ALVAS JOURNAL

スタンフォード式 生き抜く力(星 友啓著 2020年 ダイヤモンド社)

 

こんにちは。高橋です。
先日、私の経営者仲間から「ビジネスパーソンとして人生の中で糧になる考え方が満載だよ。」と読書のススメがあり、しっかりと影響されて手にしたのが「スタンフォード式 生き抜く力」(星 友啓著 2020年 ダイヤモンド社)という本です。本日は、こちらをご紹介します。

 

本書の作者は、スタンフォード・オンライン・ハイスクールの校長を務める星 友啓氏です。
星氏は、哲学博士の肩書も持っており、本著には哲学的な内容も踏まえ人間の本質が描かれています。そして、その本質を活用し、良好な人間関係構築をするための実際の会話の組み立て方までもが紹介されています。
もし、仕事で疲れたなという方や、何だか周りとの人間関係がうまくいかない!という漠然とした悩みに陥っている方には、特におすすめの一冊です。

 

1. 生き抜く力を形成する重要な因子「エンパシー」

本著では、「思いやり」のことを「エンパシー」という言葉で表現し、その大切さについて書かれています。

はじめに、ビルゲイツのこんな言葉が紹介されています。

エンパシー無しのイノベーションは意味が無い
エンパシーはイノベーションと同じくらい大切であり
さまざまな障害を打ち破って未来を開拓してくれる力となる

エンパシーの絶大な力を感じさせる一言ですね。
ではなぜ、エンパシーが大切なのでしょうか?

2. 思いやりの科学

科学が出したエンパシーが大事な理由はいたってシンプルです。

「エンパシーを持つことが私たちにとって得だから」です。
どのように得なのか。本著の中では、「エンパシーをもつことで長寿になる」という事が一例として紹介されています。科学的に、思いやりの冥想を継続すると細胞に変化が起こり細胞の年の取り方が遅くなることが証明されているのです。人間の根本にも関わる生命の維持というレベルから得なんですね。

3. エンパシーが営業をスムーズにする

では、実際の営業活動のシーンではこのエンパシーをどのように生かすと良いでしょうか?
一例として、「反対の立場を取る」シーンを取り上げてみたいと思います。

営業をしていると、「お客様の意見に、反対の立場を取らなければならない」そんなことも、数多くあると思います。
そんな状況に陥った時、皆さんはお客様に対しどのように対応しますか?

パターンA:「いやいや、○○じゃないですか?」と寄り切り型で反対意見を述べる
パターンB:「分かりました!」と盲目的に反対意見を受容してしまう
パターンC:「○○という意見には反対です」と思いやりを持って反対意見を述べる

おそらくこの3つのパターンのいずれかに入るのではないでしょうか。私もこれまで数多く営業を受けてきましたが、振り返って分類してみると、圧倒的にパターンBの営業が多かったように思います。
確かに、お客様の意見に対して、私は反対だな。と思ったときにストレートに意見を伝えるのは気が引ける現場もありますよね。

そんな時、実践で役立つ伝え方の5Stepを取り上げます。

4. 反対意見を述べるときはエンパシーを

反対意見を述べる5Step
① お客様の意見を自分の言葉に置き換えて伝える
② その考えの良い所を言う、そういう考え方もできると感じた理由を述べる
③ 受け止めた後にお客様の意見の弱みを伝える
→例)少しひっかかるのは、○○が問題になるということです
④ 反対の立場であることをお伝えする
→例)その問題を考えると「とりあえず、反対」の立場になってしまうんです
⑤ 最後に○○と思ったんですが、お客様はどう思いましたか?と伝える(オープンな姿勢を見せる)

上記が感情的な対立を生まないエンパシーを活用した反対意見の述べ方です。

まずは、お客様の発言を受け止めながら、結果的に反対の立場になってしまうことを伝える。

これは、「お客様に対して思いやりを持った上でお互いにちゃんと意見を交換し合う」ということを極限まで高める上で役に立つ考え方ではないでしょうか。

5. まとめ

いかがでしたでしょうか?
本日ご紹介したのは、反対意見を述べる際のエンパシーの活用法でしたが、これはあくまで一例にすぎません。本著には多数のケースが紹介されています。

エンパシーを持ってお客様と向き合うと、お客様の満足度も高くなり、自分自身の幸福感も高まるでしょう。エンパシーを持つことは、お客様のためでもありますが、自分の為であるのです。

ご自身の人生を豊かにするために是非、手に取って頂きたい一冊です。

本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒スタンフォード式 生き抜く力

 

〇トップセールスの本棚とは?
【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

代表取締役 CVO
早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
2013年株式会社アルヴァスデザイン設立。2018年「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」出版。

RELATED ARTICLES よく読まれている記事

営業の価値を高める旅、
それは終わりのない旅。
だって、まだまだ
営業は良くなる。