完訳 7つの習慣 人格主義の回復(スティーブン・R.コヴィー 著 2013年 キングベアー出版)【全4回】名著:7つの習慣から学ぶ、営業にとって本当に大切なこと ~第一回~
こんにちは。石井です。
今回のトップセールスの本棚では、「完訳 7つの習慣」をご紹介します。
世界的なベストセラーであり、多くの育成コンテンツも存在するため、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
7つの習慣は、全世界で累計販売数3,000万部を記録し、ビジネス書として確固たる地位を確立しています。
「人生に活かせる素晴らしい内容」と評価される一方で、読んだ方の中から、「営業シーンでどのように活かすかがわからない」という声もあがってきています。
そこで、本記事では「営業担当者にとって有益な、【7つの習慣の活かし方】」について考えていきます。
※弊社、株式会社アルヴァスデザインは、フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社と共同で、「7つの習慣®Forセールスパーソン」という営業人材向けに特化した7つの習慣研修をリリースしています。
「7つの習慣と営業」に関しては、企業への研修実施を通して多くのノウハウがあるため、本記事にてご紹介していきます。
第一回:7つの習慣の基本概念 ← 今回のコラムはこちら!
第二回:私的成功:第1の習慣~第3の習慣
第三回:公的成功:第4の習慣~第6の習慣
第四回:再新再生:第7の習慣
目次
1. 「7つの習慣」とは?
まず、7つの習慣の基本概念を確認していきましょう。
7つの習慣は、ビジネスシーンのみならず、人生そのものの「成功」にフォーカスしています。
著者のスティーブン・R・コヴィー博士は、アメリカ建国(1776年)以来に発行された200年分の成功に関する文献を調査しました。
その中で、コヴィー博士は、あることを発見します。200年分の文献の中で、直近50年間は、「スキル」に関する成功論が多いこと、そしてそれ以前の150年は「マインド」に関する成功の記述が多いことです。
7つの習慣の表紙に、「人格主義の回復」という言葉が記載されている通り、コヴィー博士が伝えたかったことは、「スキル」よりも「マインド」にあります。
そして、ここで言うマインドとは「人格」そのものであり、人格を形成することこそが、成功へのカギになると述べているのです。
では、人格を形成するために、大切になることは何でしょうか。
7つの習慣を1つ1つ解説する前に、まずは基本概念となる「インサイドアウト」と「パラダイム」をみていきましょう。
2. 基本概念その1:インサイドアウトとは?
インサイドアウトとは、7つの習慣を理解する上で、重要になる考え方です。
インサイドアウトとは、「内側から外側」という意味を表し、
問題解決をする際に、問題の原因を常に内側(自分)に向ける思考
を指します。
例えば、営業の売上について考えてみましょう。
売上を達成できなかったAさんとBさんがいたとします。
売上未達という事実は同じなのですが、「売上未達への考え方」がAさんとBさんとで明らかに違いました。
Aさんは、売上未達の原因を、「担当テリトリー」のせいにしました。一方で、Bさんは、「自分の営業スキル不足」のせいにしました。
これは極端な例であり、売上未達の原因が「担当テリトリー」にあることもあるでしょう。しかし、Aさんが「自分の外側」に問題の原因を求めるという思考を止めない限り、Aさんの営業としての成長は頭打ちになってしまう可能性があります。
次に、営業マネージャーにおける具体例も考えてみましょう。
部下メンバーのモチベーションが低いことに悩んでいた、マネージャーCさんとDさんがいます。
Cさんは、「最近入社する若者は、仕事への意欲が低いね」と常々口にしています。
Dさんは、「どのようにしたら、部下メンバーのモチベーションがあがるのか」と日々周りのマネージャーと相談しています。
CさんとDさんの決定的な違いは、問題の原因を内側(自分)に向けようと思ったかどうかです。
確かに、全ての原因が自分自身にあると思考することは、辛く大変なことです。そのため、「全て自分が悪い」と考えすぎることは良くないと思います。
しかし、「もしかしたら、問題の原因は、内側(自分)にあるかもしれない!?」という問いを投げかけることは、営業として成長するには大切なマインドなのです。
3. 基本概念その2:パラダイムとは?
「パラダイム」とは、どのような意味でしょうか。
パラダイムは、分かりやすく言うと
「モノの見方や捉え方」
です。
具体例をご紹介します。
あなたは、とある日本のマーケットにおいて、日本で販売されたことのない最新システムを販売することになりました。このシステムを導入することは、日本にとって大きな衝撃を与えることは間違いないほどの商品です。
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【Eさんの場合】
Eさんは、担当されたテリトリーで、早速お客様の調査を開始しました。そこでわかったことがあります。それは、システムが最先端すぎたため、どのお客様も「このシステムを買いたい!」と思っていないことです。
そこでEさんは思いました。「どのお客様も、このシステムに興味がないのなら、売れるはずがない・・・。」
【Fさんの場合】
Fさんも、市場を調査するとEさんと同様の結果が出ました。
しかし、Fさんは、Eさんと違った感触を手にしていました。「どのお客様も、このシステムに詳しくない!競合もまるでいない!今、仕掛ければ数年後にはこの市場を独占できるぞ!」
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前述した通り、パラダイムとは、モノの見方や捉え方です。
EさんとFさんは、全く同じ環境であったにも関わらず、市場の見方や捉え方が全く違います。
日々、営業活動をしていると、このように「見える世界が営業担当者によって異なる」という事態が起きるのです。そして、この見方や捉え方次第で、営業担当者の仕事へのモチベーションは変わり、強いては営業のやり方も変わってくるのです。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、7つの習慣の基本的な概念をお伝えしました。
「インサイドアウト」「パラダイム」を意識して営業をすることで、少しずつでも成長することは可能です。
小さな意識であっても、積み重ねることは偉大な成果をあげることにつながるのです。
次回は、第二回として、第1~3の習慣をお伝えします。
第一回:7つの習慣の基本概念 ← 今回のコラムはこちら!
第二回:私的成功:第1の習慣~第3の習慣
第三回:公的成功:第4の習慣~第6の習慣
第四回:再新再生:第7の習慣
本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒完訳 7つの習慣
【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。