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リーダーの「挫折力」(冨山 和彦 2021年 PHP研究所)これからの時代は「挫折力」がキーになる。

こんにちは。松下です。

今回は、2021年3月11日に出版されてまもない『リーダーの「挫折力」』をご紹介します。

本書の著者は冨山和彦氏で、カネボウ、パイオニア、JALなど数多くの企業の再生支援に携わった人物です。

実は、本書の元となる作品は2011年に「挫折力」というタイトルで出版されています。

しかし、10年の時を経てもやはり「挫折力」が重要であり、むしろ不可避になってきているという事で、直近の時代に合わせて大幅に加筆・修正を行ったのが本書です。

 

これからの時代の先行きに漠然とした不安を覚えている方、営業担当者としてうまく立ち回りたいがどうしたら良いのだろう?と悩んでいる方にお勧めの一冊です。きっと「失敗」や「挫折」に関するマインドが変わるきっかけになることでしょう。

 

1. 「挫折力」とは何か?

「挫折力」という言葉、皆さんは聞いたことありますでしょうか?
私は初めて聞きました。
それもそのはず、この「挫折力」という単語は、著者の造語なんだそうです。

本書では、「挫折力」について

「挫折を愛し、乗り越え、活かしていく力」

と定義しています。

「レジリエンス(打たれ強さ)」という言葉とも同義だそうですが、「挫折から立ち直る方法」といった現状復帰の視点ではなく「挫折を活かしより前に進むための方法」といったより前向きかつ積極的な視点で捉えているところが大きな特徴です。

また、著者は、「挫折こそが人を成長させる」とも言い切っています。
では、なぜ、「挫折力」は必要なのでしょうか?

2. 「挫折力」が、いま必要な理由

「挫折力」が必要な理由について、本書では、時代の影響を大きく取り上げています。昨年からコロナウイルスの影響で我々の生活スタイルは大きく変化しました。今まで当たり前であった生活様式が見直され、働き方に関しても大きな変革が求められました。

今後も、この影響は続く上に、また新たなカタチで予想もしなかった危機が繰り返し訪れる・・・。

「有事が平時になる時代」と本書にも書かれていますが、それほどに変化の激しい時代になっています。

そのような時代においては、変化に対応することが必要で、積極的な改革が求められます。「失敗したことながない」「常に満点」「輝かしい成功体験のみ」といった今まで日本社会で優遇されてきた優等生的な人物は必要とされず、生き残るのが難しいのです。

企業レベルで見ても同じことが言えます。挫折経験を伴ったアップルやノキア、ソニーや日立といった企業が、まさにその挫折を活かし見事に変革を成功させ、強く変わることが出来ています。

むしろ、「挫折」が時代を開く力になるという訳です。

3. 「挫折」がもたらす4つのメリット

では、挫折をすることの具体的なメリットは何でしょうか?

本書では「挫折」の代表的なメリットを4つ挙げています。

(1)打たれ強くなる(若いうちは心身ともに復元力が旺盛なので、打たれた部分がむしろ強くたくましくなる)
(2)過去をリセットできる(挫折して振り出しに戻ってみると、意外にも過去の事柄にはどうでもいい話が多いことに気がつく)
(3)敗因を分析することで、次の戦いに活かすことができる
(4)何よりも挫折をしてみると自分という人間がよくわかる

こう見ると挫折経験は大いに人生の糧とすることができることが言えそうです。

本コラムをご覧になっている営業担当者の皆さま、あなたの挫折経験がこれからの時代を生き抜く糧となるとしたらいかがでしょうか?!チャンス到来です。何かに失敗し挫折した体験はなるべく振り返りたくないという心理が働くかもしれません。

しかし、挫折体験をただの挫折で終わらせず、「挫折力」とし次に活かすためには、過去の失敗した自分を、今の自分とは違う人間(別人格)と捉えて自己観察をしてみることが大切です。

4. 優等生脱却のススメ

一方で、よく考えると自分は優等生タイプで「ほとんど失敗したことが無いな」という方に向けて、筆者から次のようなススメが書かれています。

「自分がつい相手の顔色ばかりうかがう人間になっていないか」振り返ってみてください。もし、上記に当てはまるなと思ったら、むやみやたらに周囲と対立する必要はないまでも、
自分が本気で「違う」と思ったときにはあくまで「反対」を貫いてみましょう。それが優等生から変わるチャンスになります。

また、営業という文脈で、このことを考えてみましょう。

・お客様から良く思われたいあまり、Yesマンになっていないか?
・お客様に対して、間違っていることを指摘できているか?
・上司から指示されたことは絶対だと思っていないか?

もし、これからの中で気になる点があれば、ぜひ自らの言動を振り返ってみましょう。

例えば、お客様との商談の際に、お客様のお話に対して「違う」という反対意見を持った場合は思い切って伝えてみる、というところからスタートしてみると良いかもしれませんね。
(伝え方のコツは<トップセールスの本棚>スタンフォード式 生き抜く力(星 友啓著 2020年 ダイヤモンド社)にも書かれています。是非参考にしてみてください。)

5. おわりに

いかがでしたでしょうか。

本コラムでは、「挫折力」に焦点をあて、その重要性についてお伝えいたしました。しかし、書籍の中では、「挫折力」の他にも「泥沼の人間関係構築から学ぶ」「これからの時代のリーダーに必要な仕事とは?」など目から鱗の内容が数多く書かれています。特に、営業現場ではお客様内部の人間関係や組織構造を理解し、反対派をどのように味方につけていくか?など、筋道を一緒に考えるシーンも多いでしょう。そんな際に役立つ内容も描かれています。

ぜひ、気になった方はご一読ください。

本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒リーダーの「挫折力」

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株式会社アルヴァスデザイン・マーケティング担当。
大学卒業後、大手電機メーカーでシステム営業を経験。
2014年よりアルヴァスデザインへ参画。
旅と犬をこよなく愛する1児の母。

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