「実践!インサイトセールスーAIに駆逐されない営業力」出版記念セミナーレポート
皆さんこんにちは。
アルヴァスデザインに今年入社しました関谷です!
2018年6月29日に弊社代表高橋研の初出版本が発売されました。
それを記念して、7月13日に弊社ワークショップ会場にて出版記念講演会が行われましたので、レポートさせて頂きます。
1) 営業スタイルは時代と共にどのように変化して来たのか?
現在では良いものを作っても、それだけでは買い手に購入して頂けない難しい時代です。
全ての商品・マーケットのライフサイクルは短くなっていて、価値の下落も激しい現状もあります。
様々な時代を経て、営業スタイルはどのように変化してきたのでしょうか?
戦後、バブル期、バブル後と分けてみると以下のようにまとめることができます。
・戦後「物売りの時代」
テレビや冷蔵庫など新しいものが続々と登場し、高度経済成長期の中で市場では売り手が有利でした。良い品質の商品・サービスを提供し、それをわかりやすく説明することが重要視されました。
つまり…
「良いもの」に価値があった時代
・バブル期「個人力の時代」
品質の差別化が難しくなり、お酒やゴルフなどの接待を通して個人を売る営業が増えました。営業担当者が人として受容されること・顧客に詳しくなることなどが重要視されました。
つまり…
担当者の「個人力」に価値のあった時代
ここでは大きくうなずいたり、「ゴルフ行ったなあ~」とコメントされているお客様がいらっしゃいました。
私はこの会社に入って初めて営業職を経験していますし、社内では少ない女性営業です。
この時代の女性営業の方はどうしていたのだろう…同じ営業手法で動いていたのだろうか…と私は疑問に思った次第です。
(私はお酒も弱いのでこの時代にいたら大変だ…)
・バブル後「課題解決型営業の時代」
バブル崩壊による不景気で、企業はお金を出しづらくなりました。それによって、コスト削減や業務の効率化などが主な課題として増えました。営業には、顧客の課題を正確に聴きだすこと・課題の解決案を提示することなどが重要視されました。
つまり…
お客様の「問題解決」に価値があった時代
こういった時代を経て、現在は「インサイトセールス」の時代に突入しています!
2) インサイトセールスとは何か?その意義は?
「インサイトセールス」言葉は聞いたことあるけど、どういう意味だ?と思う方、そもそも初めて聞いた方、など様々かと思います。
ここからは「インサイトセールス」とは何かを知る、だけでなく人に説明できる、やってみたくなる、ような内容が書かれています!
(ハードルを自ら上げてしまった…)
まずはそもそもの意味から…
インサイトセールス:顧客の理念や目指す姿の理解・顧客が気づいていない先回り提案
この解説だけでイメージすることは難しいかと思いますので、1例として、経営者向けのプレゼンテーションで考えてみたいと思います。
以下の図のように、提案の中に「経営者層の関心領域に刺さるメッセージ」(経営者としての夢・会社として目指したい姿・ありたい組織風土など)を上位層から聞き出し、提案時に入れることが経営者のインサイトをつき、効果的だったりします。
(高橋が同行したA社は、この方法で見積もりが競合の2倍だったにも関わらず受注して頂けた成功例があります。)
【インサイトセールスの意義】
・提案の方向性がぶれなくなる
・顧客経営者からの共感が得られる
・提案が受容されやすくなる
3) ターゲット選定とインタビューの観点
インサイトセールスの最大のデメリットは…手間がかかること!
なぜならば…
今までの課題解決型の営業では川上から顧客の課題を捉え、意思決定の流れに乗ることが提案営業の勝ちパターンでした。しかし、インサイト営業では顧客の「ビジョンやありたい姿」を聞き出し、合意することが重要です。階層別に合意形成の範囲が異なるためヒアリングの回数や時間も必要になります。ターゲットを絞らなければ、限られた資源の中で実践することは困難です。そういった理由で手間がかかってしまいます。
そのため、ターゲットの選定は重要になってきます。
課題や問題を聞き出すまでのリレーション構築や、それに対しての解決策をご提案するだけでもかなりの時間と労力がかかるイメージですが、ありたい姿や目指していることまでを上位者の方から聞き出すのは大変そう…
しかし、聴き出せた時の達成感はとても大きそうですね!
