Harvard Business Review(ダイヤモンド社 2022年1月号)「ブレークスルーイノベーション」イノベーションの兆しの見つけ方
こんにちは。松下です。
本日は、トップセールスの本棚として世界50か国以上のビジネス・リーダーが愛読するマネジメント誌「Harvard Business Review」を取り上げます。前回「変わる営業」の特集号を取り上げましたが、今回は、「ブレークスルーイノベーション」の特集号を取り上げます。。
>前回のHarvard Business Review記事はこちら
新型コロナウイルスの影響もあり、世界的に環境変化の激しい現代において、「イノベーション」は非常に学ぶべき価値のあるテーマと言えます。実際に、mRNAという新しいワクチンが開発され、急速に技術が進歩したと言えます。また、営業担当者にとっても、テクノロジーの進化をはじめ、日々イノベーションという言葉を耳にすることでしょう。
2022年1月号には「イノベーション」をテーマとしたさまざまな記事が掲載されていますが、その中から本コラムでは、「イノベーションの『兆し』を見つけ出す方法」についてご紹介していきます。
1. 「アノマリー」が競争優位を生む
「アノマリー」とは、
何らかの形で意外性はあるものの、意味や重要性ははっきりしない微弱なシグナル
のことを指します。
もう少し分かりやすくお伝えすると、
トレンドになる前の存在、まだ名前も広く知られていないような、いわゆる「兆候」のこと。
トレンドとして皆がその存在を認知してしまった後では、すでに他社との競争になり奪い合いが始まります。そのため、トレンドとして形を成す前の「アノマリー」を早期に発見し、事業に取り入れることが大切になります。
マネジメント、とりわけイノベーションの分野において功績のあるピーター・F・ドラッカーも、似たような言葉を残しています。
The future that has already happened.
-すでに起こった未来-
これは、まさに「兆候」のことです。
では、この「アノマリー」は、どのように見つければよいのでしょうか?
2. 発見のポイント
「アノマリー」を見つけるためのポイントとして本記事では、3つのことが紹介されています。
・外部の視点から見る
・思い込みやメンタルモデルを疑ってみる
・曖昧さを受け入れる
以上、3つの心構えです。
どう感じましたでしょうか。
書かれてみると「なるほど・・」と思える内容ですが、実際に取り組もうとするとなかなか難しい内容かもしれません。
私は、この3つの心構えの中に「外部の視点から見る」というポイントが書かれていることは注目に値すると感じました。なぜなら、まさに、これこそが営業がお客様に提供できる価値の一つだと思ったからです。
意識しなければ、つい内部的な視点で物事を捉えてしまいがちなお客様の視点に、別の視点を差し込めるのは「営業」ならではの役割です。
「イノベーション」を余儀なくされている多くの企業担当者にとって、営業からの視点はまさに、新たな事業を生み出す一つの種にすらなりうるのです。
誰でも手軽にデータ収集ができるようになった現代だからこそ、営業がお客様にお渡しする情報の価値を高めることは、営業が生き残る一つの道といえるかもしれません。
3. おわりに
いかがでしたでしょうか。
本記事ではイノベーションの一つのきっかけとしての「アノマリー」を取り上げ、営業について考えてみました。
昨今、しっかりヒアリングをし、提案をしたのにもかかわらず、価格競争になり競合に負けてしまうという営業の悩みを多く耳にするようになりました。課題解決型の営業の限界を感じているかたも少なくないと思います。そんな中、「未来の事業を創造する存在」としての営業の価値は高まりそうです。また、営業職の使命の一つとも言えそうです。
本コラムでは記事の一部を取り上げましたが、この他にもイノベーションについて多くの記事が取り上げられていますので、詳細が気になったかたは、お手に取ってみて下さい。
また、弊社がイノベーションのテーマでイベントを行った際のレポートもございます。興味のある方はこちらからご覧ください。
組織で生む!イノベーティブな発想法~ドラッカー学会理事・藤田勝利と営業マネジメントの専門家 高橋研の特別対談!~
>レポートはこちら
是非、明日からの営業に役立てて頂けましたら幸いです。
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弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。