ALVAS JOURNAL

オンライン×営業の新たなカタチ~アプローチ編~

こんにちは。株式会社アルヴァスデザイン西山です。

緊急事態宣言が解除されたあとも、なかなかコロナウイルスの影響が快方に向かわない中、営業担当者は日々挑戦に挑戦を重ねていることと思います。

そんな中、前回のコラムでは、「オンライン営業の心得」をまとめてみました。

今回からは、「オンラインツールを活用した営業活動で工夫すること」にフォーカスを絞り、具体的に考えていきます。

切り口としては、営業における一般的な商談プロセスである「アプローチ」「ヒヤリング」「提案・クロージング」の3つで分けたいと思います。

今回は第一弾ということで、「アプローチ」にまつわるオンライン商談のヒントを記載していきます。皆様の営業活動に少しでもお役に立てれば幸いです。

 

【全4回】 オンライン×営業の新たなカタチ

  1. 心得編
  2. アプローチ編
  3. ヒヤリング編
  4. 提案・クロージング編

※提案・クロージング編は7月下旬ごろ公開予定です。

 

オンライン商談の導入について

そもそも、オンライン商談にあまり良い印象をお持ちでない方もいらっしゃると思います。

「営業は足が命!足で稼ぐのが営業だ!」というフレーズが某CMで流れていましたが、営業は顧客先に通い詰めて信頼を獲得するものだ!という考え方は根強くあるのではないでしょうか。(そのCMでは「古い営業」と揶揄されていましたが…笑)

確かに、足まめに訪問し顔を出すことは、ザイオンス効果が働くため、関係構築する上では理にかなった行動とも言えます。
(※引用:ザイオンス効果…単純接触効果とも言います。同じ人やモノに接する回数が増えれば増えるほど、その人やモノに対して好印象を持つようになる心理現象のことです。ポーランド出身で米国の著名な社会心理学者、ロバート・ボレスワフ・ザイアンスが、1968年に発表した論文で明らかにした心理学理論です。)

一方、このようなご時世では必ずしもそれが可能とも限りません。しかし昨今では、必ずしも「ザイオンス効果を高めれば売れる!」と言い切れなくなってきました。

その背景には、「生産性」という言葉が隠れています。

働き方改革が波及して、お客様一人ひとりが、生産性の高い仕事を求められるようになりました。
そのため、以前のように「ご挨拶」「表敬訪問」といった顔を出すことが訪問目的であるような営業は、やや敬遠される傾向にあります。

実際にいかがでしょうか。
「挨拶だけなら結構ですよ。」
といったフレーズで、訪問をお断りされた経験をお持ちの営業の方は大変多くいらっしゃると思います。

さて、このような状況下において、訪問営業の代替策として「オンライン商談」が機能するのか?
とある企業が実際に顧客側へアンケートをした調査データがありますので転載します。

 

(A)どのようなシーンでオンライン商談を体験したか

 具体的にどのシーンでオンライン商談を体験しましたか?

 

(B)オンライン商談を受けてみた満足度 

 オンライン商談を受けてみての満足度を教えてください。

 

上記の調査データから読み取れることは次の2つです。

・ほぼすべての営業プロセスをオンラインに代替することができる
・9割近くの方が不満を示していない

ちなみに、このデータは新型コロナウイルスが蔓延する前に調査したものです。昨今ではさらに需要や浸透度は高いのではと推測しています。

これらをまとめると、オンライン商談のハードルはさらに低くなっていると言えそうです。

それでは、営業側は具体的に何をすればいいのか?
今回は特に「アプローチ」プロセスに絞り考えていきます。

 

「オンライン商談のアプローチ」で意識すること

営業プロセスの序盤にあたる「アプローチ」では何を意識すべきなのか。

今回は「商談」のゴールを、「次回アポイントをとること」と仮定し紐解いていきます。

では、上記ゴールを達成するために何をすべきなのか?

結論からいうと、下記3点をお客様に感じていただきたいのです、

  • この人にもっと話したい!
  • この話をしたい!
  • 「今」だからこそ話したい!

この3つをお客様に感じて頂くために「対面営業」よりも「オンライン営業」でより意識すべき3つのポイントをご紹介します。

ポイント①オンラインでは「オーバーアクション」を心がけよ!

単純な話ですが、話したくない人に時間を割くほどお客様も暇ではありません。

プライベートも同様で、話をしていてもつまらない、意味がないと思ったら興味を失うし、またこの人の話を聞こうとは思いません(偉そうに書いている西山は、プライベートではすべりまくりです。笑)。

よって、まずは「この営業と話をすることは意味がある」と思ってもらう必要があります。いわば信頼獲得の第一歩です。
この時に行うべきことは、「相手の話をしっかり聞くこと」です。

当たり前だろ!と思う方がいらっしゃるかと思いますが、なぜこれをポイントにあげたのか。それは、前回のコラムで記載した通り「オンライン商談には制限がある」ためです。

「話を聞いている」と相手に感じてもらうためには、どのようなことを意識する必要があるでしょうか。
下記のポイントがそれに当てはまるのではと思います。

・相槌をうつ
・うなずく
・リアクションをする
・相手発言した言葉を繰り返すまたは言い換える
などなど…

これらを遂行することで、話を聞いている感覚を相手に印象づけることができます。しかし、対面営業の感覚で行っていると、うまくいきません。

なぜならば、使用する五感の数が、オンライン営業の場合は少ないからです。

オンライン営業では、視覚/聴覚のみを使用します。そして、オンライン画面上に映る自分は、対面している時の自分と比べ格段に小さく映ります。その上、スピーカーの調整を行うのは商談相手です。(残念ながらこちらでコントロールすることができないのです。)

