしょうか。自分のできないことを知り、その中で自分の生きる意味を探していくことに真の楽しさがあり、生きがいがあるのでかもしれません。
3. 生きるとは?
結果的に、ウェルテルは自身で命を絶ちました。そのくらい辛かったのでしょう。そして、自分がいることで、ロッテとアルベルトの幸せな生活を邪魔してしまうという想いもあったと思います。
私の見解ですが、自分の命に代えても叶えたいことがあったウェルテルの精神力は凄まじいものがあります。そして、幸せでもあったと思います。
このウェルテルの最期を見つめると、私たちの仕事とは少しかけ離れているようにも感じられるかもしれません。でも、私はそうではないと思います。
なぜならば、私たちは「限られた私たちの命を使って仕事をしている」からです。言い換えると、有限な生きている時間と引き換えに誰かのために尽くしていることが仕事なのです。このような見方になると、私たちは自分の命を使い果たす仕事ができているでしょうか?
私は、ウェルテルから生きる意味を考えるきっかけをもらいました。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか。
「若きウェルテルの悩み」は、やや古い書籍であり難しいと思う方もいらっしゃるかもしれません。ただ、仮に難しいと思われたとしても読む価値がある本だと断言します。
今、私たちは死ぬまでに最も若い今を生きています。
これからどのように生きるかを「若きウェルテルの悩み」から考えてみてはいかがでしょうか?
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ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。