【エッセンシャル版】マネジメント基本と原則④(ダイヤモンド社 2001年 P・F・ドラッカー著 上田惇生編訳)~仕事の生産性とは?~
こんにちは、石井です。
複数回にわたって、P・F・ドラッカーの「エッセンシャル版 マネジメント基本と原則」を取り上げていますが、本日はその第四回目です。
今回は、「仕事の生産性」について考えていきます。
ドラッカーのマネジメントは、ややアカデミック性が高く、現場で応用するには一定の障壁があると考えられていることもあります。
そこで今回は、ドラッカースクールを卒業生である藤田勝利氏の著作「ドラッカースクールで学んだ本当のマネジメント(日経BP 2021年)」も参考にしながら読み解いきます。
第1回:マネジメントの基本と原則とは?
第2回:企業の目的とは?
第3回:戦略計画とは?
第4回:仕事の生産性とは?←本コラムはこちら!
目次
1. 戦略計画とは?(前回のあらすじ)
戦略計画において、いかにして意思決定をするのかを考えました。
ドラッカーは、
「いま意思決定をしなければならない」
「戦略計画とは予測ではない」
「不確実な明日のために今日何をなすべきか」
という言葉を残しています。
私たちは、未来を確実視することができません。そのため、できることは不確実な未来での意思決定を考えるのではなく、現在の意思決定についてのみです。
2. 知識労働者
ドラッカーは、Knowledge-Worker(知識労働者)という言葉を残しました。
現在、私たちの多くの仕事が知識に依存するようになっています。
つまり、私たちが生み出す価値の源水が機械や道具などの有形資産(Tangible Assets)から、知識にまつわる特許やライセンスなどの無形資産(Intangible Assets)に移行してきています。
では、知識労働者はどのように生産的な仕事をしていけば良いのでしょうか。
3. 成果を中心に考える
ドラッカーは、生産性において「成果を中心に考えること」や「インプットではなくアウトプットから逆算すること」の重要性を説いています。
ここからは私の解釈となりますが、私たちが知識を1つのツールとして価値創造をする際に、大切なことは「目的を考えること」だと思います。
知識をたくさん身に付けることは大切であり、特許やライセンスも多い方が良いです。
しかし、生産性に着目する場合、私たちは自分の持っている無形資産を出発点としてすべてのビジネスを考えることは避けるべきなのではないでしょうか。
大切なことは、「顧客の創造」であり「知識を活用すること」ではないからです。
私たち、とりわけ営業パーソンに求められることは「顧客の声」を正確につかみ取ることではないでしょうか。
それが成されない限り、いくら商品やサービスの知識を持っていても、いくら会社が素晴らしい特許やライセンスを持っていても、顧客の満足を満たしてあげることはできないでしょう。
言い換えれば、生産性の高い仕事をするためには、目的が大切であり、そのためには「成果を中心に考える行動」が求められるのです。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか?
本日は、ドラッカーのマネジメントにおける生産性について考えてみました。
私たちは、日々「生産性の高い仕事」を求められています。生産性の高い仕事とは何でしょうか。それは、どのように達成されるのでしょうか。
生産性を高めるために、大切なことは「成果を中心に考えること」です。ぜひ、ドラッカーの生産性の考え方を元に、自身の仕事を見つめなおすきっかけとしてはいかがでしょうか。
次回は仕事の働きがいを考えていきましょう。
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石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。