脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方 (ジョンJ.レイティ 著 2009年 NHK出版)~営業は考える仕事!だからこそ運動を!~
こんにちは、荻原です。
本日は、ハーバード大学医学大学院臨床精神医学准教授のジョンJ.レイティ氏が書かれた、「脳を鍛えるには運動しかない!」をご紹介したいと思います。
営業は、良くも悪くも、売上という客観的な数値によって、一部の成果が決定する職業です。そのため、成果が出たのか、出なかったという議論が頻繁に発生する職種の1つと言えるのではないでしょうか。
そんな一部の成果が見える化している営業職にとって、目に見える成果を出し続けたいと思う心は自然と言えますし、「成果」を出し続けることは至上の命題とも言えるでしょう。
成果を出し続けることは、様々なプラスの側面を含みます。
- 同僚や上司ひいては会社から認められる
- 多くのお客様の課題を解決してあげられる
- 自分の掲げた目標を達成することができる
しかし、現実的に継続して成果を出し続けるのは難しいことも事実です。なぜなら、成果を出し続けるには、高いレベルの実力を保持するだけでなく、変化の激しいビジネスシーンにおいて、常に実力を発揮する力も必要になってくるからです。
実際に継続して成果を出し続けることができる層は、上位10%くらいであると言われています。
では、上位10%とその他大勢にはどんな違いがあるのでしょうか?
成果を決定づける行動は無数にあるため、「これだ!」と断言できることはないですが、継続して成果を出し続ける人が共通して行なっている習慣が「運動」です。
実際、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏やtwitterの創始者の一人であるジャック・ドッシー氏は、朝のモーニングルーティーンに「運動」を取り入れています。
本記事では、運動が持つ可能性と忙しい営業担当者がどうすれば日々の生活に運動を取り入れることができるのかを紹介したいと思います。
目次
1. ネーパーヴィルの事例
まずは、論よりも証拠ということで、アメリカのイリノイ州ネーパーヴィルでの事例をご紹介したいと思います。
1999年、TIMSSという理科と数学の学力を競うテストが行われました。世界38カ国から合計で約23万人が参加する非常に大規模テストでありました。
アメリカの平均順位は、理科が18位、数学が19位であった中、ネーパーヴィルの学生は理科1位、数学6位という輝かしい成果を残したのです。
ではなぜ、ネーパーヴィルの学生達がこれほどまでに輝かしい成果を残せたのか?
本書では、
彼らの努力の結晶もさることながら、定期的に運動をする習慣があったからではないか
と語られています。
実際、彼らの学校ではいかに運動が学力の向上に役に立つのかを測るために試験的に、1時間目の前に「0時間目」を設けて、最大心拍が70〜80%程度になるような有酸素運動をさせていました。
その結果、0時間目に参加していない生徒に比べ、0時間目を受けた生徒は平均して成績が17%向上しました。
では、なぜ運動をすることと学力には相関があると言えるのでしょうか?
それは、
運動をすると脳細胞が成長するためである
と本書では語られています。
2. 運動が1日の生産性を圧倒的ブーストさせる
実際、耳にタコができるほど、テレビでのダイエット番組や雑誌などで運動が取り上げられています。また、健康診断では「運動の習慣はありますか?」と聞かれると思います。
IT化が進んだ現代では、なかなか運動をする時間を確保できない営業担当者が多いのではないでしょうか。
そんな忙しくてストレスフルな人たちこそ、多少無理をしてでも運動をしてほしい
と本書では語られています。
なぜなら、運動をすると営業担当者にとって嬉しい2つの効果があるからです。
- 脳由来の神経栄養因子「BDNF」の分泌量が増加する
- 集中力が1時間〜3時間向上する
1つずつ解説していきます。
- 脳由来の神経栄養因子「BDNF」の分泌量が増加する
脳由来の神経栄養因子「BDNF」とは、脳が成長をするのに必要な栄養因子です。運動を行うと特に分泌され、この因子は脳内神経の接続効率の向上、接続の強化など多く場面で活用されます。
BDNFが脳でたくさん分泌されると、脳の神経接続効率が向上するため、
- 記憶力
- 判断力
- 認知力
など数多くの能力がパワーアップします。
営業担当者は、基本的に複数のプロジェクトを抱えていることが多いので、記憶力や判断力、認知力が向上することは、生産性の向上に直結します。
- 集中力が1時間〜3時間向上する
これは、運動を行うと脳内で分泌されるドーパミンやアドレナリンなど多種多様なホルモンの影響で発生する効果です。
運動を行うと、脳内では様々なホルモンが分泌されます。そして、その分泌されたホルモンが代謝されなくなるまでは集中力は持続されるというわけです。
以上2点が運動をすると得られる効果になります。
営業担当者は、常に脳をフル回転させている職業だからこそ、生産性を向上させるためにも運動は特におすすめです。
3. 1日30分早歩きウォーキングの勧め
では、ここまででご紹介した運動の効果を実感するのに必要な運動量はどれくらいなのでしょうか?
その答えは、
最大心拍の70〜80%程度の負荷になる有酸素運動を30分程度
と本書では語られています。
出勤をされている方の場合はそれもかなり難しいと思います。
そんな方におすすめなのは、
1日30分の早歩きウォーキングである
と本書では語られています。
実際、早歩きでもBDNFや様々なホルモンが分泌されるそうです。
また、30分継続して運動をする必要がないそうなので、例えば、出社前に15分、お昼に15分行うといったように小分けにして行うこともおすすめです。
4. おわりに
本書では、本記事で紹介した運動が持つパワー以外にも様々なパワーを病理学的な側面から超具体的に紹介しています。
人間は、その行動から得られる効果を認識している方が、その効果を得られやすいという特徴がありますので、実際に本書を読んでみると運動から更なる効果を得られるかもしれません。
仕事の生産性を高めて市場価値を少しでも高めたい方や仕事を終わらせてプライベートを充実したい方は、ぜひとも毎日に運動を取り入れてみるのもいいかなと思います。
本記事が、少しでも日々の営業活動の一助になれれば幸いです。
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ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。