無(最高の状態)(鈴木裕著 2021年 クロスメディア・パブリッシング)~「苦」との上手な付き合い方~
こんにちは。荻原です。
本日は、私の大好きな作家である鈴木裕氏の最新作である「無(最高の状態)(2021年 クロスメディア・パブリッシング)」をご紹介します。
私たち営業担当者は日々、様々なお客様と連絡を取ったり、複数の案件を同時に遂行したりしています。
忙しい日々を過ごすことで、時には充実感を得ることができます。それにより、総じて「営業って楽しい!」と感じることもあるでしょう。
しかし、コインの裏側を見ると同じくらいの「苦」を経験することも多いはずです。まさに、苦楽とは表裏一体です。
しかし、どれだけ頑張っても「苦」が「楽」より勝り、それにより、嫌気がさしてしまうことがあるかもしれません。
本記事では、そんな「苦」の大部分を減らす思考法を共有できればと思います。
それでは、見ていきましょう。
1. そもそも「苦」とは何か?
これは、
「この世の全ては苦しい体験ばかりであり、最後にはみな命を落として塵に帰る。これこそが人生の真実である」という考え方です。(無より引用)
確かに営業シーンを見ても、ヒューマンエラーをはじめとする小さな「ミス」、社内における「人間関係の不和」、お客様から受注を得られなかった「失注」など、多くの「苦」が存在します。
もちろん、これらの「苦」があるからこそ、成果を創出したときの喜びは大きく跳ね上がるとも言えます。
このように、「苦」とは営業活動と切っても切り離せないものですが、本記事では、下記のような幅広い意味での「苦」を前提に話を進めていきたいと思います。
・虚しさ
・不快さ
・思い通りにいかないこと
2. 人間のネガティブ本能
そのため、自らの性格をポジティブにしようと頑張る人もいます。
しかし、最近の研究によると、「ネガティブ」と「性格」は関係がないことがわかっています。
なぜなら、生後3ヶ月の性格が形成される前の赤ん坊ですら、ネガティブな反応を示すからです。
このことから、科学の世界ではネガティブは人間の本能に刻まれているものであるとされています。
では、このネガティブは、なぜ存在をするのでしょうか?その答えは、原始時代にまで遡ります。
現代とは違い、当時は、常に命の危険と隣合わせであったために、「リスクを回避できた存在」だけが生き延びられたのです。
例えば、寝ているとき、外で物音がしたら「動物がきたかもしれない、食べられてしまう。」急に雨が強くなったら「洪水で家がなくなってしまうかもしれない。」といったように、生命を守るため、常にネガティブのアンテナを持っているのが人類なのです。
その人類の子孫こそ、私達であり、それゆえにネガティブは本能として存在するのです。
上記を踏まえて、苦しみの正体を見ていきましょう。
3. 苦しみの正体「第2の矢」
第2の矢とは、一言にすると「起きた事象に対して、様々な事を考えるあまり自分で自分を傷つけてしまうこと」です。
イメージを掴んでもらうために具体的な営業事例で見ていきましょう。
<事例>
AさんはとBさんは協力して精一杯準備をし、商談にのぞみました。しかし、残念なことにその案件を失注してしまいました。
この時、案件の失注から感じる精神的な苦しさには、人それぞれ程度の差はありますが、「苦」を感じることは共通していると言えます。
しかし、もしAさんだけが以下のような事を失注後も考え続けた場合は、その限りではありません。
・自分のプレゼンスキルが足りなかったのかな…
・スムーズにお客様に説明できなかったからかな…
・自分はこの仕事向いていないのかな…
この起きてしまった事象(失注したこと)に加えて、次々と自分に矢を放ち続けることが苦しみの原因であると本書では語っています。
これが第2の矢です。
確かに案件を失注してしまった事自体は悔しいことでしょう。しかし、事象として切り取るとそれだけであるとも言えます。もし、ここで苦しみだけを噛み締めたのであれば、傷は浅いとも言えます。
この第2の矢を減らすだけでも精神的な悩みの多くは解決され苦しさは軽減できます。
自分が第2の矢を自分に打ち込んでいるなと感じたら、本記事のことを思い出し第2の矢を打ち込むのを止めてみるといいかもしれません。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか?
本記事で紹介した物事の考え方が皆さんにとって営業をする上でのヒントになっていれば幸いです。
本書では、上記の考え方の他にも複数のメンタル強化トレーニングを紹介しています。
もし、より円滑な営業活動をしたいと思う方がいれば、ぜひ購入してみてください!
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営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。