少年日本史(平泉 澄著2010年 皇學館大学出版部)~自分の人生を建てるために、変化の激しい今読みたい一冊~
こんにちは。石井です。
今回は、『少年日本史』をご紹介します。
日本には、多くの歴史書があり、歴史マンガがあり、そして学校でも必修科目として歴史があります。テレビをつけても、新聞を読んでも、歴史に関わるテーマのトピックを目にすることも多いと思います。
ただ、この本は特別です。
なぜならば、この本は歴史的な事実を学ぶためというよりも、著者である平泉澄の遺書であり、後世への遺物でもあるからです。そのため、本書を読むと生き方が定まり、仕事へのエネルギーも高まります。言い換えると、人生観が定まる一冊と言えるでしょう。
昨今の変化の激しい時代の中、どのように生きていくのかを悩んでいる方、これからどうしようかと考えている方・・・少なくないのではないでしょうか。
そんな時、日本の歴史を読み、自分の芯を作り直すことも必要なのではないでしょうか。
目次
1. 日本人のための歴史書
本書は、平泉澄氏が日本人のために残した遺書のような書物です。
皇學館大学出版部のページには、商品説明として下記の言葉が記載されています。
一世の碩学が、 祖国の精神再興のため、 心血をそそいで子孫に残そうとする日本の遺書。
いかがでしょうか。
この文章を読むだけで、この本がただの歴史書ではなく、平泉澄氏が命を懸けて後世に残したかった書物であることがわかります。だからこそ、この本のエネルギーは凄まじいのです。
では、本書の一部である「元服と国家建設」を見ていくことにしましょう。
2. 元服と国家建設
皆さんは、「元服」という言葉を聞いたことはありますか?
元服とは、現代的に言うと「成人式」のことです。ただ、今と大きく違うことは、元服とは主に男子のための儀式であったこと、そして年齢は20歳という定めはなかったことです。
当時の元服とは、親からの独立を意味し、独りで生きていくことを決意し、その後に家の名を汚すことがあれば自らの命をもって責任を取ることまでを指します。
切腹とは、自らが起こした恥を雪(そそ)ぐ行為であり、これをすれば家の名は汚されなくて済む(責任を果たした)ことを意味しました。
その元服と重ね合わせて解説されているのが、国家建設です。つまりは、日本という国の始まりです。
何かを始めるとき、それが大きいことほど大きな責任を持ちスタートを切ることになります。日本という島国は、天皇という親の元、現代まで続いている最も古い国です。
その神話なしに、私たち一人ひとりが人生を生ききることはできないというのが、私が感じ取ったメッセージでした。
3. 自身の人生を建てる
元服と国家建設を読み、人生を建てる意義について深く考えなければならない・・・そう、私は感じました。
現代は、成人式というものがあり、20歳になれば皆が成人します。だからこそ、独りで立ち上がることの意義を深く考えることはありません。ただ、生まれて20年が経てば誰でも成人するからです。
ただ、人生を建てるという意味での成人(いわゆる元服)は、年齢という枠には収まり切りません。つまり、自分の人生の建設は年齢に関係なく、自分で建てなければならないのです。
論語で孔子は、30歳にして立つことを述べています。もしかしたら、私たちは人生100年とした場合、本当の立志は20歳の成人の時期ではなく、30歳以降に訪れるのかもしれません。
いずれにせよ、自身の人生を建設するのは自分の決めの問題です。今、目の前の仕事にやりがいを持てている人、そうでない人。生きがいを持っている人、そうでない人。悩んでいる人、そうでない人。色々な感情が渦巻いている方も多いはずです。
そんな時、自分の人生を建設することを見直すために、本書「少年日本史」を一読してみるのは良いヒント以上のものを手にできるはずです。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか。
本日は、平泉澄氏の少年日本史をご紹介しました。本書は、700ページを超える大作であり、かつ現代語が使用されていない箇所も多く難解かもしれません。
しかし、だからこそこの本と対峙し向き合い、自分のものにしていく過程に価値を見出すことができるかもしれません。
人生観、仕事観を作り、自分の人生を建設する一つとして、少年日本史を強く推奨します!
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ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。