つまり、オンライン上では、純粋にお互いが何考えているのかが伝わりにくく、更に、ミュートしている場合などは、きちんとうなずいているかどうかもか分からない…
といった状態になります。

そのため、すべての動作を「オーバーアクション」にする必要があります。

一般的に、コミュニケーションは聞き手側がハンドルを握ると言われています。これは、聞き手側の反応次第で会話が弾むかが決まるからです。そのため、より良い印象を残すため、より多くの情報を聞き出すために、対面の時よりオーバーアクションをしながら、相手の話しやすい雰囲気を作ることが重要になります。

ポイント②:オンラインでは話題が変わるたびに確認を!

対面営業では、持ち込んだ紙資料を配布・投影をしながら商談を進めることが多くあるかと思います。

オンライン営業では、事前に郵送などをしない限りは紙資料を渡すことはできないものの、例えば画面共有の機能を持ったテレビ会議システムを使用することで、投影のような形式で資料の視覚共有は行うことはできます。

しかし、ここに大きな問題が潜んでいます。それは、「お客様が資料のどの部分を見ているかがわからない」「お客様がどこに関心があるのかがわからない」ということです。
つまり、顧客の関心がどこにあるのかが、対面営業のときよりも察しづらいということになります。

この時に行うべきことは、「話題が変わるたびに確認をとる」ということです。

例えば、8ページほどある会社紹介や商品情報の資料があったとします。その場合は、ページや項目が変わるごとに、

「ここまでよろしいですか?」
「ここまでで、何か気になることはございますか?」

など、細かな確認を行いましょう。そうすることにより、「相手が何に関心があるのか」について認識をすり合わせながら話を進めることができます。(もちろん、相手によって確認の頻度は変える必要はあります。)

こちらも当たり前ですが、関心のない話を聞き続けることほどつらいことはありません。

対面営業の際は、相手の行動や視線から関心度合いを多少なりとも把握することはできていたかと思いますが、オンライン営業ではこちらも細かく把握することはできません。

そのため、少しずつ歩み寄ることをイメージしながら話を進めていくことが大切です。

※画面共有時は、資料のどの部分を今話しているかをわかりやすくするために、ポインター機能やマウスカーソルで示唆するとより伝わりやすくなります。

ポイント③:オンライン商談は、「最後の声かけ」が肝!

ここが個人的には最重要ポイントです。
オンライン営業は、相手によっては手軽な商談であると言えます。
デスク上ですべてが完結するため、緊急度が高くない事柄でも「とりあえず話を聞きたい」と時間をいただけるケースも多いです。

このようなケースの場合、商談の最後にこのような終わり方をすることがほとんどです。

「今日はありがとうございました。色々決まったらこちらからご連絡しますね。」

そして、なんとなく営業パーソンだったらわかるのです。
その後音沙汰がなくなるパターンだと。

そうならないためにも、「今」だからこそ話したいという観点が大切です。
これは、次回のアポイントを獲得へ大きな影響を及ぼします。

この時に行うべきことは、「関心事へ取り組む緊急度を上げる」ことです。
少し抽象的な表現になってしまいましたが、いわば①②の複合技+αです。

相手の関心事を把握し、この営業と話したいなと思わせることができて、初めて「緊急度を上げる」プロセスに進むことができます。

上述の通り、中には緊急度の低い段階で情報収集をしているお客様は存在します。
しかし、いくらオンライン商談が手軽とはいえ、業務時間の一部を割くということは、重要度が0というわけではありません。
そのため、ここで営業がとるべき行動は、「今のうちから取り組むことでこのようなメリットがある」ということを、お客様と一緒に考えることが大切です。

特に、コロナウイルスの影響で先行きが見えない状況が続いている中では、あらゆるケースを想定して準備しておく必要があります。

「○○に備えて、日ごろから■■の情報を集めておきませんか?」
「社内での検討に先立って、△△をあらかじめ準備しておきませんか?」
「先行き不透明な中なので、最新の同業他社の事例などご必要ですか?」

これらの声かけをオンライン商談の最後にすると、ほとんどの確率で「YES」が返ってきます。

これは、もちろん次回へのアポイントの確率があがるだけでなく、アポイントメントが取れなかったとしても、営業から再び声をかけやすい状況を作ることができます。

 

まとめ

お気づきになられた方もいらっしゃるかと思いますが、上述した3点は決してオンライン営業の際だけでなく対面営業でも有効です。
つまり、営業活動の本質が変わっていないことを意味しております。

オンライン営業は、営業側の工夫ひとつで対面営業に近づくことができ、場合によっては対面よりも効率的かつ深く関係構築ができる、そんな可能性を秘めていると思います。

我々も現在進行形で研究を進めていますので、新たに発見したことがあれば随時更新していければと思います。

 

さて、次のコラムでは、「ヒヤリング」についてまとめていきたいと思います。

【次回コラム予定】

・オンライン×営業の新たな「カタチ」とは~心得編~
・オンライン×営業の新たな「カタチ」とは~アプローチ編~ (本コラム)
・オンライン×営業の新たな「カタチ」とは~ヒヤリング編~
・オンライン×営業の新たな「カタチ」とは~提案・クロージング編~

※提案・クロージング編は7月下旬ごろ公開予定です。

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