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知らないと恥をかく 世界の大問題12(池上彰 2021年 角川新書)営業こそ、世界視点で問題を考え、リーダーとしての意思決定力に磨きをかけよう!

 

こんにちは。石井です。

今回は、ジャーナリストとして有名な池上彰氏の書籍をご紹介します。ここ数年、リベラルアーツという言葉をよく耳にします。書籍や番組などで、よく出てくる言葉です。

では、なぜ営業がニュース番組や新聞を通して、世界情勢を取得する必要があるのでしょうか?

また、なぜリベラルアーツ的な学びが必要なのでしょうか?「世界の大問題」をテーマにしている本書を読みつつ、考えてきましょう!

 

1. 世界情勢は、なぜ学ぶべきことなのか?

営業は、お客様とコミュニケーションする機会が多く、それ故に「時事ニュース」を日頃からアップデートしている方が多いと思います。

では、なぜお客様とコミュニケーションをする際に、「時事ニュース」を知っておくべきなのでしょうか?

 

真っ先に思いつく事柄に、お客様情報またはお客様の業界やビジネスに関連する情報を取得しておくことで、「対話をスムーズに進めることができるからと」いうことがあげられます。

これは紛れもなく大切です。しかし、これだけでは不十分であるように感じます。それはなぜか…。

なぜ、営業が時事ニュース、つまりは世界情勢を知る必要があるのでしょうか。

私なりの答えですが、

「リーダーとしての意思決定を学ぶため」

であると思います。

世界情勢を得ることで、世界のリーダーが行っている意思決定を知ることができます。

そこから、「もし自分が当事者であれば、どのような意思決定をするか」という思考をすることこそ、時事ニュースにアクセスする本当の目的であると考えています。

 

2. 営業が抱えるジレンマと意思決定

営業活動をする中で、営業はさまざまなジレンマを抱えています。

簡単な例をあげましょう。

あなたは、とある会社の優秀な営業担当者です。

今年度の売上達成次第では、次期取締役候補になる可能性もあります。

このような状況下で、あと1か月で100万円の積み上げが必要です。この数字が積み上がりさえすれば、取締役への道も開けます。

昨日、上司からは「残り100万!おまえの昇進のために、死ぬ気でお客様から取ってこい!」と尻を叩かれました。

本日、お得意様との商談があります。あなたは、どのような気持ちですか?

 

これは極端な例かもしれませんが、似たようなケースは珍しくありません。

営業は、常にお客様に価値を提供しようと思う一方、自身の売上数値を上げなければならないというジレンマを抱えています。

もちろん、お客様に素晴らしい価値を提供した上で、自身の売上達成もできればそれに越したことはありませんが、このように上手くはいかないこともしばしばあります。

このようなときに、営業としてどのような意思決定をするのか?

 

普段から、リーダーとしての意思決定を考えていると、自身の答えを出すこともできるようになることに加え、自身の答えに対しての自信も芽生え、行動にドライブが効くようになるのです。

営業は、

「リーダーとして自身がどのような意思決定をすることが正しいのか?」

ということを常に問いかけられている仕事なのです。

 

3. ワンランク上の営業リーダーになるために

ワンランク上の営業リーダーとは、どのような存在か。

それは、高い視座で幅広く世の中を俯瞰することで多角的な視点も持ち、自身の意思決定に強い信念と責任を持つことができる存在だと思います。

 

例えば、本書を読むと「ウイグル自治区」に関する箇所があります。

ウイグルでは、少数民族であるイスラム教の方々が、中国政府から迫害を受けているのではないか?ということが連日ニュースで取り上げられています。

このような状況の中で、アメリカをはじめとするいくつかの国が、ウイグルで強制的に作られたとされる製品の不買活動をしています。

 

ここまで読むと、なぜ不買運動をするのかということがなんとなく理解できますが、これらの情報を知るだけではリーダーとしての意思決定に磨きがかかりません。大切なことはここからです。

では、なぜ中国の習近平国家主席は、このような活動をする意思決定をしたのでしょうか。また、アメリカをはじめとする各国は、なぜ不買という意思決定を下したのでしょうか。

上記のような問いをベースに背景を深く理解して、双方の立場になることで意思決定の本質が見えてくると思います。

特に営業は前章でもお伝えした通り、ジレンマを抱えることが多い職種です。そのため、双方の立場で物事を考えることが大切なのです。

 

4. おわりに

2022年の幕開けと共に、新型コロナウイルスの変異種であるオミクロン株が蔓延してきました。まだ予断を許さない状態が続く可能性があります。

しかし、私たちは未来の見えないこのような状況下でこそ、営業のリーダーとして意思決定をする必要があるのです。

もっと言うと、先が見えない状況だからこそ、意志を生み、決断する必要があるのです。

 

本書を通して、世界情勢を知り、その上で意思決定について考えてみましょう。本書では、ウイグル自治区やコロナウイルスの問題に加え、アメリカ大統領選挙やイギリスのEU離脱など、幅広いトピックが掲載されています。

これを機に、営業リーダーとしての意思決定に磨きをかけましょう!

 

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ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。


石井 健博

ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。

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