きちんと攻めるべき顧客を定めることが重要です。
その上で、顧客のビジョンは「目的」「価値観」というビジョンを捉える観点と、顧客の戦略は今後「その領域で」「どのような強みを活かして」「誰に」対して「どのような価値を」提供したいのかという戦略を捉える観点でのインタビューが重要です。
4) ゲストスピーカーによる事例紹介
この日は弊社のお客様の中で、実際にインサイトセールスに取り組み、成果を上げた方にゲストスピーカーとして事例を共有して頂きました。
お話の中で印象的だったコメントを私(関谷)の目線で記載させて頂きます。
■某大手証券会社営業マネージャー A様
「実際にお客様の地域に対する想いやビジョンなどをお伺いし、提案を進めたことで10億円単位の受注をして頂けました。インサイトセールスは意識して訓練しないとハードルの高い手法ではあります。しかし、価格競争に巻き込まれない1つの入り口としては有効ですし、顧客との信頼関係も深まりました。
自分の部下にも経営者目線で考える意識を持つ重要性を教えています。」
■某大手飲料メーカー部長 B様
「インサイトセールスを実施して会社として成功事例を作ったことで、自社のトップからの評価も得ることができました。この手法はあくまでも1つの入り口として活用する価値があり、必ずこのやり方でというわけではありません。
しかし、インサイトセールスの実践によって実際に成果は出ましたし、顧客との信頼関係も深まりました。
一番心象的だったのは、インサイトセールスプロジェクトに参加していた若手のマネージャーが、「仕事が楽しい!」と言い出したことです。営業パーソンのモチベ―ションアップにもつながった気がします。」
お二人のお話を聞いて、共通していたのが「成果が実際に出た」ということと、「顧客との信頼関係が深まった」というコメントでした。
もちろん手法としてはハードルが高く、経営層の考えに目線を合わせるのは難しいなどといった壁はあるようです。
しかし、インサイトセールスを新しい1つの営業手法として取り組むことで、成果が出るだけでなく、顧客との関係性が深まったり、自分や自社の成長に繋がり、営業としてもモチベーションも上がる…など、プラスに働くことも多い印象でした。
私は個人的に、「営業=つらい・大変」というイメージを「営業=楽しい・やりがいがある」というイメージにシフトしていけたらと思ってます。ですので、Bさんの「営業パーソンのモチベーションアップに繋がっていた」というコメントに、私も実践していこう!という前向きな気持ちになりました。
その場にいた参加者の皆さんもお二人の体験談をかなり興味深く聴いていた印象ですし、セミナー後に個人的に詳しくお話を聞きに行かれていた方もいらっしゃいました。
価格競争に苦戦しているすべての営業パーソンが、顧客経営者の心をつかみ、成果を上げ、信頼関係を深める、そのための1つの営業手法としてインサイトセールスに取り組んでみて頂きたいですね!
そして「インサイトセールス」という手法がより世に広まり、成功事例が増えていく事を期待します!
最後に…
■弊社での新しい取り組み
今回でのセミナーでは、「UMU」というシステムを使用しながら進めました。
UMUは、講義の中で疑問に思ったこと・感想やコメントなどを書き込むことができ、リアルタイムで講師や受講生とそれをシェアするプラットホームです。
イメージとしては、LINEやチャットワークのようにグループ内の人たちと意見を共有でき、インスタグラムやツイッターのように”イイネ!”や投稿に関してのコメントをすることができます。
皆さんは研修や講演、セミナー中に…
「今の部分が分からなかったけど、手を挙げずらいなあ…」「後で聞けばいいか…」
「今のコメントすごく共感できる!」「共有したいことがあったが、後から思い出した!」
などなど…と感じることはありませんか??
そういったモヤモヤを解消するために、UMUというツールが力を貸してくれるのではないかと考え、導入を始めました。
今回のセミナー中にも、随時UMUへの書き込みにご協力頂きました。
特に盛り上がったのが、お客様からのインサイトセールス導入事例をご紹介頂いた時です。
やはり参加者の皆さまは、インサイトセールスを実践した企業様の意見が気になるようで、たくさんの投稿がありました。
今後は各研修やセミナーでの導入し、少しでも受講生の学びの機会に貢献していけたらと考えています。
今回の出版だけでなく、こうしてセミナーを無事開催できたことは、日頃から当社をご支援いただいておりますお客様のお力あってこそだと思います。
この場をお借りして感謝申し上げます。
当日講演会に参加頂けなかった方も、「実践!インサイトセールス-AIに駆逐されない営業力」をお読みいただければ、インサイトセールスの必要性を感じていただけると思います。
ぜひお手に取って頂けますと幸いです。
このセミナーの最後には懇親会も行われました。
会社を超えたコミュニケーションや繋がりが、当社をきっかけに生まれることはとても嬉しいですね。
それではまた次回のセミナーでお会いしましょう!