ALVAS JOURNAL

【エッセンシャル版】マネジメント基本と原則⑤(ダイヤモンド社 2001年 P・F・ドラッカー著 上田惇生編訳)~仕事の働きがいとは?~

こんにちは、石井です。

これまで複数回にわたって、P・F・ドラッカーの「エッセンシャル版 マネジメント基本と原則」を取り上げていますが、今回は五回目となります。

第五回目は、「仕事の働きがい」について考えていきます。

ドラッカーのマネジメントは、ややアカデミック性が高く、現場で応用するには一定の障壁があると考えられていることもあります。

そこで今回は、ドラッカースクールを卒業生である藤田勝利氏の著作「ドラッカースクールで学んだ本当のマネジメント(日経BP 2021年)」も参考にしながら読み解いきます。

第1回:マネジメントの基本と原則とは?
第2回:企業の目的とは?
第3回:戦略計画とは?
第4回:仕事の生産性とは?
第5回:仕事の働きがいとは?←今回はこちら!

 

目次

    1. 仕事の生産性とは?(前回のあらすじ)

    ドラッカーは、「Knowledge-Worker(知識労働者)」という言葉を残しました。

    現在、私たちの多くの仕事が知識を中心に価値を創造しています。その際に大切なことを、ドラッカーは「成果を中心に考えること」としています。

    私たちは、自身の知識を中心に物事を考えがちですが、本当に大切なことは「顧客の創造」を中心に考える目的思考なのではないでしょうか。

    2. 働きがいとは?

    皆さんにとって「働きがい」とは、どのようなものでしょうか。

    • 高い給与
    • 獲得できる地位や名声
    • 自己ビジョンの実現

    など、さまざまなものがありますね。

    では、「働きがい」を感じるためには、どのような状況が必要なのでしょうか。また、働きがいをメンバーに感じてもらうためには、どのような条件がそろうと良いのでしょうか。

    これらの問いに正解はありませんが、ドラッカーの見解を元に考察してみましょう。

    3. 3つの条件とは?

    ドラッカーは、下記のように語っています。

    働きがいを与えるためには、仕事そのものに責任を持たせなければならない

    責任という言葉は、自身がエンパワーされている範疇のことであり、裁量権と解釈することができると思います。

    では、これらの条件とは何でしょうか。

    ドラッカーは、

    ①生産的な仕事

    ②フィードバック

    ③継続学習

    という3つの条件を上げています。

    3つの条件のうち、①の生産的な仕事については、前回のコラムをご覧ください。

    では、②フィードバックと③継続学習を考えてみましょう。

    「フィードバック」とは、成果に対してのフィードバックをメンバーに与えることに他なりません。

    注意しなければならないことは、仕事の持ち主です。フィードバックをもらう際の主人公はマネージャーではなく、それをもらう本人にあります。

    仕事の持ち主である本人が、もらうフィードバックを活用して、自身の仕事のマネジメントに活かさなければならないのです。

    「継続学習」とは、前回お伝えした知識労働者とも関係していきます。

    自身が学ぶことによって、価値を創造するサイクルを創り出すことができます。この過程によって、仕事への満足度も高まり、結果として働きがいも向上するのでしょう。

    4. 働きがいの4要素

    働きがいを、異なる目線から4つの要素として考えることも可能です。

    株式会社アルヴァスデザインが提供しているマネジメントコンテンツ(ドラッカー学会理事の藤田勝利氏が監修している)では、働きがいを4つの要素に分けています。

    ・その1:ビジョンへの共感

    仕事におけるビジョンと、自身のビジョンが一致している状態で、人は高い働きがいを感じることができます。

    自身の仕事が、自己実現にどのくらい寄与しているのかという目線で考えてみると良いかもしれません。

    ・その2:仕事への貢献実感

    先ほどお伝えしたように、働きがいを高めるために、ドラッカーは「フィードバック」が大切であるとしています。

    仕事にどの程度貢献できたのかを実感するために、自身の振り返りに加えて、マネージャーからの適切なフィードバックは良いモチベーションになります

    ・その3:メンバーとの協働実感

    メンバーと同じビジョンを目指し、切磋琢磨する環境は働きがいを高めます。日本は仕事を縦割りするジョブ型よりも、チームで目標を達成するチーム型が適しているとされています。

    メンバーと一緒に目標を達成することで、私たちは働きがいを感じることができるのです。

    ・その4:自身の成長実感

    仕事を通して、自身がどの程度成長できたのかを感じることも大切です。

    繰り返しますが、ドラッカーの「フィードバック」がこの実感を加速させることでしょう。マネージャーからの「成長」にフォーカスしたフィードバックは、モチベーションを高めるはずです。

    では、これらの働きがいの4要素を具体的にどのように現場で実践していけば良いのでしょうか。気になる方は、ぜひ、マネジメントに関する講演のアーカイブをご用意していますのでお問い合わせください。

    5. おわりに

    いかがでしたでしょうか?

    本日は、ドラッカーのマネジメントにおける仕事の働きがいについて考えてみました。

    なぜ、働くのか?

    この問いは、ビジネスパーソンであれば一度は考えたことがあるに違いありません。

    働く目的を考え抜くことは、自身の働きがいにも影響します。高い働きがいを持って仕事をすることは、人生そのものを実りあるものにしてくれます。

    ぜひ、一度働きがいについて熟考してみてはいかがでしょうか。

    次回はマネジメントとチーム作りを考えていきましょう。
    >【エッセンシャル版】マネジメント基本と原則⑥(ダイヤモンド社 2001年 P・F・ドラッカー著 上田惇生編訳)~マネジメントとチーム作り~

     

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    石井 健博

    ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
    営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
    趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。

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