代表的日本人 西郷隆盛編(内村鑑三著 2012年 致知出版社)新しい日本を創設した無欲な西郷から学ぶ「貢献」のあり方
こんにちは。石井です。
今回は、キリスト教の思想家である内村鑑三の著作である「代表的日本人」を取り上げていきます。本書では、5名の代表的日本人が紹介されています。その中で、まずは西郷隆盛をピックアップしたいと思います。
西郷隆盛は、明治維新で活躍した人物であり、上野恩賜公園(=上野公園)には犬を連れた西郷隆盛の像があることは、とても有名です。
彼は、命をこの世のために捧げていきました。これほど無欲で、正義に生きた人はいないでしょう。そんな西郷隆盛から、「私たち営業が、この世にどのように貢献していくか」を考えてみたいと思います。
1. 西郷隆盛の幼少期
西郷隆盛は、1827年に現在の鹿児島県で生まれました。世に誇るほどの由緒ある家柄ではなく、「中より下」の家であったそうです。
長男であった西郷隆盛ですが、幼少期はおさなく、物静か、そして少しまぬけであると言われるほどであったそうです。
しかし、西郷隆盛は
「命というものは主君と国のために捧げるもの」
と話しかけて、目の前で切腹した人を見てから、一気に考えが変わったとのことです。
この強烈な体験は、西郷隆盛の生涯に影響を及ぼし、「身を捧げきる人生」を歩むことになったのです。
2. 敬天愛人
西郷隆盛は、常々
「人を相手にせず、天を相手にせよ。」
と口にしていました。
これは、「敬天愛人」のことです。
西郷隆盛は、天の声を聴き、その使命を背負い全力で生きた人物と言えます。
京セラグループの創設者である稲盛和夫氏は、
【『敬天愛人』-「人間として正しいことを貫く」】
と述べていますが、これは西郷隆盛から学んだ訓なのです。
3. 始動する力
何かをするとき、最も力がいるのは始めです。これは、摩擦エネルギーを考えるとわかりやすいと言えます。
例えば、何か重たいものを押すとき、動き「始める」までが一番エネルギーを使います。つまり、力がいります。しかし、いったん動き始めると、始まりのエネルギーほどは要しません。
0から1を作る、始動する力こそ、最もエネルギーを要するのです。
これを実践してきた人物が西郷隆盛です。西郷は、身に危険が及ぶ可能性があるときですら、自ら先頭にたち、戦いに挑みました。
私欲がなく、そして世に貢献したいと思う、西郷隆盛の心なのです。
4. 貢献する姿勢
私たち営業は、日々お客様に貢献しようと必死になっています。そして、お客様に貢献することこそ、世のためになると意識して仕事をされている方もいるでしょう。
しかし、営業担当者には、どうしてもノルマというものが付きまといます。
売れるか、売れないかという瀬戸際で、営業担当者は「何とか買ってもらいたい!」と思ってしまうものです。
また、営業マネージャーは、部下メンバーに対して、「今月、残り○○円だ!なんとか、数字出してこい!」と思ってしまいます。
ただ、こういうときこそ、「天を相手にすること」が大切なのです。
例え、ノルマが達成できなくても、叱られるのは自分です。お客様に押し売りをすることで、ノルマを達成できたとしても、それは本当に世のために貢献していると言えるのでしょうか。
西郷隆盛は、
世間では、「取れば富み、与えれば失う」と言うが、とんでもない間違いだ。
という言葉を残しています。
営業活動にも同じことが言えるのではないでしょうか。
営業は、決してお客様から「受注を取る」ことではなく、お客様の事業を共に創り出すという意味で、「与える」存在であるべきなのです。
これこそ、営業が世に貢献している状況と言えます。
5. おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、内村鑑三の著書「代表的日本人」より、西郷隆盛を取り上げました。西郷隆盛に関する書籍は多数あり、学ぶことがたくさんあると思います。
お客様とのやり取りの先頭にたって事業を創り出していく営業こそ、西郷隆盛から学べることも多いのではないでしょうか。
共に、営業として、未来に貢献していきましょう。
次回は、代表的日本人より、上杉鷹山を取り上げます。
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