イシューからはじめよ(安宅和人 2010年 英治出版) 営業パーソンは、お客様の答えるべき問いを見つけよう!
こんにちは。石井です。
とても当たり前のことですが、営業パーソンにとって、お客様の課題を解決することは大切です。ただ、ここで忘れてはいけないことは、「答えるべき問いに対して解決する」ということです。
日々営業活動をしていると、我々はついお客様の課題を解決するために、すぐに提案をしたくなります。つまり解決策を探したくなるわけです。
しかし、この本を読むことで、いかに問い(=イシュー)が大事なのかということに気づかされます。
マネジメントで有名な、ピーター・ドラッカーはこのような名言を残しています。
重要なことは、正しい答えを見つけることではない。
正しい問いを探すことである。間違った問いに対する正しい答えほど、
危険とはいえないまでも役に立たないものはない。
さて、今回紹介させていただく著書は、最近「シンニホン」という本でも有名になった安宅和人氏の著書「イシューからはじめよ」です
出版は2010年と、少し前になりますが、まだご存知ない方はぜひ手に取ってみてください!
1. バリューのある仕事とは?
本著では、これからの社会を生き抜く「バリューのある仕事」が定義されています。
それは、下記の図1に示すように「解の質とイシュー度がともに高い仕事」になります。
(図1)イシューのある仕事
営業パーソンは、数字の目標を目の前にしてしまうと、どうしても短期的な数字目標を追いかけ、「解の質」を高めようとします。
ただ、ここでいったん立ち止まり、それは本当に答えるべき問なのかどうかということを考えてみましょう。
2. 良いイシューとは?
では、良いイシューとはどういうものなのでしょうか。
本著では、下記の3条件が書かれています。
(ⅰ)本質的な選択肢である
(ⅱ)深い仮説がある
(ⅲ)答えを出せる
1つずつ簡単に見ていきましょう。
(ⅰ)本質的な選択肢である
本著では「カギとなる質問」と言い換えられており、「選択肢があり、そのうちのどれかが選ばれることで、先の研究に大きな影響が出るもの」と書かれています。
(ⅱ)深い仮説がある
本著には、「常識を否定できるものがあるかどうか」と記載されています。
(ⅲ)答えを出せる
こちらは当たり前といえば当たり前なのですが、しっかりと答えを出せるものでなければなりません。
3. お客様のイシューを見つけよう
インターネットでの情報収集が当たり前になった今、営業パーソンにとってなかなか商品を売るというのが難しい時代になったと思います。なぜならば、お客様のほとんどが営業パーソンと会う前に購入したい商品の情報を調べきっているためです。
インターネットがまだ発達していなかった時代は、次のいずれかが満たされていれば商談の優位性を確保することができました。
・営業パーソンが商品の情報を正確に伝える
・お客様のおっしゃった課題を解決するための商品を紹介する
しかし、今の商談現場ではこれだけでは不十分と言えます。
我々は、お客様が「答えるべき問い」はそもそも何かということに気付ける営業になる必要があるのです。
4. おわりに
考えるということはなかなか難しいし大変なことですが、お客様のイシューを見つけることができる営業は、これからの時代も生き残るように思います。
お客様がおっしゃる課題は、本当に「解決すべきものなのか」ということを立ち止まって考えてみるのも良いかもしれません。
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営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。